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「想像力は知識よりずっと重要なのです。」アインシュタイン
〜奇跡の言葉〜 鏡リュウジ 学習研究社


BOOKs(児童書・ファンタジー)
幾つになっても読んで楽しいものです。子どもだけに読ませておくにはもったいない。
(順不同。どの場所に何があるかはスクロールしてのお楽しみということで。)
青文字は参考のためのジャンル分けです。内容についてはこの限りではありません。

こもれび村のあんぺい先生
茂市 久美子 作 あかね書房 (単行本)ドクターファンタジー

大学病院で働いていたあんぺい先生は道に迷って入った「喫茶 月夜の森」で診療所の医者をさがしているという張り紙をみつけます。山に囲まれたこもれび村で診療を始めたあんぺい先生の元には地元の患者さんの他に「森の患者さん」もやってきて・・・・・・。腰痛のきつねから、歯痛で空にあがれない竜などいろいろな患者さんが出てきます。活字が大きめで143頁という読みやすい一冊です。

ハリー・ポッターと賢者の石
ハリー・ポッターと秘密の部屋
ハリーポッターとアズカバンの囚人
(全7巻予定。原作は4巻まで出版。)
J・K・ローリング 作 松岡 佑子 訳 静山社 (単行本)魔法使いファンタジー

もはや有名になったハリー・ポッターですね。
叔父家族に虐げられながら育ったハリーに、ホグワーツ魔法魔術学校から手紙が届きます。自分が魔法使いだと知らされたハリーはホグワーツに行き、ロンとハーマイオニーという親友に出会い、そして宿命の「名前を言ってはいけないあの人」との戦いを乗り越えながら成長していきます。
1巻で1年間のお話になっています。最終巻は辞典の厚さという話も・・・・・・。日本語訳4巻は流石に上下巻になったようです。分厚〜い本を抱えて読むのも良いと思ってたので少し残念。でも、表紙の絵が違うようなのでお得かも。徹夜で読めるかな・・・・・・。
(HARRY POTTER and The Goblet of Fire)。
幻の動物とその生息地 ニュート・スキャマンダー著
クィディッチ今昔 ケニルワージー・ウィスプ著

静山社 (ソフトカバー)魔法使いファンタジー

名前は違えども、ハリー・ポッターの作者、J・K・ローリングが書いた、ハリー・ポッター世界の幻獣・及び人気競技クィディッチの本。これを読めば、あなたはますますポタリアン。ちなみにこの本はボランティア本で、著者の印税はコミック・リリーフに寄付されます。
ネシャン・サーガ1 ヨナタンと伝説の杖
ネシャン・サーガ2 第七代裁き司の謎

ネシャン・サーガ3 裁き司最後の戦い
ラルフ・イーザウ 作 酒寄進一 訳 佐竹美保 絵(単行本)ファンタジー

14歳の少年ヨナタンは野原で穴に落ちたとき、不思議な力を持った杖ハシェベトを手に入れる。養父で賢者でもあるナヴランは、ヨナタンが選ばれしイェーヴォーの使者としてハシェベトを英知の庭にいる第六代裁き司ゴエルに届けなければならないと告げる。同じ頃、別の世界では14歳の少年ジョナサンがヨナタンの夢を見ていた。リアルな夢は次第にジョナサンの生活の大部分を占めていく。
ヨナタンはハシェベトを英知の庭に届けることが出来るのか、第七代裁き司は誰なのか。壮大な世界観で描かれるファンタジーです。全3巻。
ところで、ハシェベトの柄頭に有る四つの顔(人・獅子・牛・鷲)には意味があることを、最近「幻獣辞典」(ホルヘ・ルイス・ボルヘス マルガリータ・ゲレロ 柳瀬尚紀 訳 晶文社)を読み返して改めて知りました。気になる方はこの本の「ハニエル、カフジエル、アズリエル、アニエル」の項をご覧下さい。
おやすみなさいトムさん
ミシェル・マゴリアン 作 中村妙子 訳 評論社 (単行本)癒しファンタジー

これは戦争児童文学と類されるものらしい。この本は読んで損なしです。泣けます。舞台は第二次世界大戦中のイギリス。老人トムの元にやせこけた少年ウィリアムが疎開します。母親からの虐待の影響で全てのものに怯えるウィリアムをトムと村の住人は暖かくいやしていきます。友人との出会いと別れ、ウィリアムに対するトムの不器用な愛情。優しく悲しく愛おしくなる一冊です。
ナシスの塔の物語
みおちづる 作 ポプラ社 (単行本)成長物ファンタジー

