健やかで幸せな明日を築くために

室蘭登別総合健診センターが昭和592月にスタートしてから973月まで、何らかの形で利用された方は延べ465000人余りになりました。

 がん、心臓病、糖尿病、高脂血症など初期には自覚症状がはっきりしないことが多く、症状が進んだ状態になっていることがしばしばあります。健康と思っているときに異常の有無をチェックして、異常があればそれを治し、異常がなければさらに健康を増進するというのが現代の考え方です。

 利用される方のほどんどは自覚症状はありませんが、検査結果で何らかの異常所見の認められる人は70%もあります。けれども、これは認定された正常範囲からのはみ出しを意味するだけです。

 この施設は、診療所ではありません。治療については一切申し上げられませんし、異常所見についての指示はできません。検査結果は無責任な言い方かもしれませんが、「検査結果に異常所見があります。専門の医師にご相談ください」と申し上げるしかありません。

 治療、予後については説明できる立場にありません。あくまでも、建て前だけで本音は奥歯で噛み殺さざるを得ません。設定された正常範囲からのはみ出し具合で様子をみたり、もう少し詳しい検査が必要、との判断をするのが病院の医師の役割だと思います。

 ただ、健診結果に無頓着な方が意外と多く、毎年受けながら異常値が改善されないケースもあります。仕事を休むのは大変でしょうが、ご自身の問題です。十分お考え下さい。

 私どもの施設も15年目に入り、利用される方々の関心が高まってきているのは大変喜ばしいことですが、理解度は必ずしも十分とはいえません。服用中の薬をたくさん持ってきて効用、副作用の説明を求めたり、報告書に従って説明しているのに他の健診機関のデータと見比べているうちに分からなくなって怒ってしまう人、ハイ、ハイと返事だけは良いのですが最後にもう一度催促する人などさまざまです。

 開設以来、年12回利用される方が増えています。病院とは違う感覚で利用してください。

[ 森田 益聿,室蘭登別総合健診センター ] 

 


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