早朝高血圧に注意しましょう

〈早朝高血圧〉

 心筋梗塞(こうそく)、心臓突然死、血栓性脳卒中などは、早朝から午前中に多発することが知られています。一方、血圧も一日のうちで、この時間帯に最も高くなる人がおり、これらの病気の原因や引き金になっているのではないかと考えられるようになってきました。

 昼間病院で血圧を測ると正常範囲なのに、家庭で朝起きて測ると血圧が135/85mmHg以上になっているのが早朝高血圧です。

 早朝高血圧と心血管死亡との関連が注目されつつあります。

〈家庭で血圧を測りましょう〉

 早朝高血圧をみつけるためには、自分で朝の血圧を測ることが大切になってきます。

〈家庭血圧の測り方〉

 血圧計は上腕用を使用し、手首、指用は避けてください。朝は起きてから1時間以内排尿後、朝食前、服薬前、安静座位1〜2分後に1回だけ測定し、その値を記録します。何回も測定しても良いが、その場合すべての血圧値を記録します。

〈家庭血圧の正常値〉

 日本高血圧学会から家庭血圧の正常値は125/80mmHg未満とされています。135/85mmHg以上は早朝高血圧です。

 この場合、上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)のどちらかだけが高くても早朝高血圧です。

 繰り返しますが、早朝高血圧を見つけるためには、自分で朝の血圧を測ることが重要で、測定した血圧値は記録し、主治医に相談してください。治療中の方は、自分の判断で勝手に薬の服用を中止したりしないようにしましょう。


 [森川 亮,森川内科医院長]


目次に戻る

Copyright (C) 1998 by Muroran Medical Association. All rights reserved.