砂漠の中のナシスという小さな村に暮らす少年リュタ。村の丘の上から余り出ることなく育てられ、村の皆に邪魔者扱いされるトンビ。ある日村に「歯車屋」を名乗る商人ドロスがやってきて、村の生活は変わっていくが・・・・・・。
実際に塔を作っていくのはトンビなのだけれど、このお話はリュタの「塔」の話でもあれば、リュタの父親の「塔」の話でもある。そしてナシスという村の「塔」の話でもあるのです。
ブンダバー1〜2
くぼしま りお 作 佐竹 美保 絵 ポプラ社(単行本)猫物ファンタジー

拾ったタンスから飛び出した黒猫とタンスを拾った夫婦と彼らが住む町の住人の話。2本足で立ち話の出来る陽気な黒猫です(「みかん絵日記」を彷彿とさせますな)。一作目はキャラクターの紹介といった感じです。2冊目からブンダバー本格始動、生きているタンスのタンちゃんとサーファー目医者ポンちゃん登場のお話です。まだまだ続刊予定。

ローワンと魔法の地図 リンの谷のローワン1
ローワンと黄金の谷の謎 
リンの谷のローワン2
ローワンと伝説の水晶 
リンの谷のローワン3
エミリー・ロッダ 作 さくまゆみこ 訳 佐竹 美保 絵(単行本)成長ファンタジー

リンの村を流れる川の水が枯れ始め、バクシャー係りで気の弱いローワン少年を含めた、7人は老女シバの魔法の地図を手に、竜が住む魔の山へ向かうが、魔法の地図に書かれる予言の通りに仲間が一人ずつ抜けていく・・・・・・。「本当の勇気」を問われる作品。

不思議を売る男
ジェラルディン・マコーリアン 作 金原瑞人 訳 佐竹美保 絵 偕成社 (単行本)古道具屋ファンタジー

一つ一つの話にテーマがある、オムニバス。
古道具屋で働き始めた男が、来る客にそれぞれの古道具の由来を話します。各々短編が素晴らしいものですが特に「鉛の兵隊」は感動ものです。注意としては、必ず頭から読みましょう。この本に関しては最後の章を一番最初に読んではいけません。

光草 ストラリスコ
ロベルト・ピウミーニ 作 長野 徹 訳 (単行本) 小峰書店 

絵描きと外に出られない病気を持つ太守の息子の物語。
絵描きが、太守の息子の部屋に絵を描いてくれないかと依頼されます。その絵は少年の希望を取り入れ毎日変化していくものでした。少年のため書き続けた絵描きの最後の絵。静かに寂しく羨ましくもあるお話です。

秘密の花園 
バーネット作 グラハム・ラスト 絵 野沢 佳織 訳 (単行本) 西村書店


両親が一度に病死してしまったため、メアリはイギリスの叔父に引き取られることになります。叔父のお屋敷には塀で囲まれた庭がたくさんあり、その中には叔父の奥さんのものだった「秘密の花園」が存在することを知ります。そして、メアリはこまどりの導きにより花園への鍵を手に入れるのですが・・・。
完訳 愛蔵版と銘打たれたこの本は、イラストが全てカラーです。リアルなイラストといい、豪華です。これを読むと昔ハウス提供でやっていたアニメ「秘密の花園」は結構完訳に近かったのだなと思います。久しぶりに読むと新鮮なものです

黄金の羅針盤 ライラの冒険シリーズ1
神秘の短剣 ライラの冒険シリーズ2
琥珀の望遠鏡ライラの冒険シリーズ3
フィリップ・プルマン作 大久保寛 訳 新潮社 (単行本) 冒険ファンタジー

ライラと彼女のダイモン(守護精霊)パンタライモンはコールター婦人についてジョーダン学寮を出る朝、学寮長から「真理計」を手渡される。誰を信じれば良いのか、何が正しいのか。真実を教えるという真理計を手に、囚われているというアスリエル卿を捜すライラとパンタライモンの逃避行が始まる。

こちらも3部作。分厚い本ですが(ネシャン・サーガよりは薄いですね)、その分内容は濃いです。

裏庭
梨木香歩 理論社 (単行本) 癒しファンタジー

六年前、バーンズ屋敷の庭にある池が原因で双子の弟を亡くした照美。友人の祖父の昔語りでバーンズ屋敷の大鏡の向こうに「裏庭」があると知り、次第に足が向いていく。大鏡の前で聞こえた「フーアーユー?」という言葉。それに答えたとき、照美の前に「裏庭」への扉が開かれる。
第1回日本ファンタジー大賞受賞作。この作品が余りにも素晴らしすぎたためか、この後この賞で大賞はなかなか出なくなる(笑)。
自己再生癒し系ファンタジー。荻原規子の「これは王国のかぎ」もそんな風に言われますが、とにかくコンタクトレンズが外れるが如く目から鱗のファンタジー。
同じ作者の「西の魔女が死んだ」小学館もお勧め。

