岩見沢市立総合病院を訪問しました。
医師の就労環境作りを支援する事業周知のための臨床研修指定病院の訪問
岩見沢市立総合病院[平成26年2月13日(木)]午後5時
年が明けて最初の訪問先は岩見沢市立総合病院で、中島院長をはじめ副院長など5名の勤務医と事務局の方、岩見沢市医師会から伊藤副会長、宮本顧問に参加していただき、女性医師を含めた全ての勤務医の働きやすい就労環境づくり、子どもがいる医師の仕事との両立に必要なことなど意見交換をしました。
中島院長からは、当院では女性医師支援への取り組みはまだまだ遅れていると思うが、来年度には院内保育所を開設する。これからは、益々女性医師には活発に働いてもらわなければならないと思っており、貴重な意見を聞いて今後の参考にしていきたいと挨拶を頂戴しました。
お子さんが3人いらっしゃる子育て中の女性医師からは、周りが「子育てもあるからしょうがないか」と思ってくれる雰囲気があると気持ち的に楽で、日々、申し訳ないと思って働くことは心理的に大きな負担となる。大学病院に勤務していた頃は、周りから早く帰ってゆっくりしていると思われ、暇だと誤解されることが一番辛かった。また、同僚や上司に相談できる環境が大切で、フルタイムで働いていないと、どこか後ろめたい気持ちがあり相談もしづらくなるので、何でも話せる職場の雰囲気があればとても助かる。極端な話、ホームステイのような支援があれば良いと思う。子育てが終わった家庭に医師が家族ごとステイして、仕事中はステイ先の方に子どもを見てもらえれば当直もできる。このような支援があれば、子どもをもつ女性医師でも地域での勤務が可能になると思うとお話がありました。
勤務医から、自治体の行政職員は医療制度の仕組みを理解していないので、医師の苦しみをわかっていないのが現状との意見が出され、自治体と病院の連携は、市町村の規模によっても違い、市であれば、医師の勤務環境や支援の方法がテーマになるが、町村では医師の確保が一番のテーマになってくる。地方の市町村は、医師がいないことに一番困っているので、医師のホームステイなどの案を出せば、協力してくれると思う。北海道医師会が医師の考えを地方に伝えていければ、熱心に取り組んでくれる市町村はきっと出てくるはずであると、岩見沢市医師会から提案がありました。
当会から、全道各地で行われている病院を支援する市民団体の活動と、北海道医師会が開催している「地域医療を守る住民活動に関するシンポジウム」を紹介し、市民団体への投げかけも必要で、こうした市民団体が、医師の子どもの面倒を見てくれるようになれば地域へ行く医師も増えると思うし、地域住民が一体となっている成功例をもっと全道に周知することが必要だと思うとお話しました。
また、地方で医師を続けていくためには、病院だけではなく地域全体のサポートがないと難しいと思うが、働く時間というより仕事の量が多いので、患者の数が減らなければ休みを増やしても仕事が溜まってしまうだけというお話も勤務医からあり、日本医師会が作成した「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」を紹介して、医師の健康支援のための適切な労働条件整備と労働環境改善について説明しました。
引続き、北海道医師会と女性医師等相談窓口の事業を説明し、最後に中島院長から、これから益々増えていく女性医師への支援と、勤務医が働きやすい環境をどう整えていくかが今後の課題であり、北海道医師会には、支援事業の取組みに関する報告を各病院にフィードバックしていってほしい。特に自治体病院は、病院独自の判断で動くことは出来ないので、情報を与えてくれるととても助かる。医師会の今後の活動に期待したいとお話がありました。
岩見沢市立総合病院の皆さま、
お忙しいところありがとうございました。