メタボリックシンドローム

■メタボリックシンドロームとは

動脈硬化や心筋梗塞などの死を招く疾患を促進させるのが肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧といった生活習慣病です。

ごく軽定時のこれらの疾患はおもに早期の段階で、一つ一つの疾病としてはそれほど体にダメージを与えませんが、肥満でありながら複数併せ持つ状態をメタボリックシンドロームと呼びます。このメタボリックシンドロームは急速に動脈硬化を進行させることがわかっています。わが国では1000万人以上の患者がいると推定されています。

このほど日本内科学会を含む8つの学会が診断基準の設定にあたり、合意に達することができました。

■診断基準

@腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上

A収縮期の血圧が130mmHg以上、かつまたは拡張期血圧が85mmHg以上

B空腹時の血糖値が110mg/dl以上

C中性脂肪が150mg/dl以上、かつまたはHDLコレステロールが40mg/dl未満

以上のうち@に加えて、AからCのうち二つ以上の条件が当てはまる場合メタボリックシンドロームと診断されます。

■治療

メタボリックシンドロームと診断されたら、まずは生活習慣病を改善する指導が行われます。食事療法や運動療法を3〜4か月続けます。それでも改善がみられない場合は、医師と患者さんが相談の上、それぞれの疾患の薬物治療が導入されます。またメタボリックシンドロームの人は、40歳以上では3人に1人ともいわれています。特に肥満ぎみの人は要注意です。

まずは生活習慣の改善や食事療法で誘発する、これらの基礎疾患を早期の内に回避しましょう。


 [國本清治,くにもと内科循環器科]


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