熟年を健やかに過ごすために

近年、日本人の高齢化速度は、諸外国に例を見ないほどで、平均寿命は女性83才、男性78才に至っています。60才以降、特に65才からのいわゆる熟年の人生を健康で有意義に過ごすために、日常気付いたことを考えてみました。

 まず「食事」ですが、偏食を避け、腹八分目をめどとし、食塩の取り過ぎに注意する。糖質(米食、めん類、パン食)、タンパク質(肉、魚介類、卵、豆、チーズなど)、脂質その他キノコ類、海草、野菜、さらに旬の果物も必ず取り、130品目を摂取するように心掛けてください。女性は、ホルモンの関係でカルシウムの十分な摂取が必要です。

 次に「運動」ですが、自動車が普及したので体を動かすことが少なくなりました。なるべく毎日7,000歩くらい歩くように努めましょう。過激な運動、特にマラソン、ジョギングなどより、速歩で軽く汗をかく程度が良いとされています。ただ、急に思い立って過度な歩行を行い、ひざを痛めることがあります。必ず徐々に歩く距離を伸ばすことが必要です。1日数回、特に起床時、10分ほど軽く手足、四肢、腰・背部の運動も行いたいものです。

 次に「日常の過ごし方」ですが、生活環境の急激な変化、例えば定年退職、近親者との離別などがあり、家に引きこもることなどは絶対に避けねばなりません。努めて周囲の人と交流し、趣味などを生かし、積極的に活動することが望ましいと思います。

 室蘭市天神町にある室蘭総合福祉センターでは、約20のふれあい教室、ふれあい同好会のサークル活動を行っています。その他、各地の町内会でも種々のサークル活動が行われています。気軽に参加されてはいかがでしょう。

[ 黒光 康夫,黒光医院 ] 

 


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