まうんてんばいぬ1〜2 
ながた のぶやす 作  自由国民社 (単行本)
 絵本

小振りな絵本です。「どうぶつ」と「どうぐ」がくっついた「どうぐつ」たちのお話。数種類のどうぐつの掌編集。
とにかく色が綺麗です。基本的にみんな正面むいていますし。絵本ですので、絵が主体。男の子にもウケは良いようです。ちなみに「まうんてんばいく」と「いぬ」がくっついて「まうてんばいぬ」です。読んでほっこり幸せになれる絵本です。

双姫湖のコッポたち 
松原由美子 作 広瀬 弦 絵 小峰出版(単行本) ファンタジー

青姫湖に住むコッポのキーノは仲間と違い、毛が銀色がかっている。すでに亡くなった父親に似たらしいのだが、父親はどこからきたのか解らないコッポだった。唯一の手がかりは恐れて誰も近づかない「まものの木」。祭りの後、キーノは母親に黙って一人で旅に出るのだった。
広瀬弦のイラストが可愛い・・・。最後にはちゃんとお母さんにぎゅうぎゅう抱きしめてもらえるキーノなのです。

アレクサンダとぜんまいねずみ ともだちを みつけた ねずみの はなし
レオ・レオニ 谷川俊太郎 訳 好学社 (ハードカバー)絵本

ねずみのアレクサンダはぜんまいねずみのウィリーと友達になる。ウィリーの生活にあこがれるアレクサンダはウィリーの話で聞いた「いきものを ほかの いきものに かえることの できる、まほうの とかげ」を探しに行く。「つきが まんまるの とき、むらさきの こいしを もって おいで。」そして満月の夜、アレクサンダがトカゲに頼んだ願いとは? 
過去に教科書にも載っていた作品です。レオ・レオニはグラフィックデザイナーとしても有名。絵本もグラフィックの技術を行使して作られています。美しいトカゲや砂利のマーブリング。キャラクターのコラージュ。小学校一年生の時、授業よりトカゲに目を奪われていたのは私です・・・。

崖(がい)の国物語1 深森をこえて
崖(がい)の国物語2 嵐を追う者たち
崖(がい)の国物語3 神聖都市の夜明け
ポール・スチュワート 作 クリス・リデル 絵 唐沢 則幸 訳
 ポプラ社(単行本) ファンタジー

ウッドトロルに育てられた少年トウィッグ。「道をはずれて」しまうトウィッグはウッドトロル族から浮き始め、ついに自分の本当の居場所探しの旅に出ることに・・・。
浮島をあつかった作品は数あれど、浮島が出来る過程を書いた作品はなかったはず。スチュワートの文にリデルの緻密な絵が合わさって効果は絶大です。
ルイス・キャロルとトールキンが引き合いに出されていますが、キャラクターの頑固っぷりはトールキンかも・・・。見開きの崖の国のイラストは壮観です。
これから古典ファンタジーに名を連ねるであろう作品。

レッドウォール伝説 勇者の剣
レッドウォール伝説2 モスフラワーの森

ブライアン・ジェイクス作 ゲリー・チョーク挿絵 西郷容子 訳  徳間書店
 (単行本)ファンタジー

平和に暮らしていたレッドウォール修道院に凶悪なドブネズミ<鞭のクルーニー>が襲撃してきた。修道院を救うためには勇者マーティンの伝説の剣が必要だ。マーティンにあこがれる若き修道士マサイアスは剣の在処をみつけるため、謎を解き明かしていくのだが・・・。
部分的にミステリのような・・・。アナグラムとかあって。
なんでドブネズミの襲撃を恐れるんだ?と思わないように。このお話の登場人物はその90%(といっていいでしょう)ネズミです。そう、修道士はネズミなのです。その他リス・ハリネズミ・モグラ・カワウソが仲間になり戦います。人間は出てきません。格好いいんですよ・・・ネズミが(笑)。
ネズミの冒険といえばアニメにもなった「ガンバシリーズ」が有名ですが、最近まで作者が日本人だと知りませんでした・・・(斎藤 惇夫 作  岩波書店)。

はいけい女王様、弟を助けてください
モーリス・グライツマン 作 唐沢 則幸 訳 横山ふさ子 訳 徳間書店(単行本)

