KKR札幌医療センター斗南病院を訪問しました。
医師の就労環境作りを支援する事業周知のための臨床研修指定病院の訪問
KKR札幌医療センター斗南病院[平成25年9月11日(水)午後5時30分]

北海道医師会から、医師会と女性医師等相談窓口の事業ならびに日本医師会が作成した「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」
を紹介し、医師の健康支援のための適切な労働条件整備と労働環境改善について説明しました。

初期研修医制度が始まり、女性医師が多く研修に来るようになってからは、アメニティや環境が劣悪だという意見が積極的に寄せられ、少しずつ改善に向かっているとお話がありました。

後期研修4年目の女性外科医師から、完全当番制なので、何かあった場合は当番の先生に連絡がいくので休むことはできるが、自分が執刀した患者さんに何かあった場合は、行かなくてはならないと思っている。外科系の科を選んだからには、男性女性関係なく、責任感を持って働きたいと思っているとお話がありました。出産後に週4.5日勤務で復職された女性医師は、他の医療機関ではフルで働くか雇われないかの二択だったが、非常勤を希望した時に、院長から様々な選択肢の用意があり、毎日遅くならずにコンスタントに働けるような条件を提示してくれたと、復職された時のお話がありました。
また、診療部長からは、非常勤や当直免除の女性医師が増えていくと、カバーするのは男性医師で負担が大きくなり、現場からの不満は出るが、ある程度は規定に従って子どものいない女性医師には男性医師と同じように働いてもらい、子育て中の医師は国家公務員共済組合の規定に準じて子供が小学校入学までは協力することにしている。女性医師に限らず、男性医師も何かあった場合は休みが取れる環境であれば、女性医師も仕事がしやすいと思う。現在、男性医師からの育休の申請はないが、あった場合には診療科の中で調整し、国内留学で3か月抜ける医師もいるので、同じ仕組みを使えば不可能ではない。チーム医療のように、お互いにバックアップしてサポートしていく医療体制が無ければ今の医療は成り立たない。男性も女性も仕事量に差は生じるかもしれないが、個々ができることで貢献していけばチーム医療ないし日本の医療は上手く回っていくと思う。病院としては、医師の様々な勤務形態に対応できるような体制づくりが重要になってくるとお話があり、今日は研修医の先生方の考えを聞いて、しっかり将来を考えて働いていると感じた。今後も、研修医の先生方とフランクに意見交換ができる場をさらに設け、現場の声に耳を傾けるべきだと思ったと感想も述べられました。男性医師から北海道医師会の育児サポート事業へ登録可能かと質問があり、是非、登録していただくようお勧めしました。
最後に、奥芝副院長から、妻は眼科医で産休も2ヶ月しか取得しなかった。当時、医師会の支援制度があれば、間違いなく利用していたと思う。今日、この会に参加したことによって、当時の妻の苦労が身に染みてわかった。今後は、女性医師に限らず、医師を育てるために働きやすい環境を整えていかなければならない。また、病院の経営を安定させるためには、国の支援も必要になってくる。国が全面的にバックアップして医師の就労環境を整えさせなければならないと挨拶があり閉会しました。
また、後日北海道医師会の女性医師支援相談窓口の取組みを医局会で紹介したいとの連絡があり、資料などをお届けしました。ご協力ありがとうございます。