活動報告

医師のキャリア形成をサポートするため様々な活動を行っています。

その他

相談窓口利用者とコーディネーターとの懇談会

 今年度も7月11日(土)に相談窓口を利用した先生方にお集まりいただき、利用者相互の交流、情報交換ならびに利用者からの要望をとりまとめ、今後の支援方法に反映させるため懇談会を開催しました。



 当日は、当会役員、相談窓口のコーディネーターの他に、北海道保健福祉部の森技監にも出席していただき、子育てをしながら働くために必要なサポート、医師会の相談窓口に求めるもの、子育てをしながら働くために工夫していること、サポート体制に望むことなどをお聞きしました。



 最初に長瀬会長より、女性医師等相談窓口を開設して5年目となるが、就職先の斡旋など一定の評価を得ている。これも、ひとえにコーディネーターの努力によるものである。これからも、継続していきたいと考えているので、疑問点や希望など、忌憚のない意見を聞かせてほしいとの挨拶がありました。


 出席者の自己紹介の後、 「少子化の歯止めは、経済支援よりも労働環境を整えて」をテーマに、日本の少子化の根本的な原因や日本とフランスの子育て支援の比較等の説明と。保育園の整備を進め、待機児童の問題が解消されれば少子化も解消されるという間違った認識があり、意識改革の必要性があるとの話題提供と座談会を行いました。




―子供との関わり方、子供を預けていいのか―

(相談者)子供を預けていいと思っているが、踏ん切りがつかない。罪悪感があり迷いがある。


■釧路在住時には、両親とベビーシッターを利用し、3時までの勤務をしていた。北大に戻ってからも、ベビーシッターを利用しており、朝と夜のカンファレンスだけはベビーシッターに祖母の家まで連れて行ってもらい、手助けをしてもらった。学校行事には参加できないことが多かったが、教育面は力を入れており中学から東京の学校へ進学させ、子供3人で住まわせた。その間は、月から金までフルで働き、金曜の夜に東京へ行き世話をして、日曜に帰ってくるという生活を送っていた。


■子育てで注意していることは、子供は9時には寝かしつけ、「しっかり寝させる」「しっかり食べる」この2つを毎日提供すれば仕事に支障がなくなる。子供が2人になってからは、3時半まで仕事をし、夕飯の準備をしてから6時に保育園に迎えに行っている。


■睡眠不足は、不登校の原因にもなるため、子供の睡眠時間を重視している。9時に就寝させるため、3時間ほどのふれあい時間で、どう愛情表現をするかが大事。子供は、親に一日の出来事を話したいため、「話を聞くこと」を第一優先にしている。そのため、無理をせず外食を少し増やす等工夫をして話を聞く時間を作っている。また、子供を抱きしめるようにしている。


■制作など家ではできないことを保育園ではしてくれる。良い面もたくさんある。


■よく言われる3歳児神話について、医師の立場からはそんなことはないと母親に話をするが、実際自分が2ヵ月から子供を預けた時には涙が出た。しかし、保育園に預けて他人と関わることで、人見知りがなくなり良い面もある。病児保育も利用をしており、頼れるところがあれば頼った方がいい。


■小児科には、重症じゃないと休めない雰囲気がある。旭川在住の時は、親が岩見沢在住のため、周囲のおばさんが頼りだった。子供に発達障害がありトラブルもあったが理解してくれる人が見つかると、食事の準備をしてくれたり家族丸ごと面倒をみてくれた。 

 また、赤平に勤務をしている時は、岩見沢の両親に子供達を預け単身赴任をし、2週に一度しか会えなかった。自分に一番ベストなやり方で、子供が大きくなった時にきちんと説明ができるやり方であればいいと思う。


(長瀬会長)子育て中の女性医師が、地方に赴任した時には、地域を挙げてサポートしてほしいと町長と面談した時に訴えている。



―育休の取得について、育休中の過ごし方―

(相談者)妊娠発覚と同時に夫の海外留学が決定し、1歳10か月まで働けなかった。海外の育児サークルに参加をし、生活を立て直したが、社会との接点が全くなくなるのは辛かった。


■育休は、二人目の産後に半年取得した。子供の毎日のご飯を考えるのが苦痛だった。
夫の仕事が多忙な時期と出産後の大変な時期が重なったため、育休期間中は大変だった。


■最近は、育メンが多いと話題になっているが、実際にはどうなのか。


■下の子供が1歳の時に仕事が多忙で帰りが遅くなるため、夫婦の食事は配達サービスを利用した。毎日ではなく、週3回程度の利用だったが、夫には、家事をさぼっていると言われ、結局利用を止めてしまった。夫は、自分の親がそうだったから、家事は妻がやって当たり前と考えている。妻の提案に理解してくれるような夫の意識改革が必要である。


(森技監)男性の育児休暇の取得については、やはり上司の目が気になりなかなか取得できないのが実情。道庁でも育児休暇を取得している男性はいない。制度はあるが、みんなが利用しないと利用しにくい。組織として考え方等を広めていくことが大事。どういう風にやっていけば意識改革に繋がるだろうか。



―意識改革について―


■ 日本医師会では、意識改革がフォーカスしたディスカッションが行われている。女性医師の会では、ロールモデルを見て、医学生が出産・育児・キャリアを積むのは当たり前と思えるよう言葉に出してディスカッションをしている。次の段階で自分達を取り巻く環境を変えていくことに繋がるのではないかと考えている。


■意識改革はすぐにはできない。自分の子供に理想を語ってほしい。30年後に変わっている。育児休暇が問題ではなく長時間労働が問題。定時に帰宅できると時間に余裕ができ、子供とのふれあいの時間もできる。


■子供も成長し、会議などで帰りが遅くなる時には、上の2人の子供が協力し食事を作ってくれるようになった。また、食事を作ることにより、自分もやれるという思いが出て子供も明るくなった。子供に頼るのもよいと思う。

記事一覧を見る

アーカイブ一覧

TOPに戻る