北海道医師国民健康保険組合

健康レシピとエクササイズ

recipe&exercise

北海道国民健康保険団体連合会 機関誌「北海道の国保」に
掲載の中から健康レシピとエクササイズをご紹介いたします。

健康レシピ
(管理栄養士監修)

北の恵みふるさと健康料理2025年3月号

美幌町の特産 アスパラガス

北の恵み記事

エクササイズ

自宅でできるエクササイズをご紹介します。(一般社団法人 地域ウェルネス・ネットより)

ウェルネス・ネット代表

福岡永告子 先生

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裸足でバランス・エクササイズ(2025年1月号) 「二の腕・背中を引き締めるエクササイズ」と「ウエスト・お尻を引き締めるエクササイズ」

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全身の筋肉はつながりあって動いている
姿勢を保ったり、体を動かしたり、意識的に動かすことのできる「骨格筋」は400種類もあるといわれています。そして人間の体は「張力」により全身の骨格筋が〝連動性〞をもって動いています。上半身を安定させるには体幹や下半身の筋力が必要ですし、下半身を安定させ効率よく動くにも上半身のパワーが必要不可欠です。
例えば腕を振らないと速く走ることができないのは、誰もが経験的に分かっていることだと思います。それは腕振りのパワーが、下半身を素早く力強く動かすために役立っているからです。細かくいうと、腕を前から後ろに振る力は、その側の骨盤や脚を前に引き出すのに役立ちます。また、腕を後ろから前に振る力は、特に地面の下方向に力を伝えたり、接地中に上半身を前に進めたりする(速く走る)のに貢献しています。
このように上半身、体幹、下半身の筋肉がバランスよく連動すれば、パフォーマンスの向上となるだけではなく、動きやすく疲れにくい体にもつながっていきます。
全身のバランスを保つためのセンサー
今回ご紹介する「バランス・ストレッチ」では、できれば裸足で行ってみてください。
靴を履いているときには通常使われない筋肉や筋肉群が活性化されます。この筋肉の活性化の増加により、筋力とバランスの向上につながります。
足の裏には、メカノレセプターという感覚受容器があり、地面の情報を脳に伝えるセンサーの役割をしています。地面の凹凸や滑り、材質、傾きなどの情報を脳に伝えます。
脳はその情報をもとに歩いたり、立ったりします。通常うまく作動していれば、足裏の情報を脳に伝えながらうまく体のバランスを保っています。
ただ、このメカノレセプター、使わないと感度が低下してしまいます。
このメカノレセプターの働きが鈍くなると、立位での安定性や姿勢、運動時の安定性も減少します。感度を良くするために
・足じゃんけんのグーチョキパー
・ゴルフボールを足の裏で転がす、つかむ
・足の指に手を組み合わせて回すなどいろいろな方法があります。
足裏のメカノレセプターに適度に刺激が入る、裸足でできるバランス・エクササイズは1つ1つの動きの強弱は自分で調節できます。「二の腕・背中を引き締めるエクササイズ」と「ウエスト・お尻を引き締めるエクササイズ」と2パターンあります。パターンごと1つ1つ分けて動いてもいいですし、強度は高くなりますが、つなげて動いても構いません。
裸足で全身を動かすことが大切です。ぜひ、試してみてください。
また、裸足で運動する前に、そのエリアが危険ではないことを確認しましょう。

