食中毒の季節がやってきました。
食中毒は、有害な微生物や物質の付いている食べ物が原因となった症状です。夏に発生する食中毒の90%は細菌やウイルスによるものです。
食中毒を起こす主な菌を説明します。
<腸炎ビブリオ菌>
近海産の魚介類のエラや内臓に付いています。真水や熱に弱いので真水でよく洗い、低温にも弱いので冷蔵庫でよく冷やすのもよい。ただし繁殖力が強いので包丁やまな板からの二次感染に注意します。
<カンピロバクター菌>
牛、豚、羊、鶏、小鳥類の腸管に分布しております。また大や猫などのペットを介しての二次感染があります。乾燥や熱に弱いですが、少量の菌でも発病します。生肉は食べない、動物が触ったところに注意し、十分な加熱調理が必要です。
<サルモネラ菌>
自然界に広く分布し、牛、豚、鶏やペットなどが持っていますが、近年、鶏卵の汚染率が上昇しております。低温や乾燥に強いので十分な加熱調理が必要です。
<腸管出血性大腸菌O−157>
病原大腸菌の一種。最近、様似の施設で発生しましたが、感染すると激しい腹痛とともに血便となり、ときには腎不全となり死に至ることもあります。これは菌がつくりだす「ベロ毒素」という強力な毒素が大腸を攻撃するために起こる出血です。原因食品の特定はなか なか困難ですが、野菜、水、牛肉など実に様々です。厚生省のガイドラインでは、O−157は「75度で1分以上の加熱」で死滅するといわれております。
■食中毒予防のポイントは
1.食中毒菌を付けない(細菌による汚染を防ぐ)
2.増やさない(細菌の増殖を防ぐ)
3.やっつける(加熱処理する)
[木下 博,きのした内科クリニック]
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