水虫Q&A

―水虫とはどんな病気なの?。

 水虫は皮膚に白癬(はくせん)菌(皮膚糸状菌)が感染することによって起こります。足の水虫(正確には足白癬と言います)では、主に症状の違う三つに分類されます。(1)足の指の間がジクジクして、皮がむけるタイプ。(2)足の裏に水ぶくれができるタイプ。(3)足の裏がガサガサして、皮が厚くなって硬くなるタイプです。その他、白癬菌が爪の中に入り込み、爪が白く濁ったり厚く変形する爪の水虫(爪白癬)もあります。

 (1)(2)のタイプは若干のかゆみを伴うこともありますが、(3)のタイプや爪の水虫は、かゆみはほとんどありません。よく「水虫はムズムズしてかゆい」と誤解されていることがあるのですが、実際はそうではなく、かゆみがある場合は汗管トラブルで起きる湿疹「異汗性湿疹」の可能性があります。

 ―水虫は見ただけで分かるの?。

 水虫と他の湿疹などの病気との区別は、皮膚科専門医であっても「見ただけ」では分かりません。皮膚や爪の一部を少し取って、特殊な溶解液に付け、顕微鏡で確認する「真菌検査」が必要です。この検査で白癬菌を確認することができれば、初めて水虫と診断できます。当院でも、水虫を心配して来院した患者さんを実際に調べてみると、半数近くは水虫ではありません。水虫だと勝手に思い込んで、水虫治療薬を一生懸命塗っていても「一向に良くならない」場合は、「水虫ではないのに水虫の治療をしている」とも考えられます。

 ―日常生活での予防法、注意点は?。

 白癬菌が足に付いてもすぐに水虫になるわけではありません。皮膚の角質層の中に侵入するためには24時間以上かかるといわれています。ですから、毎晩足を洗い、タオルで拭いて、その日に付着した白癬菌を落とせば、水虫の感染を防ぐことができるのです。ただし、垢(あか)すりや軽石などでゴシゴシこすると、正常の表皮を傷つけることになり、かえって、水虫の菌や細菌が入りやすくなるので、せっけんなどで優しく洗いましょう。靴はなるべく通気性の良いものを選び、できれば毎日同じ靴を履かずに、2足、3足を交互に履くと良いでしょう。また足に汗をかきやすい方には5本指ソックスもお勧めです。

[山内利浩,室蘭皮膚科クリニック院長]


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