活動報告

医師のキャリア形成をサポートするため様々な活動を行っています。

病院訪問

留萌市立病院を訪問しました。

医師の就労環境作りを支援する事業周知のための臨床研修指定病院の訪問

留萌市立病院[平成25年8月15日(木)午後6時30分]


 本年度第2回目の臨床研修指定病院訪問は、留萌市立病院の笹川院長をはじめ5名の勤務医と3名の研修医にお集まりいただき、また、留萌医師会の川上会長の出席もいただいて、性別なく仕事と生活の調和がとれる就労環境の整備、女性医師が働きやすい環境と能力の発揮を可能にする就労環境づくり、地域医療のことなど意見交換をしました。

 北海道医師会からは、医師会と女性医師等相談窓口の事業ならびに日本医師会が作成した「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」を紹介し、医師の健康支援のための適切な労働条件整備と労働環境改善について説明しました。

 笹川院長からは、今年になり女性医師が4名から8名(産休・育休中も含めて)に倍増し、就労環境を整備しなければならない状況にある。医学生の女性割合を見ても、今後女性医師が減ることはないので、ロッカールームや女性トイレなどの環境整備を素早くしなければならないと計画しているところであるとお話がありました。



 意見交換では、地方と都会の違いとして地方病院では院内託児室にすんなり入れるが、札幌では年度途中に突然決まった転勤で空きがなく入れなく保育所探しは大変であった。マンパワーの違いがあるので、特に体調管理など自己管理に関しては、地方の方が気を使わなければならないが、医師同士でお互い教えあい勉強する関係を地方では作りやすく、他科の医師と交流し技術や知識を得ることができるとお話がありました。

 勤務医の立場からは、勤務医の疲弊は実働部隊である中堅の医師が大事にされていないことも原因のひとつで、緊急対応しなければならない立場の医者とそうではない医者を同じ勤務医として括らないで差別化を図らなければ、忙しい思いをしている医者はどんどん疲れてしまう。いくら医師の数を増やしても無駄で、疲れている医師は楽な方へと余計離れる。例えば給与面での差別化などをしないとやる気が起きない。実働部隊とそうでない医師のバランスを考えてほしいと要望があげられ、自分の働きを正当に評価してほしいと勤務医は思っているし、きちんと働いた分を評価する給与体系は必要だが、技術を持っていて、ちょっとアルバイトをしたい先生がお手伝いに来て、忙しさをカバーしてくれるシステムを考えなければならない。誰か、知り合いに声をかけて、医局に通して来てもらうのが、若い先生には一番有難いのではないかとの意見が出されました。

 麻酔科の医師からは、女性医師の割合が特に高い科であり、最初から出産や家庭の事情には対応できると入局してくる。現場では、女性医師が多いと一斉に出産や産休の状態になると、男性医師がかなりお手上げ状態になることもあるが、女性医師は復職を視野にいれて子育てに入り、当たり前のように復帰し、また2人目、3人目を出産しながら、男性以上にキャリアを上げていくので、途中で家庭に専念する人はほとんどいない。外科や麻酔は瞬時の判断が必要で、数年経ったら復帰の意欲が削がれることも分かる。確かに不満を言う男性医師もいるが、それを爆発させた人はおらず、女性医師が子どものために定時で帰宅して、残った仕事を男性医師が片づける場合にはその分の時間外手当が支給され給与が高くなる仕組みがあるので仕方ないと思える。


 産婦人科の医師からは、同年代では1年間の育休を取得している者はいなく、ブランクは作らないで復帰しようと考えている人が多い。とお話がありました。
 研修医の先生からは、地域医療には多少なりとも貢献したいと考えている。札幌の大学病院で働いて教鞭をとることも魅力であり迷うが、医者を志したきっかけには地域医療をしたいこともあったので、将来的に地域医療を頑張ってみたい。大学医局に入局し、大学でロジックの立て方とかを学び、それが終わったらある程度専門性をもった医師となり、地域の町の病院で働きたいと思っている。5年の実習の時に興味をもった分野に進みたいと学生の時から決めていたので、将来は、大学病院で専門性の高い手術を行いたいと思う。と、それぞれの将来の希望についてお伺いしました。

 また、最近は患者が女性医師を求める傾向にあり、特に産婦人科では男性医師が減っているが、是正しないとバランスが悪くなる。男性医師・女性医師ではなく、医療を均等に提供できるシステムを作ることが必要で、均等にコントロールしなければどちらかが過重労働になってしまうとの意見もありました。


 最後に、川上留萌会長から感想を含めて、ご自身の経験を踏まえて、社会保障をちゃんとしている病院、法定労働時間をきちんとしている病院に勤務して、自分自身でマネープランを考えなければならない。今は、困ったことを自由に言える時代であるので、声を出して正規の時間外手当をもらい、年金に反映させられるようにして頂きたいと挨拶があり、笹川院長から今日は勉強になった。今後に、役立てていきたいと感想が述べられ閉会しました。

留萌市立病院の皆さま、留萌医師会川上会長、
お忙しいところありがとうございました。
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