定期検診の結果に注目を

 毎日患者さんを診察し、また、年12回健診を行い常に思うことは、非常に神経質な人とあまりにも無頓着な人がいる、ということです。 毎年行う定期検診の重要性を痛感し、その結果、年々血圧が10くらいまで上昇する例をよく見ます。遺伝関係が濃厚と思います。 要注意から要治療になった人は、ご自分のことですから、健康管理は真剣に自分自身でしてください。ご相談にはいつでも応じます成人病とは脳卒中、心臓病、癌(がん)などですが、今回は高血圧について申し上げます。

 大体40歳くらいから始まることから重要視されてきました。50歳代は一応子供の教育も一段落し、経済的にも安定した時期ですが、後半には定年という潜在意識的に一抹の不安感も伴う時です。60歳代は家庭的、社会的にも後退を余儀なくされ、老化への不安や心理的抵抗が高まる時期です。ここにストレスの過重があり、家族ぐるみでその実情を知り、休息の場が必要だと思います血圧は寒い時、暖かい時、また、労働時間、労働条件、起きて測る、寝て測る―で差 があります。

 不幸にして要治療の人は、コレステロール増加食を避けること。即ち脂肪の多い肉、塩分を少なめに、野菜を多く食べ、酒、たばこを最小限度にしてください。最後に、成人病について総括的に考えなければならないことは、耐久年数が少なくなってきている年代の病気なのですから、人それぞれの環境、生活条件などを常に考慮して、職場ぐるみ、家族ぐるみで健康管理を個々の問題として規制すべきは規制する、自制すべきは自制するようでなければ、いくら成人病、成人病とお題目をとなえても駄目です。

 常に、転ばぬ先の杖(つえ)と申しますが、不幸が起きてから最高の治療を要求する人がいますが、いかに医学が進歩しても、その後遺症は大なり小なり残る不幸を毎日見ていて、何とか最小限度に食い止めなければならないと思います。休日は麻雀、パチンコ、飲酒のためにあるのではなく、明日へのエネルギーを蓄えるためにあることを忘れずに、ストレス解消のための休養と程よい運動を皆さん各自の健康管理として考えてください。

[ 安立 かほり,安立医院 ]

 


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