痔とはなんでしょう

−その種類と発生原因−

肛門(こうもん)はもともとお尻の穴です。普通はそこを便がスムースに通過するのですが、便秘などで強く踏ん張ったり硬い便が通過する時に、肛門の周りと便がこすれることで傷ができてしまいます。さらに、そこにばい菌が入ったりすると様々な症状が起きてきます。これが痔(じ)です。また長時間同じ姿勢をとっていると、肛門の周りの血行が悪くなり、症状が悪化することがあります。

一般に痔には薬で完全に治るものと、いったん治ったように見えてもすぐに再発してしまうものの2種類があります。後者の場合は手術が有効です。

主な痔と発生原因は次のとおりです。

▽いぼ痔(痔核) いぼ痔には2種類あります。肛門の内側にいぼのようなものができるのを内痔核といい、ポタポタ出血しますが痛みは少ないのが特徴です。肛門の外側にできるのが外痔核でズキズキと痛みます。発生する原因は便秘、不規則な食事、腰の冷えなどです。

▽切れ痔(裂肛) 硬い便などで肛門にできた切り傷が切れ痔です。排便の時に出血して非常に痛み、排便後もしばらく痛みが続きます。発生原因は便秘、不規則な生活、片寄った食事、腰の冷えなどです。

▽肛門周囲膿瘍(のうよう) 肛門の周りが急に腫れて痛みが強いのが特徴です。高熱も伴います。軽いものは抗生物質で治る場合もありますが、痛みや腫れが強い時は切開して膿を出します。原因は肛門内にばい菌が入ったためです。

▽痔ろう 肛門周囲膿瘍と同じく、感染症の一種です。肛門内にばい菌が入り込んで膿ができ、肛門の周りにおできができます。このおできが破れ貫通したものが痔ろうです。皮膚が赤く腫れたり、排便と無関係に痛みます。熱が出ることもあります。原因は不潔、便秘と下痢の繰り返しなどです。

 [斎藤修弥,斉藤外科医院]


目次に戻る

Copyright (C) 1998 by Muroran Medical Association. All rights reserved.