弟ルークの病気が悪化し、コリンはイギリスの叔父のところに預けられることになる。
いとこのアリステアにかまいすぎる叔母、いつもいらいらしている叔父、母親のいいなりのアリステア。コリンは弟の病気を救うべく、女王に会おうとするがことごとく失敗する。コリンは女王に手紙を書く「はいけい女王様・・・」。
弟のために行動するコリンの一途さに胸が詰まります。名医と呼ばれる人を探しに行った病院でエイズの恋人を持つテッドと出会い友達になり、彼の手助けをしたり。コリンの素晴らしいところは人に偏見を持たないところ。やれることをするのがコリンなのです。そして、テッドと恋人のグリフに出会ったことで、コリンは自分が今すべきことに気が付くのです。
何度読んでも、最後の1頁で涙が出てくる本です。

ダレン・シャン1 奇怪なサーカス
ダレン・シャン2 若きバンパイア
ダレン・シャン3 バンパイア・クリスマス
ダレン・シャン4 バンパイア・マウンテン
ダレン・シャン5 バンパイアの試練
ダレン・シャン6 バンパイアの運命

ダレン・シャン 橋本 恵 訳 小学館
 (単行本)ホラーファンタジー

断り入れてなきゃ、文句出そうな本だなあと思ったり(笑)。勇気ありますよ・・・。
なにしろ、これ、乱暴だわ嘘は付くわ人の物ぱちくるわ(勿論その代償は払うことになる)なかなかハードなのです。話が動き出すのが、身体に特徴のある人を見せ物にするサーカスだしね・・・・・・。
一応吸血鬼ものなんですが、きちんと吸血鬼の特徴が書かれています。
ツケはでかいんだぜベイベー、なお話。さて続編はどうなることやら。

シルク・ド・フリークでショーをしていたバンパイア、クレプスリーから盗んだ蜘蛛が元凶で、ハーフバンパイアとなりクレプスリーのアシスタントになったダレン少年。4巻〜6巻は一連の話になっており(1〜3巻は読みきり型)、バンパイア達の総会があるVAMPIRE MOUNTAINへ向かいます。4巻以降はより重たい話になっていくようですが、4巻前半はそこそこ明るく話は進みます。5巻以降になると、もう前巻までがなんて平和だったのかしらと遠くを見詰めたくなったり。
7巻ではプリンスとしての仕事を始めたダレン。クレプスリーを補佐にプリンス修行。ハーキャットはシーバのお手伝いをしているようです。 ダレンが少し成長した模様で、実年齢幾つになったのかなと。20代半ばにはなってますね。外見15・6歳位のようですが。リトル・ピープル(一人だから英語表記の時はリトル・パーソン)ハーキャットとの友情は健在のようです。

原書は薄く、各章が6頁前後しかありません。初めて読む英語の本(これはイギリス英語)には良いと思います。解らない単語を引く辞書があれば(無くてもそれなりに)、内容把握は十分可能です。
原作者のHPに行くと、書き下ろし短編が読めるとのこと。ガブナーの短編は泣けるらしいよ・・・。
どんな事件・冒険が起きるのか、先の読めない本ほど面白いものはないですね。
(BOOK7 HUNTERS OF THE DUSK)
ルイスと魔法使い協会
<1 壁の中の時計><2 闇にひそむ影><3 魔法の指輪><4 鏡の中の幽霊>
<5 魔女狩り人の復讐>
ジョン・ベレアーズ作 三辺 律子 訳 アーティスト・ハウス(単行本) 
ゴシック・ファンタジー

”ハリー・ポッターの原点”と話題騒然の新シリーズ!っていう腰帯がついてたんですが(笑)。
両親を事故でなくしたルイスは、叔父のジョナサンと住むためにハイ・ストリート100番地に引っ越してきた。ジョナサンも、お隣さんでジョナサンの親友のツィマーマン夫人も良い人で、暖炉がある自室もとても素敵だった。しかし、ジョナサンは時計の音におびえているようで、しかも、真夜中に屋敷中を回ることがある。気になったルイスはジョナサンの後をつけ(すぐにばれた)、ハイ・ストリート100番地の壁の中に時計があること、この建物の前の持ち主は魔法使いアイザック・アイザードだったことを教えてもらうのだが・・・・・・。
書かれたのが30年以上前だとは思えない新鮮さ。素晴らしいものはやはり、残るんですね。
十三階の海賊たち 
シド・フライシュマン 作 谷口 由美子 訳 偕成社(単行本) 
ファンタジー

フライシュマン親子の話は好きですね(息子はポール・フライシュマン)。
両親が死んで弁護士の姉リズと二人暮らしのバディ・ステビンズ(ぼく)。先祖は海賊だったりする。昔から伝わる霊と交信できるというメガホンで叫んだあと、留守番電話にアビゲイル・パーソンズと名乗る少女からメッセージが入っていた。ザカリー・ビルの13階に来て自分を助けて欲しいと言うのだ。しかし、現実のザカリー・ビルには13階なんて存在しない。次の日リズはステビンズ一族の死亡記録を調べて出掛けた後行方不明になる。バディはリズの後を追って、ザカリー・ビルに向かうが・・・
・・・。
魔法使いの卵 
ダイアナ・ヘンドリー 作 田中薫子 訳 佐竹美保 絵 徳間書店 (単行本)
ファンタジー