高齢期の椅子からの立ち上がりに注意(2025年2月号) 「立ち上がりが楽になる体操」

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高齢期の立ち上がりは転倒の危険も!
介護予防教室の中で「以前は当たり前にできていた椅子からの立ち上がりが難しくなった。」という声をよく聞きます。立ち上がり動作は生活する上でほぼ100%といっていいほど必要な動作になります。この立ち上がり動作が不自由になってくると、移動するのが大変になり、生活範囲が椅子の周辺になってしまいがちです。すると、立ち上がる機会が減り、さらに立ち上がりにくくなるといった悪循環に陥ってしまいます。さらに、転倒や椅子からの転落にも繋がり、股関節や骨盤の骨折を起こしてしまう原因となり得ます。そうならないためにはどうしたらいいのか?が今回のテーマになります。
●TUG(Timed Up and Go )Test
TUGテストは、歩行速度、椅子からの立ち上がり、方向転換の機能を評価する方法です。カットオフ値や平均値から転倒予測などができるといわれています。
1. 椅子に深く座り、手を膝の上においた状態からスタート
2. 無理のない早さで歩き3m先の目印へ
3. 目印・目標物を回って椅子に戻ってくる
4.椅子に着座する ※そのかかった時間を計測します。
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センターが作成したTUG測定値のガイドです。
介護予防ガイド
また、介護予防の観点から運動器不安定症のcut off値(転倒のリスクが高まった状態)は11秒と設定されています。
北海道で高齢化率の高いU市の実例
実際に介護予防教室で計測した令和5年U市のケースをご紹介します。
・U市全参加者測定157名 平均年齢80.1歳 測定値7.3秒
・U市M地区測定15名 平均年齢87.6歳 測定値9.5秒
・U市K地区測定10名 平均年齢87.7歳 測定値10.3秒
市の全体の参加者を見ると介護予防ガイドでは「普通」、転倒のリスクは高くないという結果になりました。
また、地域に出向いた2地区では、平均年齢が上がった分、介護予防ガイドでは「少し悪い」という結果ですが、転倒のリスクに関しては大丈夫な範囲におさまっています。
介護予防レベルで「悪い」、そして転倒リスクが高いという結果になった2例です。
・Aさん(女性)93歳18秒→94歳23.8秒→96歳測定不可(R6)
・Bさん(女性)84歳20秒→87歳12.6秒→88歳10.1秒(R6)

年を重ねると、歩行が安定せず、自立歩行が無理になるケースもありますが、運動教室には参加されています。
また、年を重ねても運動を継続していくうちに、体力が戻る例もあります。
大切なことは、測定の結果を受けて、立ち上がり、歩行、方向転換、着座の動作のどこに問題があるのか、ないのかを知り、対応していくことだと思います。
立ち上がりが楽になる体操と個人別運動プログラム
「立ち上がりが楽になる体操」と「体幹とバランスの体操」、そして、安全な「立ち上がりの動作」をご紹介します。試してみてください。
また、測定後結果を踏まえて、個人別のプログラムも作成しています。AさんBさんのプログラムです。継続は力です。ゆっくり年齢を重ねていってほしいと願います。

子育て中でも運動する時間を確保(2025年3月号) 子どもと一緒に楽しめるヨガ

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慢性的なストレスからくる浅い呼吸
育児は24時間、365日休みなしで、想定外のことが次々と起こります。
家事が進まない、子どもが泣き止まない、思い通りに物事が進まない、時間が常に不足している、これらはたくさんのママ達が抱えている悩みではないでしょうか。
慢性的なストレスや疲労は‶浅い呼吸″になってしまう原因の一つです。
浅い呼吸になると疲労を感じやすくなります。
体内に取り込まれた酸素は、疲れや疲労の原因となる血中乳酸を分離したり処理したりする働きがあるといわれています。そのため、浅い呼吸によって体内の酸素が不足している状態では、酸素が満足に体内に供給されている状態と比較し、血中乳酸の処理速度が低下する可能性があります。その結果、疲労を感じやすくなってしまうと考えられています。

おうち時間にヨガを取り入れてみませんか
専門的な道具を用意しなくても、体一つで始められるヨガをお勧めします。ヨガは呼吸と体の動きを連動させることで心身を整えていきます。大きく深く呼吸することでリラックス効果も期待できます。お子さんを側においてママだけでもできるし、一緒にもできます。キッズヨガスクールでは4歳からのクラスが多いのですが、幼稚園に出向く運動教室では‶年少さん″からヨガを準備運動の一部として取り入れています。
親子セミナーでヨガを取り入れる場合は「できることをゆっくりしていきましょう」 「見ているだけで脳にインプットされます。 無理やりやらせようとしないで、ご自身の動きをみせるように動いてください」と伝え、
‶ママだけヨガ″も推奨しています。

子どもの運動能力の発達のために
3歳から12歳というのは子どもの運動能力を発達させる大切な時期だと言われています。この時期にヨガを行うことによって、運動不足の解消、身体能力を養う、口呼吸の改善など様々な効果が期待できます。ヨガには有酸素運動や筋力トレーニングといった各要素のバリエーションが豊富に含まれているため、外出しなくてもある程度の運動量を確保することができます。
具体的なヨガのメリットです。
・運動能力が高まる ヨガのポーズではバランス感覚や柔軟性といった運動をする際に欠かせない能力を自然と身に付けることができます。そのため体の使い方も分かるようになり、様々なスポーツに対応できるような土台を作ることができます。 ・競争がない またヨガには競争がありません。
誰かと比べられることなく、それぞれ自分のペースで体を動かすことを楽しめます。運動に苦手意識を持っている子ども達も安心感を持って取り組めます。無理せずに、ヨガを取り入れながら子どもと一緒にいる時間を大切にしてください。