独立行政法人国立病院機構北海道医療センターを訪問しました。
医師の就労環境作りを支援する事業周知のための臨床研修指定病院の訪問
独立行政法人国立病院機構北海道医療センター[平成26年2月27日(木)午後5時30分]
今年度最後の訪問先は北海道医療センターで、菊地院長をはじめ副院長など5名の勤務医と3名の研修医、事務局の方に参加していただき、男性も女性も勤務医の働きやすい就労環境づくりや、仕事との両立に必要なことなど意見交換をしました。
菊地院長からは、当院としても女性医師が働きやすい環境を提供したいと考えており、国立病院機構の本部でも様々な方策を打ち出しているが、実際に利用されているのか、使い勝手は良いのか、利用しにくい部分はどこかなど、生の声を聞かせていただきたいと挨拶を頂戴しました。
子育てと仕事の両立については、子育て中の女性医師から、道外にある実家から母が手伝いに来てもらい両親には負担をかけた。後輩の女性医師には、自力で子育てと仕事を両立できるような環境を整えてあげたい。子育てについては、男性も協力するのが当たり前だと思っているので、「自分も手伝う」ではなく「自分がやる」という意識を持ってもらいたい。夫の理解と協力があるからこそ、夫婦で医師を続けられていると思う。などのお話がありました。
また、育児休暇の取得については、当時は取れる雰囲気は全くなく、休んでしまうとブランクができてしまい手術にも影響すると思っていたので、産休後すぐに復帰した。現在は、大学医局に所属している先生も育休を取得して1年後に復帰するのが主流になっている。育休を取得した先生は、復帰後2〜3ヶ月くらいで手術をできるようになると聞いているが、復帰後は、当直・時間外の問題が壁になっている。戻る場所が確保されていると医師の
復帰意欲も湧くと思う。非常勤で働いている医師の8割が常勤には戻りたくないと回答があったアンケート結果もあり、常勤としてコツコツ働いていくことが、医師を長く続けていくには大切なことだと思う。学生の時に出産した当時は、子育て中の女性医師はいらないという風潮がどの診療科でもあったが、小児科はそのようなことはなかった。大学医局では、育休を取得すると戻る席がなくなってしまうし、子どもがいるので地方へ行くこともできない。外科系の先生は育休を長い期間取ってしまうと、技術的にもブランクができ るので、キャリアを考えると育休は3〜6ヶ月が限度だと思う。また、非常勤になってしまうと手術から外されてしまうので、将来的に考えても常勤として働いていける環境が大切である。子育てや仕事に関する悩みは十人十色なので、様々なニーズに対応できるサポートが望まれる、とお話がありました。
引続き、北海道医師会と女性医師等相談窓口の事業の説明と、日本医師会が作成した「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」を紹介して、医師の健康支援のための適切な労働条件整備と労働環境改善について説明しました。
最後に、菊地院長から当院は女性医師大歓迎であり、意見・要望は遠慮せずに言ってほしい。言ってもらわないと気付かない点もあり、提案しないことにはどうにも動かない。女性医師の声を直接聞く常設委員会の設置も検討したい。伊藤副院長からは、女性医師の就労環境整備については常々考えているが、今日のような会に出席することで改めて具体的な話をすることができるので勉強になった。長尾統括診療部長からは、診療科の中では取り組んでいることでも、規程に明文化されていないことがあったことが分かったので、しっかり規程を見直していきたいと、それぞれ感想が述べられ閉会しました。
北海道医療センターの皆さま、
お忙しいところありがとうございました。