なににつけても(おやつはカー●、ではなく)、佐竹美保さんの絵は素晴らしい。
薄っぺらい本だけど、内容はなかなか濃い。
父親は魔法使い、母親は占星術師。そして魔法使いの卵で、現在修行中のスカリーは、学校の授業の成績が落ちてきた。
そのため「お守り」を付けられることに。お守りの女性は紅い髪がちりちりでミスカートの、モニカ。
彼女がいるため、学校では魔法の練習が出来ない!魔法使いに認められるための試験も近いのに!そんなとき、父親の時計店にアヤシイ老人が現れて・・・・・・。
龍使いのキアス
浜たかや 著 佐竹美保 絵 偕成社(単行本) 
ファンタジー

巫女見習いが行う「呼び出し」の儀式で、何物にも「呼び出されなかった」キアス。
モールの神殿を出て、300年前の先輩巫女マシアンを探す旅に出るのだが、そのうち
自らの出生の秘密をも追うことになる・・・・・・。
これも分厚いですね。
キアスという巫女見習いの少女の約1年間のお話。濃い。ホントに1年間か!?ってくらいに濃い。でも、読了後充実感のある一冊です。
怪盗クロネコ団あらわる!
怪盗クロネコ団のあまい罠

岡田貴久子 作 スズキコージ 絵
 理論社(単行本) ファンタジー

活字が大きくて、あっと言う間に読めます。しかし、意外な面白さ。
トランプの婆抜きとそろばんが得意な青年が、クロネコ団に協力(騙されて)して、ジャックの豆や、ヴィーナスのピアスを手に入れる(手に入れ掛ける、というか)。おいしいところは、クロネコ団がすべて持って行ってしまうのだけれど、駆け引きのドキドキなんかは素晴らしい。
子供向けなのだと思うのだけれども。青年の悔しがり方は大人の悔しがり方かも・・・。大人も楽しめる童話です。
にだんベッドそらをとぶ
シュシナーナとサバリコビレ

小林裕児・絵 松居友・文  ベネッセ (ハードカバー)
ファンタジー絵本

名前がね、凄い。シュシナーナもサバリコビレもそうだけど、チビッチャレとかヌカッピラとかプルチリパとかナリシムシムシとかパリポリパとかシナポリピとかライアのトリプルピとかチリチリドゥーとかいるんだよ。一度じゃ覚えらんないよ・・・・・・。
シュシナーナはでんきそーじきで空を飛ぶ。それをサバリコビレに取られちゃった話が、「シュシナーナとサバリコビレ」。ライアのトリプリピがプルチリパをチャーチャカンから取り返す話が「にだんベッドそらをとぶ」。どっちもラヴストーリーなんじゃあ?って話です。両方仲間で力を合わせて取り戻す話。う〜ん友情だ。
独特の絵と独特の文章。直接読まねば何とも言えない(笑)。
そういう激しさがあるね・・・この絵本。
ぐりとぐらとすみれちゃん
中川李枝子・文 山脇百合子・絵
 こどものとも  福音館書店 絵本

おなじみの「ぐりとぐら」シリーズ。
初めて人間の女の子が出た話。・・・サンタクロースは人間じゃないの?それとも、女の子は別物なのかな?すみれちゃんが持ってきたカボチャはマサカリカボチャだったんでしょうか・・・。ねえ?

おいしそうなカボチャが出てきます。そして、ぐりとぐらと仲間たちは温かいのです。
空中の城1 魔法使いハウルと火の悪魔
空中の城2 アブダラと空飛ぶ絨毯

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 作 西村醇子 訳 佐竹美保 絵 徳間書店 (単行本)ファンタジー

帽子屋の17歳の長女ソフィーは父の亡き後、帽子を作るだけの毎日を送っていたが、ある日、店
にやってきた荒地の魔女に突然呪いをかけられ老婆になってしまう。ソフィーが自分でも知らないう
ちに帽子に魔法をかけていたと言うのだ。
老婆の姿では店にいられない。ソフィーは妹たちにも黙ったまま、家を出る。そして、疲れきった頃、
最近町をにぎわせていた魔法使いハウルの空中の城に遭遇する・・・・・・。
ヒロインが話の80%位の間老婆になっていていいのでしょうか(笑)。引っ込み思案の少女は老婆
になったとたん大胆な性格になってしまいます。強気になったソフィーは城を動かす原動力&ハウ
ルに魔力を提供している火の悪魔カルシファーの頭の上にフライパンすらのっけてしまうのです。
スタジオジブリが映画化を予定している作品です。・・・余りアレンジしないでね・・・。
魔法使いはだれだ<大魔法使いクレストマンシー>野口絵美 訳
クリストファーの魔法の旅<大魔法使いクレストマンシー>田中薫子 訳
魔女と暮らせば<大魔法使いクレストマンシー>田中薫子 訳
トニーノの歌う魔法<大魔法使いクレストマンシー>野口絵美 訳
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 作  佐竹美保 絵 徳間書店(単行本) ファンタジー

