痛風とはどんな病気?

ある日突然、足の親指の付け根あたりが赤く膨れ上がり、激痛が襲います。痛風の発作は隣の人がクシャミをしても、飛び上がるような痛さだといわれています。そこで今回は、まず痛風とはどんな病気なのか、その予防と治療についてお話しましょう。
 痛風の犯人は「尿酸」。体は細胞からできています。細胞はその核を中心に代謝活動をして生きています。その核タンパクが代謝過程で燃え、「燃えカス」ができます。これが尿酸です。
 高尿酸の原因は、生産過剰と排出低下。体の中ではほぼ一定量の尿酸が作られ、一方では尿の中に捨てられています。ところが、なんらかの原因でこのバランスが崩れると、血液中の尿酸が増え高尿酸血症(7.0r/dl以上)となり、尿酸は溶けきれず体の至る所で結晶となりたまり、悪さをします。
 発作は、代謝異常の警告です。尿酸が長くたまると、発作が起きるだけではなく、最終的に腎臓や心臓に障害を起こしてきます。ここに至るまで、自覚症状はありません。そこで「尿酸がたまっていますよ。危険ですよ。」と前もって教えてくれるのが“発作”という警告です。
● 痛風の予防
▽生活のポイント
@ 太り過ぎ、食べ過ぎに注意し、ゆっくりかむA定期的な尿酸値のチェック
Bストレスや過労を避けるCバランスの良い食事D適度な運動
▽食生活のポイント
@アルコールは控えめに心掛けましょう(アルコールは作り過ぎる働きがあるだけでなく、捨てることをやめます)A脂肪を取り過ぎない(動物性脂肪は排泄=せつ=を妨げる)B酒の肴(さかな)に注意する(イワシやレバー、エビなどのとり過ぎ)C積極的に水分を取りましょう(排泄を促進するため)。
● 痛風発作が起きたときの応急処置
 @患部を冷やすA関節を安静にするB禁酒C痛み止めがあれば飲む(バファリンの飲み過ぎは注意・発作がひどくなる)Dできるだけ早く専門医を受診する。
 痛風治療薬は、長期間続けることが必要です。専門医の注意をよく守り、指示通り服用するようにしましょう。それが、薬の必要量を減らすことになります。
 (日本リウマチ学会認定医)

 [澤田 一二,医療法人社団さわだ整形外科]


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