活動報告

医師のキャリア形成をサポートするため様々な活動を行っています。

日医関係

平成24年度第2回「2020.30」推進懇話会

常任理事・医療関連事業部長 藤井 美穂


 日本医師会では、平成22年12月に閣議決定された内閣府の「第三次男女共同参画基本計画」の中で、「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標が改めて明記されたことを受けて、積極的改善措置を決め、その取り組みを進めております。

 当懇話会は、女性医師会員に日医の組織・運営・活動に関する理解を深め、ひとりでも多くの女性医師に、将来日医の活動に参加していただくことを目的としております。通算3回目の懇話会は、3月7日(木)日医会館で開催され、今回は医師会に関して理解を深めていただくため、日医の喫緊課題である消費税、チーム医療、専門医、感染症について具体的なお話がありました。

1)消費税について
 医療における控除対象外消費税問題の実態と日医の考え方について説明があり、公的保険の財源配分として公平性、透明性を高め、不公平を解消するためには、社会保険診療の非課税制度を、患者負担を増やさない仕組み(ゼロ税率、軽減税率、患者への還付制度など)の課税制度に改正するべきであると説明がありました。

2)チーム医療について
 厚生労働省におけるチーム医療の議論の背景には医師不足・偏在があり、医療関係職種間の役割分担の推進派は「医師不足を補うために、看護師の地位向上・自立のために特定看護師が必要」としています。しかし、日医は法令で診療の補助を規定することには限界があり反対で、特定行為を含む診療の補助のさらなる検討が必要であるとしています。また、看護師籍への登録を望む意見も出されていますが、本来のチーム医療、他職種の協働等についてさらに検討すべきであり、改めて医療安全の観点から問題点を指摘し両論併記を主張すると説明がありました。

3)専門医、感染症について
【専門医制度・かかりつけ医・総合診療医について】
 「かかりつけ医」は、総合的に患者を診療し、なんでも相談できるうえ、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医を紹介できる身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う幅広い能力を有する医師で、かかりつけ医機能をさらに向上させるため、日医は生涯教育制度を実施しています。医師不足の地域においては、総合診療専門医師として広くプライマリケアを担当する医師が特に必要であることから、特性の評価が妥当と考えており、総合診療医として新たな専門医の認定を、中立的な第三者機関が学会との密接な連携のもとで行うべきであると説明がありました。

【予防接種について】
 予防接種で防ぐことが出来る病気の多くは、海外では公費による予防接種が実施されていますが、わが国ではいまだ予防接種法に基づく定期接種に位置付けられておらず、7ワクチンの定期接種化は喫緊の課題です。その実現を強く要望するとともに、定期接種化すべき7ワクチンの実現を目指し、引き続き署名活動などの取り組みを進めていくと説明がありました。

 当日の参加者は88名で、北海道医師会からは、会員の独立行政法人国立病院機構旭川医療センター放射線科の山本和香子医長に出席していただきました。
 今後も多くの女性医師が、日本医師会の活動に積極的に参加していただくことを願っています。


平成24年度第2回『2020.30』推進懇話会に参加して
独立行政法人国立病院機構旭川医療センター
 放射線科医長 山本 和香子
 本会は通算1回目(H24.1.27)、通算2回目(H25.1.10)のすべての参加者を対象として、通算3回目の『2020.30』推進懇話会として開催されました。今回は「医師会が直面する問題とそれに対する取り組み」をテーマとして開催されました。
【1.消費税について】
 冒頭で、日医総研の調査結果より医療にかかる消費税について国民に十分に理解されていない現実が示されました。その後、控除対象外消費税問題について説明がありました。かなりやさしくお話して下さったと思いますが、一度説明を聞いただけでは理解しにくい部分もありました。当日配布された資料がpdfファイルとして入手可能です。
今こそ考えよう医療における消費税問題 第2版
http://dl.med.or.jp/dl-med/doctor/report/zeisei/pamphlet2.pdf

【2.チーム医療について】
 「チーム医療推進会議」には医師不足・偏在を背景に”特定看護師(仮称)” “看護師特定能力認証制度”を推進しようとする委員(推進派)がおり、藤川謙二常任理事が本来のチーム医療についてさらに検討すべきと奮闘されている現状が紹介されておりました。「看護の専門性は、医師が行うべき行為を医師の代わりに実施することではない」という日本医師会が示している考え方が医療従事者、厚生労働省等の関係者に共通の認識ではない、という現実に大変驚きました。

【3.専門医、感染症について】
 総合診療医についての日本医師会の考え方は、札医通信にわかりやすく記載されておりました。こちらをごらんいただくと理解しやすいと思います。
http://www.spmed.jp/14_kankei/qa_pdf/24_qa/qa_H2410.pdf

 予防接種についての説明がありましたが、2013年4月1日に「予防接種法の一部を改正する法律(改正予防接種法)」が施行されましたので、詳細は割愛いたします。

【その他】
 『2020.30』推進懇話会へ北海道から参加したのは旭川・北空知地区の女性医師です。今後は、他地区の先生も参加していただければと思います。

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