活動報告

医師のキャリア形成をサポートするため様々な活動を行っています。

日本医師会共催:医学生、研修医等をサポートするための会「医学生・研修医と語る会」―新しい地域創生を医療から―

常任理事・医療関連事業部長 藤井 美穂


 北海道医師会では、医学生・研修医が意見交換を通じて、男女共同参画やワークライフバランスについて、性別を問わず、若い時期から明確に理解してもらうことを目的に「医学生・研修医と語る会」を開催しています。

 本年度は10月10日(土)に北見市で開催された講演会「地域における観光と医療に関する北海道・台湾コンファレンスin北見」のセッション「地域と医療」の一部として開催いたしました。この講演会は、地域で安心して生活するためには医療と教育が必須であり、医療の面から地域創生すること、観光により外との交流を図り地域を発展させることを視点にしており、講演に引き続き、その内容に基づきミーティング形式でのフリートークを行いました。


話題提供

1.北見市における地域医療

北見医師会 会長 古屋 聖兒

 医療・保健統計から見た北見市の医療実態について、一般診療所の減少は基幹病院の救急医療などに影響が出ると考え、一般診療所の誘致を民間に任せるだけではなく、行政が積極的に取り組む必要がある。

 また、北見市における地域完結型医療の実態について、北見市の医療資源ではすべての病気を北見市内で診ることは不可能であるが、北見市民の医療への関心度は極めて高く、反面、医療機関に対しての満足度は高くないことから、医療機関側は、診療に当たってハード面やソフト面で今まで以上に努力すべきである。

 北見市における観光と医療について、観光の問題を議論する時には、医療の問題も議論するべきで、施設側は救急マニュアルを作成し従業員に対して教育を行い、救急隊や医療機関との連携を日頃から構築しておき、転倒による骨折事故などに対して手すりやマットなどを設置する防止策を講じることが必要だと考える。


2.地域医療と住民活動〜医師確保対策に妙案はあるのか〜

北海道医師会 参与 宮本 慎一

 北海道では、人口10万人当たりの医師数は、2000年度の調査で初めて全国平均を上回ったが、地域別にみると札幌と上川中央のみで、医師不足の問題は、都市部に医師が偏在しているため地方の方がより深刻である。診療科の偏在も問題となっており、特に小児科と産婦人科医師は減少傾向にある。北海道では、3つの医師確保対策事業に取り組んでおり、北海道医師会でも、地域住民とともに医療問題や救急医療について考える事業を開催している。

 また、「北海道の医療崩壊を立て直す」をテーマに当会機関紙「北海道医報」で特集を企画した。私案であるが、各地域の「病院を支える会」が交流・連携し、それぞれの地域の特産物を病院の給食で患者に提供することで地域の交流を図ることを提案したい。


3.北海道医師会の次世代育成プラン〜未来への投資〜

北海道医師会 常任理事 藤井 美穂

 過疎化と高齢化により消滅の危機にある集落を活性化させるため、さまざまな地域おこし活動に取り組んでいる地域はたくさんある。地域にとって医療と教育は、住民が安心して地域に根付くセーフティネットであると考えている。
 北海道医師会では、若い世代とともに活動する事業に積極的に取り組んでおり、地域医療再生へのアクションをテーマに「医学生・研修医と語る会」を開催し、本年度は、本大会実行委員長の大内東先生から「地域と医療と観光」に関する取り組みについて話題提供をしていただき、意見交換を行う「医学生キャリア形成支援セミナー」では、「今の医療提供はこれで良いのか?」をテーマに参加者で話し合いをした。日本医師会では、JDN(若手医師ネットワーク)を立ち上げ、国際活動への若手医師・医学生の参加を求め、世界医師会やアジア大洋州医師会連合などへ派遣している。


フリートークテーマ「新しい地域創生を医療から」
指定発言「若手と地域をつなぐ新たな試み〜日本医師会ジュニアドクターズネットワーク〜」

医療法人北海道家庭医療学センター 後期研修医 三島 千明 先生

 島根県出雲市出身で、現在は、旭川市内で研修中であり、日本医師会のJMA−JDN(ジュニアドクターズネットワーク)の副代表を務めている。初期研修が終わる頃、目の前の仕事に追われ他の病院や他科との交流が少なく、社会との交流が少ないと感じ、より良い医療を提供するには幅広く学び世界に目を向け、同時に地域に根をはって若手がやるべきことはどんなことかと考えた。日本の中に若手医師が代表するプラットホームのような場所があれば、そこで若手医師がニーズに合わせて勉強ができると思っていた頃、ちょうど世界医師会でJDNが設立され、国際活動への若手医師・医学生に参加を求めてきたことを受け、日本医師会でも国際保健検討委員会の中に若手医師・医学生分科委員会を立ち上げた。メンバーには、沖縄から北海道まで、卒後10年目までの志望する専門科もさまざまな若手医師が集まり活動を開始した。国際的なつながりの中で、若手医師によるプラットホームの形成や、公衆衛生や保健医療政策分野の幅広い活動を展開し、若手医師の研修・労働環境、問題意識等について調査、提言を行っていくこと、公衆衛生上の諸問題に対し地域社会を通じた貢献、交換留学や国際会議への参加を通じた国際的な活動を推進することを目的としている。

 JDNは、地域の医学生や若手医師との活動など、地域医師会の先生方から学ぶ機会を持ち、地域の若手とベテランの先生との顔がみえるネットワークづくりを通じて、若手医師の活性化を地域の活性化につなげたいと考えている。

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 フロアからは、「キーワードは『連携』で、地域をベースに医療も観光も、また教育なども関わり地域創生には総合力が必要だと思う。今日は、医療関係者ではない人の参加も多かったので、医療の世界で医師がどれだけ大変で、苦労されているかが理解できたと思う。」との発言があった。また、女子学生から「学生はある程度の固定概念を持っていると思う。医師を志望する学生にも、例えば、医師は夜勤が多いとか不満な固定概念が多いと思う。観光の面では、「北見には何もない」という意見が多く聞かれるが、この固定概念をなくすことを考えていけば、地域医療にも関わってくると思う。」との発言があり、別の学生からも「大学で観光産業を研究しており、今までは観光は観光だけと思っていたが、医療と観光に深い結びつきがあると思った。観光だけでなく医療も、また医療だけではなく観光を発達させることで地域の活性化につながると感じた。」と感想を述べられた。

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