「このクラスに魔法使いがいる」こんなメモが見つかって、クラスの中で魔法使い探しが始まる中、
魔法を使ったと思われる事件が続き、ついに審問官が学校に来る事に。魔法使いだとバレてしま
えば火あぶりになってしまう。危険を感じた子どもたちは古くから伝わる助けを呼ぶ呪文を口にする。
「クレストマンシー!」と。
「魔女集会通り26番地」がクレストマンシーシリーズだったなんて知らなかった・・・。偕成社から出て
いましたが、現在絶版です。クレストマンシーシリーズは「魔女集会通り26番地(タイトルは「魔女と
暮らせば」に変わります)」も含めて全4冊。
クレストマンシーが登場する短編集も邦訳予定とか(「Mixed Magics」)。
レイチェルと滅びの呪文
レイチェルと魔法の匂い

クリフ・マクニッシュ作 金原 瑞人 訳 理論社 (単行本) ファンタジー

邪悪な魔女ドラグウェナが支配する暗黒の地イスレア。降る雪さえも黒いこの星にさらわれてきた
少女レイチェルと弟エリック。ここではあらゆるものに呪文が掛けられていた。
魔女の呪文で小人姿で奴隷にされているモルペス達は、レイチェルを「希望の子」と呼ぶが・・・・・・。
本をめくり始めてものの数分で、レイチェル達はイスレアへGO!ぽんぽんと話は進み一気に読んで
しまいます。というか、気になってやめられない・・・・・・。
童話物語
向山 貴彦 作 宮山 香里 絵 幻冬舎 (単行本・文庫) ファンタジー

貧しい村トリニティーに住む、孤児のペチカは村人にいじめられながらも懸命に生きていた。僅かな
食事を得るため、守頭にいびられながら仕事をする毎日。ある日仕事仲間のルージャンの意地悪
で仕事に遅刻したペチカは、教会の釣り鐘塔の掃除を言いつけられる。やっとのことで高い釣り鐘
塔の天辺にたどり着いたペチカの目の前に妖精が現れ、それを機にペチカの生活は波乱に満ちた
ものになっていく・・・・・・。
現在単行本と文庫があり、文庫のほうは上・下巻に分かれています。この物語自体が「大きなお話の
始まり」と「大きなお話の終わり」という二つのくくりになっているので、丁度そこで半分こ。
有名なんだけれど、意外と知られていないかもしれない物凄い本。
どのあたりが物凄いのかというと、内容も凄いけど、装丁も凄い。これでもかというくらい手が入って
いる。これ、ホントに商業本なのかしらとはじめ思ったくらい。自費出版本かと思うほど。
なにしろ、カラーでお話世界の地図があり、カラーで挿絵が何枚も入っていて、章や行の区切りには
モノクロでイラストがふんだんに入っている。世界観も物凄い。貨幣制度・時間制度・距離制度がしっ
かり決まっている。地方の食生活についてもきちんと設定がある。素晴らしい。
これはもう、誰かに贈りたくなってしまう一冊。
ナルニア国ものがたり 全7巻 
<ライオンと魔女><カスピアン王子のつのぶえ><朝びらき丸 東の海へ><銀のイス>
<馬と少年><魔術師のおい><さいごの戦い>

C・S・ルイス 作 瀬田 貞二 訳 岩波書店 (単行本・文庫) ファンタジー

三大古典ファンタジーの一つ(他の二つは「指輪物語」「ゲド戦記」)。
ナルニアという国の始まりから終わりまでを書いた物語。とりあえず、出版された順番に読んでいく
方がいいかな、と思うのですが、お話の年代はばらばらです。
「こちら」にいる少年少女が(殆どはペベンシー兄姉弟妹)、ナルニアに呼ばれライオンのアスランと
共に問題を解決します。アスランが「誰」であるのかは、読んですぐに気が付くでしょう。
とにかく素晴らしい構成力に脱帽。
「衣装ダンスから別世界へ行く話」と言われたら、これのこと。ナルニアに行けるのに年齢制限(?)
があるのはどことなく「デジモン」のような・・・・・・。
こそあどの森の物語
<ふしぎな木の実の料理法><まよなかの魔女の秘密><森のなかの海賊船>
<ユメミザクラの木の下で><ミュージカルスパイス><はじまりの樹の神話>

