問診にメモの活用

これは主に成人病などで初めて病院にかかる年配の方の話としてお読みください。緊急な病気、怪我(けが)はまた別です。
 問診とは「医者が患者に病状について質問する」と国語辞典に書いてありますが、病院では看護婦さんや係の職員が聞く所もあります。
 昔から名医は問診だけで9割方診断がつくといわれているほど大切なことです。
 医者に上手にかかるには、などといわれていますが、いつ?どこで?だれが?何を?どうした?という言葉の通り問診されるはずですから、これにうまく答えないと時間の無駄となります。「大分前」などと曖昧(あいまい)なことを言わずに、「何歳の時に入浴中に頭痛があり急病センターで薬を貰(もら)って良くなった」など具体的に話してください。
 最初からメモ用紙に要点を書いて話してくださる患者さんがおりますが、これは良いことです。3時間待って3分診療と言いますが、少しは短縮するかもしれません。しかし、病気は自分のことなのですから、話すことは時間がかかってもくわしくお話しください。
 自分では関係ないと思っていて、根掘り葉掘り聞かないと話してくれない人がいます。1年前から眼科に、3ヶ月前から整形外科に通院していることも関係あるのです。3日前まで別の病院に通っていたことは大いに関係があります。
 医者を変えたら悪いなどと遠慮をしないで話してください。場合によっては同じ効能の薬を貰ったり、組み合わせの悪い薬で副作用を起こすこともあります。前の薬は赤、今度は白と安心してはいけません。色、形が異なっても同じ成分の薬はたくさんあります。
 また、父は癌(がん)、伯父は糖尿、兄は血圧とかいうことも、遺伝関係、体質などで大切なことですから、余計なことを聞いているわけではありません。
 繰り返しますが、自分の体の病気ですから、だれに遠慮もいりませんので、時間をかけてもくわしくお話しください。そして、初めての病院では緊張して忘れることがあるので、メモを活用して要領よくお話しくださるようお願いいたします。

 [飯島 三男,室蘭市医師会]


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