コンタクト

現在、日本のコンタクトレンズ装用者は約1600万人と推定されていますが、若年層、特に中・高校生での合併症の増加が顕著となり、問題となっています。

 コンタクトレンズは皆さんご存知のように角膜(目の黒の部分)に接触させて使用するレンズです。角膜とコンタクトレンズの間の距離がゼロに近いという特性により、眼鏡に比べ像のゆがみや大きさの変化が少ないという利点があります。

 また、左右の目で度数の差がある場合でも眼鏡に比べて疲れにくい、度数が強くてもレンズの厚さもほとんど変わらず装用できる、眼鏡のようにズレ落ちたり曇ったりという煩わしさが少ないなどの利点があります。

 主に柔らかい材質で角膜より大きいソフトコンタクトが主流で、中でも一日や2週間で使い捨てのタイプのレンズは衛生的であり、汚れも付着しにくいため、人気が高く現在の主流となっています。

 ここからが本題ですが、使い方を間違えるといろいろな合併症を引き起こしかねません。

 ソフトコンタクトは角膜を全て覆ってしまうため、初期の異常に気づきにくい(バンテージ効果)のです。このため角膜に微細な傷がついても症状がでないため、その場所から細菌やカビが侵入し、重篤な感染症を生じる危険性があります。

 角膜に傷ができたり、感染症を起こしてしまうには原因があります。

 いくつか挙げてみますと、@目そのものに問題がある場合…ドライアイ(乾き目)、アレルギー性結膜炎(花粉症)Aコンタクトレンズに問題がある場合…破損、フィッティング不良B使い方に問題がある場合…装用時間が長い、他人からもらったレンズを使用、装用したまま寝てしまった等Cケア(管理)に問題がある場合−などです。

 最も多い原因がBとCです。装用時間は原則12時間前後と考えてください。ケア(管理)に関しては最も重要な部分ですので詳しくお話しいたします。

 コンタクトレンズには、目の表面の脂質やタンパク質が付着するため、一日の装用が終わったら必ず専用のケア用品(MPS=マルチパーパスソリューション)で汚れを取り除いてあげることが大切です。

 このケアの仕方にも「コツ」がありますので、この機会にもう一度おさらいしてみましょう。

 せっけんでの手洗い→コンタクトレンズのすすぎ洗い(MPS使用)→同こすり洗い→(同)→すすぎ洗い(同)→つけ置き保管(同)。特に大事なのはこすり洗いです。

 以上の事を注意してあしたからの快適なコンタクトレンズ・ライフに役立ててもらうと幸いです。

[澤崎嘉昭,澤崎眼科院長]


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