健康診断を受けましょう

日本人の死亡原因はがん、脳卒中、心臓病が上位3疾病です。がんは肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、乳がん、前立腺がんが上位にあります。がん対策基本法が策定され、がん検診率を50%以上に向上させ、がん死亡率を20%削減するという目標値が設定されました。

現在、がん検診は肺がん、大腸がん、胃がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん検診が住民健診として行われております。さらに、生活習慣病の高血圧、糖尿病、高脂血症に関する特定健康診査も昨年より実施され、脳卒中、心臓病の検診として最終健診目標値80%を目指して実施されております。

しかし、現状では目標値よりはるかに低く、がん検診では、最も検診率の高い肺がん検診で27%程度、他のがん検診では10%程度に推移しております。(平成20年度実績)

特定健康診査は18%程度の受診率です。健診率が低い原因としては「面倒くさい。自覚症状がない。自分だけは病気にならない。健診の受け方が分からない。お金がかかる。病院にかかっているので必要がない。がんが発見されるのが怖い。」などの要因が挙げられると思います。

医療機関に受診している患者さんで、がん検診率が低い傾向にあります。これは、病院にかかっていることで安心し検診を受けるよう勧めないことも一因としてあります。

病院にかかっている患者さんが検診を受けられないことはありません。病院は病気を診るところですので、症状がなければ検査を受けることができません。

従って、高血圧でかかっている患者さんのがんを見つけるためには、がん検診を受けることが必要となります。慢性胃炎でかかっている患者さんの生活習慣病を見つけるためには、健診を受けることが必要となります。

がん検診や特定健康診査には補助金制度がありますが、市町村によって補助金が多少異なっております。

症状が出てから健診を受けるより、症状が無い時点で健診を受けた方が早期に発見でき、早期に治療を開始できます。早期発見、早期治療を行えばがんは怖くありません。健診を受けられる医療機関は市の広報誌などに記載されております。お誘い合せて健康管理をご自分自身で行ってください。

[小玉俊典,室蘭・こだま消化器内科クリニック]


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