岡田 淳 理論社 (単行本) ファンタジー

個性的な、こそあどの森の住人たちのお話。ウニマルという船の形の家に住む少年スキッパーを中
心に話は動きます。無口で人付き合いの苦手だったスキッパーが、おせっかいな住人たちと、頁ご
と一冊ごと成長していきます。隠れた複線に最新刊が出るのが楽しみなシリーズ。
この作者の作品は独創性が高いです。そして、このシリーズは珍しく学校が関係しないお話かも。
さよならワルガキング
笹生 陽子 作 じびき なおこ 絵 汐文社 (単行本)今時小学生ライフ

今時の男の子と片付けられない話かも。
親のサイフに手を付けたことで、塾に入れられた和哉(おれ)。ワルにあこがれる和哉になついた
橋本少年は少し浮世離れていて、和哉は混乱するのだが・・・・・・。
人間痛い目見ないと解らない事もある、のような。痛い目見て目が覚めた君は中々素敵だ。
ちなみにワルガキングはトレカ(トレーディングカード)らしいです。流行りものネタですねえ。
(そのうちチョコエッグネタもでるのかな・・・・・・)
マジック・ツリーハウス
1恐竜の谷の大冒険(黒い馬の騎士)><2女王フュテピの謎(海賊の秘宝を探せ)>
3アマゾン大脱出(闇に消えた忍者)><4マンモスとなぞの原始人(月の世界へ!)>
メアリー・ポープ・オズボーン 作 食野 雅子 訳 メディアファクトリー (ソフトカバー)
冒険ファンタジー

森の中で見つけたツリーハウスは魔法のツリーハウスだった!ツリーハウスの中にある本を見てい
るうちに、本の世界にいってしまうのだ。ツリーハウスの持ち主が見つからないまま、ジャックとアニー
は大冒険をすることに・・・・・・。
原書では一話で一冊のところ、邦訳では二話で一冊です。イラストも綺麗でかわいらしく、お話は夢
と大冒険と知識にあふれています。短いのにものすごく得した気分の本。面白いです。
発売された各国で人気なのが解ります。男の子にも女の子にもお勧め。
全ての漢字にふりがな付き。ひらがなとカタカナが読めれば一人で読みきれる本です。
続巻予定。
メルティの冒険 遥かなるアーランド伝説
吉村 夜 作 佐竹美保 絵 ポプラ社 (単行本) ファンタジー

「豪腕」メルティ・「夢追い人」エイシュラ・「剣神」ゼルハルト・盲目の魔女ウィヴィナスが願いを叶えて
くれるという「願いの泉」を求めて、伝説の地アーランドを目指す冒険物語。
一瞬邦訳された話なのかと思った本。名前の付け方もだけれど、文体が語り口調で書かれている
所が。それぞれがコンプレックスを乗り越える内容なのだけれど、友情あり、恋愛あり、ホラーあり、
色々な要素が含まれていたりする。本の装丁も面白いかも。

魔剣伝説 三部作
<魔剣伝説><魔女復活><魔法城塞>

P・フィッシャー 林田 康一 訳 社会思想社 現代教養文庫 ファンタジー

<闇の王>がおさめる国ペスタンにある、冬の山モン・ケスの洞窟で老師ローンのもと暮らしてい
た六人の孤児。ローンの死後、彼らは洞窟の中で偶然ソドリスという<剣>を見つけるのだが・・・。
ファンタジー三部作。ゴブリンが出てくるので、トールキンの影響ありですかね。

某高校の図書館に一冊目だけあったという代物。この文庫殆どの本屋に置いていません(道内は)。
本に挿入されている広告がファンタジーばりばりのテーブルトークマニュアルだったりするので、結構
マニア向けだったりするんでしょうか(テーブルトークというのはRPGをテーブル上で(会話などで)やる
ゲームのこと。今のカードゲームにも近いかもしれません)
。でも、絶版ではないので、本屋さんで注
文すると入手可能です。
エンディングは賛否両論かもしれませんが、読了後は充実しています。
ちなみに、ソドリスは<剣の霊>なので、喋ります。べらべらと。こちらの喋る剣を先に知っていたの
で、「テイルズ・オブ・デスティニー(PS・RPG)」でディムロスが喋ると知っても驚かなかったです・・・。

ユタとふしぎな仲間たち
三浦 哲郎 新潮文庫 (文庫) 座敷わらし物

舞台化もされていますね。
なぜこれが目立たない文庫形式なのだろうと思ったりします。薄っぺらいし。
東京から湯ノ花村に引っ越してきた勇太少年と九人の座敷わらしのお話。登場人物がいきいきして
いるんです、これ。背景がしっかりしているからなのかなと思いますが。「座敷わらしは●●なんだよ」
と書いてあるお話。「遠野物語」には女児の座敷わらしもでてくるけれど、こちらは男児のみ。ちょっと
おじさんくさい座敷わらしだったりします。なにしろユタ(勇太)より年上だから。

