骨粗鬆症の正しい理解と予防

 女性に多い病気

 骨粗鬆(しょう)症とは、体が老化したり、カルシウム摂取が不足すると骨量が減少し骨がスカスカになってもろくなり、骨折の危険性が高くなった状態を指します。高齢社会において、極めて重要な疾患となっています。

特に、骨粗鬆症が多くなる高齢者(75歳以上)では、転倒による骨折発生頻度が増加しているため、治療の最大の目的は骨折を予防することです。

骨量は、20−40歳にかけて最大となり、以後減少します。女性においては45−60歳の間に年間約2%、60歳以後1%減少します。特に女性に多い病気であることが知られています。もともと女性は、骨が細い上に閉経後女性ホルモンが減ることが大きな原因となっています。

年齢とともに動くのがおっくうになりがちですが、丈夫な骨をいつまでも保つためには、最低限の負荷(運動)を常に心掛けてください。

 

骨量測定検査を

また、早めに骨量の測定検査をして、ご自身の骨量値の診断を受けることも大事です。学会基準では、骨量が骨量頂値の70%未満の人を骨粗鬆症と診断しています。まだ骨折を起こしたことがない、腰も痛くないから大丈夫だと思っていることが危険です。日常生活を見直し、若いうちから予防に心掛けることが大切です。

予防としては、適当な運動(@ストレッチ運動、筋肉の引き伸ばし運動、体の柔軟性の維持運動Aウオーキング。20分ほど普段の歩行より少し早めにB音楽に合わせたリズム運動)などのほか、適度な日光浴、カルシウムを十分に摂取すること、必要であれば薬剤による治療もお勧めします。

 

ご自分の体力に合わせて無理のない範囲で予防に努め、健康な老後を楽しんでいただければ幸いです。


[鴨井清貴,鴨井整形外科医院]


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