活動報告

医師のキャリア形成をサポートするため様々な活動を行っています。

病院訪問

倶知安厚生病院を訪問しました。

医師の就労環境作りを支援する事業周知のための臨床研修指定病院の訪問

JA北海道厚生連 倶知安厚生病院[平成26年6月12日(木)午後4時]

 今年度最初の訪問先は倶知安厚生病院で、高木副院長をはじめ主任医長など5名にお集まりいただき、また、羊蹄医師会の皆川会長にもご出席いただき、勤務医の働きやすい就労環境づくりや、仕事との両立に必要なことなど意見交換をしました。

 高木副院長からは、当院は日本の地域医療の問題点を全て抱えているような病院である。一時期は、大学からの医師派遣が激減して、崩壊寸前であったが、総合診療科という分野で当院の役割が明確になった。倶知安のような地域では、総合診療科は一番必要とされており、あり方は各病院によって様々だが、当院は循環器と消化器がなくなり内科医がいなくなってしまったので、内科的な診療がベースとなっている。総合診療科といえども線引きはあり、当院で診ることができない場合は、他院に紹介するしかない。この判断は難しく、研修医の先生は、当院で治療するか他院に紹介するかを相談して決めるようにしている、とお話がありました。


 また、救急で当院では処理できない場合に搬送先を探すことが一番大変で、救急隊が直接搬送先に連絡すると断られてしまうが、医師が連絡すると受け入れてもらえることが多いのが現状である。搬送先が見つからない時は、同期や知り合いなど、医師の伝手を手繰ってお願いしているが、個人間のやりとりではなく、病院として動ければ一番いい。救急搬送をスムーズに行うためにも、その地域の医師を集め、搬送先のパイプができるように交流できる場を設けることが必要だと思う、とお話がありました。

 子育てと仕事の両立については、医師に限らず、子どもを育てながら働くためには、病児保育や長時間預かってくれる保育所が必要だと思う。女性医師の配偶者は医師であることが多く、経済的には豊かであるので、アメリカのようにベビーシッターを雇って子どもを見てもらうという方法もあるが、日本では、子どもを預けることは悪いイメージがあり、海外のように気軽に利用できない。ベビーシッターに対するイメージを変えさせることも必要かもしれないとのお話がありました。



 沖縄から来た研修医に北海道の印象を聞いてみると、北海道は広い土地や人の穏やかさなど、本州の人間は、北海道に憧れを持っている。沖縄と比べてみると、沖縄は村社会・島社会で、余所者は受け入れないところがあるが、北海道の人達は、余所者にも優しいので住みやすく、四季を感じられるので住んでいて楽しい。
 また、土地柄外国人の利用が多くなる冬の期間の12月から4月の間は、当院独自で募集をかけ、通訳を3名雇っているとの、観光地ならではのお話も聞くことができました。
 
 引続き、北海道医師会と女性医師等相談窓口の事業の説明と、日本医師会が作成した「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」を紹介して、医師の健康支援のための適切な労働条件整備と労働環境改善について説明し、北海道労働局で設けている、仕事と家庭の両立支援や女性の活躍推進に取り組む事業主団体に対する助成金について紹介いたしました。


 
 最後に、羊蹄医師会皆川会長から、倶知安は羊蹄山麓地域との結びつきが強い点が良い所だと思う。羊蹄医師会は、医師が身近に感じられ若い医師の意見も取り入れられるような医師会を目指して発展させていきたい。今後もご協力をお願いしたいとの挨拶があり、閉会しました。

倶知安厚生病院の皆さま、
お忙しいところありがとうございました。
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