活動報告

医師のキャリア形成をサポートするため様々な活動を行っています。

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医師キャリアサポート相談窓口利用者との懇談会[2023年10月15日]

医師キャリアサポート相談窓口利用者との懇談会


 毎年、相談窓口を利用した先生方にお集まりいただき、利用者相互の交流、情報交換ならびに利用者からの要望をとりまとめ、今後の支援方法に反映させるための懇談会を開催しており、今年もWeb会議システムを併用して、2023年10月15日(日)に開催いたしました。

 
 当日は、当会役員、相談窓口コーディネーターと相談窓口利用者7名(来館4名、Web2名)の参加がありました。

 最初に、当会の長谷部常任理事から医師会の組織強化について情報提供をしました。
 日本医師会は、日本で唯一、医師が個人資格で加入できる団体であり、所属学会に関係なく全ての医師が加入できるにも関わらず、会員数が総医師数の5割を切る目前となっており、今年度より卒後5年間の会費減免が始まりました。
 医師会の役割、二つ視点(医師会を持つこと、医師会に入ること)から考える医師会のメリット、三層構造の医師会組織について社会的意義等を説明しました。
 また、医師が医師会に入るメリットとして、1.医師賠償責任保険、2.医師資格証、3.医師年金・医師国保、4.女性医師・若手医師支援、5.日本医師会からの情報発信、6.認定産業医・認定スポーツ医、7.学術団体としての日本医師会、8.世界と日本医師会の8項目を紹介しました。
 最後に、多くの医師が医師会に加入することにより「国民の生命と健康を守ること、医師の医療活動を支えることに繋がる」とまとめられ、今日を機会に医師会を知っていただきたいとお話しました。





ワークショップ テーマ「あなたは今、何に困っていますか?」
<グループディスカッション>
 会場グループと、Webグループに分かれ、窓口利用者の困っていることについてお聞きし、利用者、コーディネーター(以後CN)それぞれの立場から現状や経験談などを語り合いました。



<全体共有>
 ※各グループのファシリテーターより、ディスカッション内容を報告しました。
【Aグループ(永石CN)】
・子育て(子供との向き合い方)、キャリア形成(夫婦での分担、留学について)、若い方への指導やサポートの3つのテーマについてディスカッションを実施。
・特に小学生の子供で学校に行くのが困難になった時の対応、子供一人ひとり特性が違うため特性に合わせた対処方法が必要。
・これから留学をする医師、留学を経験し日本で復職した医師などがいるが、医局に籍を置くことのメリット、本キャリアサポート事業のメリットについて共有。
・指導支援について気を付けるべきことは、1)子供が小さいからこそ親としてできることもあるため、育児している医師について周囲の理解やサポートが重要であること、2)サポートを受ける医師については、サポートを受けることに対してマイナスに捉えずに活躍してほしく、「お互い様の精神」を持つこと、3)サポート側はリスクマネジメントを考慮することである。

【Bグループ(藤根CN)】
・出産・育児について、キャリア形成の様々なタイミングで出産・育児などのライフイベントを経験しており、人それぞれのタイミングがある。
・介護については、親は自分よりも先に高齢になり、近くにいる場合や遠方にいる場合など様々であるが、遠方にいる場合に北海道で医師を続けながら遠方にいる親の介護が可能な支援はないか。
・夢や理想の全てを実現できると思っている医学生に対して夢を壊さないようにしつつも、全部の理想や夢を実現するのは困難であり、エンドロールを思い描き、それに向かってキャリアイベント・ライフイベントを形成していってほしいが、その伝え方は極めて困難である
・医師キャリアサポート事業として「子育て支援」は定着してきているが、今後は「介護支援」も定着するよう取り組んでほしい。

 次に、長谷部常任理事の進行によりフリートークが行われました。
【主な発言】
 ■介護は休暇を取得しピンポイントでどうにかなる問題ではなく、子育て同様に日々の生活が問題である。自分自身が仕事を続けるにあたって、親のサポートをしてくれる先を見つけることが大変である。都市部では、介護問題について需要と供給があるが、田舎ではまだまだ介護施設含めてサポートが充実していないのが現状である。
医師会として、介護事業所やサポートしてくれる個人等を探す手伝い、専門家との橋渡しなどをしてくれたら非常に助かる。
■介護問題は非常に大きな問題である。患者と話をしていても、「市役所の手続きをしてください」と説明して終わるケースは多いが、それは「手続きに行くことが可能」「行く時間がある」「行ってくれる家族がいる」といった前提で話をしてしまう。こういった橋渡しやつなぐ役目を設けることを医師会としての一つの大きな課題であると認識する必要がある。
■医師会の制度を利用し、自分自身は大変助かり、今回参加してみて他にも多くのサポートがあることを認識できた。
■本日参加してみて、ライフイベントは次から次へと困難が待ち受けており、高齢化が進む中で「診療と介護の両立」が大きなテーマとなると実感した。
 ■人生を通して悩みがない時期はないと感じ、医師会や多くの医師とのつながりは自分の強みになると感じた。
また、育児や介護の状況下においては仕事と家庭のどちらか一方に偏りがないようにバランスをとる「ワーク・ライフ・バランス」ではなく、バランスは崩れていくものだと考え「ワーク・ライフ・インテグレーション」という、仕事と生活の統合によりどちらか一方が充実すればもう一方もうまくいくといった相乗効果を期待する考えを、自分自身は大切にしている。
■子育ては自分が経験しており身近に感じるが、介護問題はなかなか聞く機会がない。介護について悩みを抱える医師は多いと推測するが「個人の問題」となっていると感じた。これをきっかけに、自分が所属する北大病院でも「介護問題」に向き合っていきたい。
■「介護問題」をあまり気にしたことがなく、気付かされる良い切欠になった。



※終了後、4年振りに懇親会を開催し、利用者と相談窓口コーディネーターの先生方はご歓談のひと時を楽しまれました。

託児室も久しぶりに併設しました。

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