活動報告

医師のキャリア形成をサポートするため様々な活動を行っています。

日医関係

平成25年度第1回「2020.30」推進懇話会

常任理事・医療関連事業部長 藤井 美穂

 日本医師会では、平成22年12月に閣議決定された内閣府の「第三次男女共同参画基本計画」の中で、社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標の達成が課題とされたことから、日本医師会においても女性の積極的登用に取り組む積極的改善措置(ポジティブ・アクション)を決定し、その取り組みを進めるために当懇話会を開催しております。

 今年度の第1回目の懇話会が12月13日(金)に日本医師会館で開催され、日本医師会の組織と日医医師賠償責任保険制度、日医年金制度、日本医学会、会内委員会、外部審議会への参画、国際交流の推進、日医総研、治験促進センター、女性医師支援センターなどの事業内容と、日本医師会雑誌の発行、理事会・常任理事会における意思決定プロセス、会内委員会や都道府県医師会長協議会、各担当理事連絡協議会、他団体との交流などの日本医師会の運営の実際について説明がありました。そして、日本医師会の活動に興味がある方や、政府と交渉をしてみたい方は日医代議員または各地元の医師会役員に参画していただきたいとお話がありました。

 北海道医師会からは、会員の札幌医科大学泌尿器科の西田幸代医師と医療法人渓和会江別病院外科の佐々木彩実医師に出席していただきました。

当日参加されたお2人の先生から感想記をお寄せいただいたので、以下に掲載します。

「2020.30」推進懇話会に出席して
札幌医科大学泌尿器科 西田 幸代
 今回初めて「2020.30」推進懇話会に参加させていただいた。各都道府県から数名ずつ女性医師が出席されており、日本医師会での指導的立場における今後の女性参加への関心の強さが伺われた。しかしながら実際には医師会の各委員会における空席は少なく、女性が参加を希望しても現状では狭き門であるとのことで、参加へのハードルの高さも感じられた。できれば都道府県ごとにこのような説明会が開催されれば、より多くの熱意ある女性が参加できるのにとも感じた。
 当日は生憎の風雪で、札幌・東京の往復は大変であった。千歳上空を1時間旋回後、着陸はできたがJRは止まっていた。1歳の息子の保育園への迎えは夫に任せたが、現在妊娠6か月の身である。ようやく動き出したJRは満員ではなかったが座れそうにはなかったので、普段はつけていないマタニティバッチをかばんの脇につけて優先席の横に立った。優先席には60歳代くらいの男性が座っていて、せっせとメールの送受信をしている。待ち受け画面には小さな2人の女の子の写真。孫がいるなら妊婦の大変さをわからないのかなとも思ったが、きっと息子の嫁が産んだ子だろう、このおじさんも疲れているのだからと思い直す。
 数年前、私は独身で、地方病院でずっと働いていた。家に帰っても救急外来から呼び出されるからと、毎晩遅くまで、週末もほとんど病院にいた。当時私は疲れていて、月に1日でもいいから携帯の鳴らない休みが欲しかった。もしあの頃、自分の下に女性医師がやってきて、子供がいるから当直や夜間休日待機はできませんと言われたら、私はなんと思ったであろうか。指導する時間は取られるのに、緊張の糸は張りつめたままなら、いなくていいと思わなかっただろうか。小さな子がいてもキャリア継続を必死に頑張る女性のモチベーションを買うべきなのに、疲れた状況でそのような判断ができたであろうか。
 そんなことを考えているうちに立ちっぱなしで札幌駅に到着した。優先席のおじさんは相変わらず携帯をいじっている。疲れていると人に優しくなるのは難しいなと考える。子育て中の医師支援を考えるのと同様に、地方で必死に医療を守っている医師をサポートしていくことも大事なことだと改めて感じた。

「2020.30」推進懇話会に出席して
医療法人渓和会江別病院外科 佐々木 彩実
 日本医師会がどのような活動をしているかなどよくわからず、周囲の同年代の医師に聞いてもあまり知らないといった状況の中、今回「2020.30」推進懇話会に参加しませんかという手紙が届いたのをきっかけに、同会に出席させて頂きました。
 事前に来た参加案内のファイルには日本医師会の組織、運営、活動に関する理解を深め、将来本会に参加していただくことを目的としていますとありましたので、何も知らなくてもそこで医師会活動についての説明があるのでしょうから大丈夫と勝手に思い込み、子連れで日本医師会館へ向かいました。託児所を申し込んでいたのですが、利用したのは我が子だけ、会場に入って資料を眺めてみたら参加されていたのは各都道府県の医師会理事や役員職に就いている先生方が殆どで、場違いな所へ来てしまった…と不安が募る一方、実際には事前案内通り医師会についての説明があり、実際女性委員の割合はどのくらいでといった、女性医師の参加を呼び掛ける内容で一安心でした。ただ医師会活動をすることでどのようなことが得られるのか、具体的にどのように関わればよいのかがやや分かり難く、その後の質疑応答で実際に医師会活動をされている先生方の発言を聞き、大変参考になりました。しかしながら、会の趣旨からすると私たちの様な医師会活動に殆ど関わっていない女性医師を集めて、医師会理事をされている先生方にオブザーバーとして色々意見を頂くと良かったのではないかと思われます。
 このような機会を頂いて医師会というものに少し触れることができましたが、それでも私達の仕事や生活にどうその活動が反映されているか分からない部分も多いため、まず医師会活動をどのように発信し,周知させるかが重要になるのではないかと考えます。

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