最近、メタボリックシンドロームという言葉をよく聞くようになりましたが、メタボリックシンドロームとは@腹囲男性85センチ、女性90センチ以上A血圧130/85mmHg以上B空腹時血糖110mg/dl以上CHDLコレステロール40mg/dl未満、中性脂肪150mg/dl以上のうち@とA〜Cのうちの二つ以上を満たした場合をいいます。
いろいろな条件のうち、腹囲が最も重視されているのは、体脂肪が重要だからです。
体脂肪は皮下脂肪と内臓脂肪があり、以前は脂肪細胞は脂肪を蓄積しエネルギー源として考えられていましたが、最近は脂肪細胞からホルモンのような物質(生理活性物質)を数種類出していることが分かってきました。
この物質は善玉のアディポネクチンと悪玉のTNFα、レプチン等の数種類があり、内臓脂肪が適当な非肥満のときは善玉のアディポネクチンが多く分泌され、逆に内臓脂肪が多くなると善玉が減少し、悪玉が多く分泌されることが分かってきました。
善玉のアディポネクチンは高血圧、脂質異常症、高血糖等を改善し、内臓脂肪が増え悪玉が増加すると逆のこのことが起きます。
体重が増え内臓脂肪が多くなると健康に悪いことが分かると思います。内臓脂肪が多くなると以上の理由で高血圧症・脂質異常、糖尿病、脳梗塞(こうそく)・心筋梗塞等になってしまいます。
メタボリックシンドロームを改善するには難しいことですが、食生活を改善し、体重を適正にし、週3回くらい歩行でよいですから運動することです。
メタボリックシンドロームを減らす目的で4月から「特定健診」が始まっています。
[柳川志公,柳川内科医院]
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