活動報告

医師のキャリア形成をサポートするため様々な活動を行っています。

病院訪問

北海道社会保険病院を訪問しました。

医師の就労環境作りを支援する事業周知のための臨床研修指定病院の訪問

北海道社会保険病院[平成25年11月21日(木)午後6時]


 今年最後の訪問先は札幌市豊平区の北海道社会保険病院で、岸院長をはじめ副院長など6名の勤務医と3名の研修医、事務局の3名の方に参加していただき、女性医師を含めた全ての勤務医の働きやすい就労環境づくり、将来のライフプランなど意見交換をしました。

 北海道医師会から、医師会と女性医師等相談窓口の事業ならびに日本医師会が作成した「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」を紹介し、医師の健康支援のための適切な労働条件整備と労働環境改善について説明しました。


 研修医の方に、北海道社会保険病院を研修先に選んだ理由をお聞きしたところ、道外出身であるが婚約者が札幌医大なので追いかけてきて、産婦人科医志望なので産婦人科プログラムを受けて当院を選んだ女性研修医の方、北海道に残りたいという思いで当院を選んだ男性研修医の方がいらっしゃいました。婚約者の方も一緒に、皆さん北海道で医療を続けていただきたいです。

 育児休暇については、研修医の方々はまだ具体的には考えていないが出産をしてもなるべく長期間休まないようにしたいとは思っており、出産前もギリギリまで働いていたい。結婚予定はないが、結婚・出産をしても医師は一生続けていきたい。男性医師の育児休暇は想像ができないが、取れるような環境であれば良い職場だと思う。お子様がいらっしゃる女性勤務医からは、大学院生の時に結婚し1人目を出産して産後は3週間で仕事に復帰した。その後、夫の東京転勤に伴い1年半ほど休職、その間に2人目を出産、復職して3年後に3人目を出産した。ブランクを作ってしまった時期もあるが、基本的に働き続けるようにしていた。昔は、女性医師が少なかったので、周りからカバーしてもらうことが可能で融通がきいていた面もあると思うが、今は女性医師が多いので、逆にカバーしきれないとのお話がありました。


 地域医療については、倶知安厚生病院での1ヵ月間の研修を組んでおり、既に終えた研修医から熱心に教えてくれる先生が多く、こことは違うやり方や考えを経験できたのでとても勉強になった。経験を積んで、力を付けてからであれば、何年間かは地域医療に携わっても良いと感じた。これから行く予定の研修医からは、1年くらいの期限付きであれば地域で働いてもいいと思っているとお話がありました。岸院長からは、個人的には1年か2年、若い医師は義務として地域に行くべきだと思う。医師一人を育てるには国費を費やしているので、恩返しとして何らかの貢献をすべきであるとお話があり、澤田センター長からは、今は医局人事にも強制力が無くなってきているので、交代制で必ず次が来るという保障のもと期間限定で行くという制度が必要である。地方の医師不足は、コントロールする所がなくなってしまったことが要因の一つだと思う。医局への入局人数も少ないので、悪循環になっており、誰かがコントロールしなければ、地方に医師が回っていくことはないとそれぞれ意見が述べられました。

 また、患者からのクレームに関して、こちら側が至らないことでのクレームは真摯に受けとめ、明らかにおかしい主張をしてくるクレーマーには、対応できるように保安官に道警OBを採用している。救急体制については、循環器は、いつ救急が来ても対応できるが、救急隊が困ったときは、総合病院だからということで患者が搬送され、専門外の疾患は他の科の医師に迷惑をかけてしまうことになり困ることがある。本来であれば、救急には総合的に診断できる医師がいて初期対応をし、翌日に専門科に引き継ぐのが一番だと思う。札幌市でもACSネットワークが作られ、効率よく患者を搬送しようという取り組みが始まっているとお話がありました。



 最後に、広瀬副院長から、勤務医は仕事量が多く本当に大変である。医師会が勤務医の就労環境整備に動いてくれているので、引き続き支援・協力をお願いしたいと挨拶があり閉会しました。

北海道社会保険病院の皆さま、
お忙しいところありがとうございました。
記事一覧を見る

アーカイブ一覧

TOPに戻る