活動報告

医師のキャリア形成をサポートするため様々な活動を行っています。

日医関係

平成28年度女性医師支援事業連絡協議会


常任理事・医療関連事業部長 藤井 美穂

 平成28年度の標記連絡協議会が、平成29年2月17日(金)に日本医師会で開催された。


 北海道医師会からは、小職と藤根美穂日医男女共同参画委員会委員が、北海道から旭川市医師会の長谷部千登美先生と日本神経学会北海道地方会の山内理香先生(砂川市立病院)、ほか札幌医科大学附属病院職員と北海道行政担当者が出席した。


 最初に横倉会長の挨拶の後、議事に入り、昨年10月から本年1月にかけて全ブロックで開催された女性医師支援センター事業ブロック別会議で報告された特徴的・先進的な取り組みについて、6ブロックから紹介、並びに日本医師会女性医師バンクの新たな取り組みについて報告があった。



 
1.ブロック別会議開催報告

1)北海道・東北ブロック 秋田県医師会男女共同参画委員会委員長 蓮沼 直子先生

 秋田県医師会のイクボスへの取り組みについて、この先10年以内に40代指導医の3割が女性医師となる状況で、女性医師が医師として自信をもって患者の治療にあたり、子育てなどでペースダウンしてもさまざまな臨床経験を積み、育児支援とキャリア支援は別のものとして、個別の事情を把握し固定化せず、価値観が多様化してきた男性医師も含めたサポートの報告があった。

 また、秋田県では、平成28年1月9日に開催したイクボスセミナーの参加者による「あきた医療人イクボス宣言」を医療界初で行ったとのことであった。


2) 関東甲信越・東京ブロック 千葉県医師会理事 松岡 かおり先生

 千葉県医師会の取り組みについて、県内の研修医と研修指導医の交流ならびに情報交換を目的に、研修医交流会を「医学生・研修医等をサポートするための会」の一環として開催しているとの報告があった。

 また、千葉県で若手医師を育てること、千葉の医療を支える未来の医師を支援することを目的に、県と県医師会、千葉大学医学部が協力して設立したNPO法人千葉医師研修支援ネットワークが設置・運営している相談窓口事業や、千葉県医師キャリアアップ・就職支援センター、専門医ならびに臨床研修医の養成・確保、病院職員等の能力開発、地方公共団体・病院等の調査研究、病院職員確保のための無料職業紹介事業の説明があった。


3) 中部ブロック 静岡県医師会理事 小林 利彦先生

 中部ブロック各県における取り組みについて、石川県女性医師支援センターで県内14病院に対し、計21名の女性医師をメンター(助言者)に委嘱しての女性医師の就業継続のための支援活動、愛知県医師会のイクボス大賞の実施を企画し、若手医師の仕事と育児両立に向けた環境整備に努める上司の事例を募集中であることなどの報告があった。

 また、中部ブロックとして、7県担当理事が情報を共有して連携活動の強化とネットワークの構築、日医女性医師支援センターならびに女性医師バンクとの連携の強化を今後の展望としているとのことであった。


4) 近畿ブロック 京都府医師会 理事 三浦 晶子先生

 ブロック会議の内容を総括して、滋賀医科大学3年生を対象に卒後の進路についての特別講義を実施していること、奈良県立医科大学2年生を対象に行っている「良き医療人育成プログラム」の講義前後に実施した学生へのアンケート結果報告、和歌山県の女性医師メンター制度の相談件数等、大阪府の女性医師支援シンポジウム「院内病児保育について」、兵庫県の県内病院訪問事業、京都府医師会の医師のワークライフバランス委員会の取り組みの報告があった。


5) 中国四国ブロック 山口県医師会常任理事 今村 孝子先生

 中国四国ブロック各県における取り組みについて、鳥取大学医学部附属病院の院内保育所で平成28年1月から開始した学童保育、岡山県医師会の医師の勤務環境改善事業、広島県の医学生・研修医等をサポートするための会、徳島県男女共同参画委員会の育児・介護に対する意識ならびに状況と実態把握のために実施したアンケート、香川県医師会ドクターバンクで作成した普及グッズ、愛媛県の県内主要病院への病院長訪問、高知大学医学部で実施している医学生対象の「医療現場における男女共同参画」をテーマにした授業、山口県医師会の「医師会員に係る介護問題への県医師会の取り組み」アンケートの結果の報告があった。


6)九州ブロック 沖縄県医師会女性医師部会副部会長 外間 雪野先生

 九州ブロック各県における取り組みについて、長崎県あじさいプロジェクトで事業の充実・拡大した保育サポート事業、熊本県女性医師キャリア支援センターが熊本市医師会に委託して開設している医師会内保育所「メディッコクラブ」、宮崎県医師会が育児サポーターを養成して開始した「宮崎県女性医師保育支援サービスモデル」、沖縄県で9年連続開催している「沖縄県女性医師フォーラム」について報告があった。


 
2.女性医師バンクの新たな取り組みについて

 専任コーディネーターより、「ホームページの刷新」、新たに求人用チラシを制作し、各医療機関の医師採用担当者あてに送付するといった「広報活動の評価」、常に新しい求人情報を求職登録者へ提供し就職成立件数アップへとつなげる「登録者へのフォローの強化」、最後に「都道府県医師会との連携強化」として、各都道府県医師会に窓口担当者1名の選任を依頼し、全国の担当者連絡網を作成することで情報交換や事業に関わる問い合わせ等を可能とする全国ネットワークを構築し、より効果的な女性医師支援体制の強化を目指すといった4点につき説明が行われた。


                 ◇


 最後に質疑応答と総合討論があり、日医男女共同参画委員会の藤根美穂委員(北海道)からは、3人の子どもを育てながら仕事を続けてきたが、中断した時期もあり、みんなと同じようには進めてこられなかった。今でも常勤ではないが、発達障害など子どもの心を診る仕事をしており、その関係で教育委員会の医療アドバイザーをするなど、モチベーションが出てきたところであり、自分の得意なことをみつけ、戻ってきたときに自分がいる状況と、戻ってきたことが良いと言ってもらえる環境が大事であるとの発言があった。

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