急性中耳炎の予防と看護

 急性中耳炎は鼻の奥から耳の奥へ通じる細い管(耳管)を通って、鼻、咽の細菌が鼓膜の奥の小腔(中耳)へ入って起こります。
 主な症状は耳の詰まる感じ、耳鳴り、耳内の博動感、耳痛、難聴、発熱、耳だれです。
 乳幼児では突然の不機嫌、高熱、嘔吐、ひきつけから耳だれを起こしてきます。

■予防

<感冒を早く治すこと>

感冒は鼻から咽にかけてのただれ、腫れとして始まり、中耳炎の最も大きな原因となります。

<鼻は必ず片方ずつ静かにかむこと>

ひどく鼻の詰まっているときには、鼻汁はすすって痰にして出して、うがいをする。鼻水の流れるときには、拭き取るだけにして無理に鼻をかまないこと。 激しい咳、嘔吐、くしゃみ、下手な鼻洗浄、風邪気味での水泳なども中耳炎の原因になります。

 蓄膿症、アデノイド、慢性扁桃炎など鼻、咽に慢性疾患のある人はこれを直しておくこと。
 乳幼児の中耳炎は耳だれの起こるまで気づかずに手遅れになることがあるので、熱があり不機嫌で、首を振って耳へ手をやるときには早めに診察を受けましょう。

■看護

<安静>

静かな部屋に暖かくしてよく寝かせること。

<きちんと薬を飲ませること>

<食事>

消化のよい物で十分に栄養を取り、刺激物は避けること。

<清潔>

体を清潔にして耳だれは拭き取り、消毒してください。

<発熱について>

子供は高い熱が出ますが、これは全身で激しく中耳炎と戦っているためなのですから、落ち着いて優しく励ますようにして下さい。体は温かくし、頭をよく冷やし、水分を十分にとること。入浴はできません。

[ 国本 鎮雄,国本耳鼻咽喉科医院 ] 

 


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