急性中耳炎の予防と看護

 急性中耳炎は、鼻の奥から耳の奥に通じる細い管(耳管)を通って鼻咽の細菌が鼓膜の奥の小腔(中耳)へ入って起こります。

 主な症状は、耳の詰まる感じ・耳鳴り・耳内の博動感・耳痛・難聴・発熱・耳だれです。乳幼児では突然の不様嫌・高熱・嘔吐(おうと)・引き付けから耳だれを起こしてきます。

  予防

@感冒を早く治すこと。=感冒は鼻から咽(のど)にかけてのただれ、腫れとして始まり、中耳炎の最も大きな原因となります。

A鼻は必ず片方ずつ静かにかむこと=ひどく鼻の詰まっているときには、鼻汁はすすって痰(たん)に出してうがいをする。鼻水の流れるときには拭(ふ)き取るだけにして無理に鼻をかまないこと。激しい咳(せき)・嘔吐・くしゃみ・風邪気味での水泳なども中耳炎の原因になります。

B蓄膿(ちくのう)症・アデノイド・慢性へんとう炎など鼻・咽に慢性疾患のある人は、これを治しておくこと。

C乳幼児の中耳炎は、耳だれの起こるまで気付かずに手遅れになることがあるので、熱があり不機嫌で、首を振って耳へ手をやるときには早めに診察を受けましょう。

(鼓膜に穿孔がなければ耳ヘ水が入っても決して中耳炎にはなりませんから、耳はきれいにしていてください)

  看護

@安静 静かな部屋に暖かくして、よく寝かせること。

Aきちんと薬を飲ませること。

B食事 消化のよいもので十分に栄養を取り、刺激物は避けること。

C清潔 体を清潔にして、耳だれはふき取り、消毒してください。

D発熱について 子供さんでは高い熱が出ますが、これは全身で激しく中耳炎と闘っているためなのですから、落ち着いて優しく励ますようにしてくだきい。体は温かくし、頭をよく冷やし八水分を十分に取ること。

E入浴はできません。


 [国本鎮雄,国本耳鼻咽喉科医院]


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