解説を今江祥智氏が書いています。

コーンウォールの聖杯
スーザン・クーパー 武内 孝夫 訳  学研 (単行本)ファンタジー

幻の邦訳本として噂だった、スーザン・クーパーの初期作品が復刊。
サイモン・ジェイン・バーニィの三人は両親と共に夏休みをすごすためコーンウォールを訪れた。
メリイ小父さんが借りていた家を探検するうちに、三人は地図つきの古文書を発見する。それには
アーサー王伝説に登場する聖杯のありかが記されていた。三人はメリイ小父さんの助けを得ながら
隠された聖杯を探していく・・・・・・。その場所は「海の上 岩の下」!
青空のむこう
アレックス・シアラー 金原 瑞人 訳 求龍堂 (単行本) 

ハリーは交通事故で死んでしまった!ところが「やり残したこと」が気になって<彼方の青い世界>
になんてパンフレットをもらったところで行けっこない。150年前に熱病で死んだものの、先に死んだ
母親を探して<彼方の青い世界>へ行かずにいる先輩幽霊アーサーの導きで、ハリーは<下の世
界>に降りるのだが・・・・・・。
死んだ少年が、生きている人に向かって語りかけている形式のお話。
姉エギーとの最後の口喧嘩を後悔し謝るため、ハリー少年は下の世界へ戻ります。簡潔な文でまと
められたラストに少しホロリ。
どろぼうの神さま
コルネーリア・フンケ 細井 直子 訳 WAVE出版 (単行本) ファンタジー

母親が死に、弟だけを引き取ろうとする伯母夫婦から、弟ボーを連れてベネツィアに逃げてきたプロ
スパーは、困っているところをヴェスペたち家出子に出会い寝食を共にすることに。子供たちだけの
生活。だが、彼らには「どろぼうの神さま」を名乗るスキピオがついていた。
・・・・・・メリーゴーラウンドが出てくるんですが。これが物凄くレイ・ブラッドベリの「何かが道をやってく
る」の回転木馬とイメージが近くて。ちょっと驚きです。それにしてもメリーゴーラウンドには何かを感じ
させるモノがあるんでしょうか・・・・・・。
声が聞こえたで始まる七つのミステリー
小森 香折  アリス館 (ソフトカバー) ミステリー・ファンタジー

本当にタイトル通りの短編集。少し不思議なお話たち。
この人も江國香織さんと同じ毎日新聞小さな童話大賞受賞者(江國さんの時は名称が違うけれど)。
しかも第12回、第14回と二度受賞(第12回の時はもう一人受賞者がいた)。とても根気強くこの賞
に挑戦された方です。
童話・掌編・短編を書かれていて数冊出版されています(「きょうりゅうサイダー」「水の扉」など)。
あと童話翻訳も(「色の女王」など)。
丁寧に書かれた印象を受ける作品群です。邦訳された「色の女王」は色の三原色を扱ったもの。
レオ・レオニは二原色でしたね(「あおくんときいろちゃん」)。色の三原色は赤・青・黄色。ちなみに光
の三原色が赤・青・緑ですね(色彩学ですね・・・)。
私個人としては、第14回受賞作の「トーマスの別宅」(凄いタイトルです!)が入った掌編・短編集が
出版されないかと思っています(まだ出ていないと思う)。タイトルと同じく中身も凄いのです、深いの
です。
ところで、この方以前は「橋本香折」名義でした。本の検索をするときは両方の名前でしないと検索漏
れする恐れあり。ご注意を。読んで損なしの作家の一人です。
アルテミス・ファウル 妖精の身代金
オーエン・コルファー 大久保 寛 訳 角川書店 ファンタジー

伝説的な犯罪一家に生まれたアルテミス・ファウル二世は12歳の天才少年。
父親の行方不明をきっかけに寝たきりになってしまった母親と、召使のバトラー、バトラーの妹ジュリ
エットと共に暮らしている。
コンピュータを使い「妖精の書」を探し出し手に入れ、解読したアルテミスは家運を挽回するため、妖
精の黄金を手に入れようと考える。その方法とは・・・・・・。
「悪のハリー・ポッター」などと言われたりする作品のようですが、「世にも不幸なできごと」や「ダレン・
シャン」も少し感じさせるような、させないような。
とは言え、先入観は捨てて読まれるほうが良いです。「妖精」とあるものの、フワフワしたイメージを
持っていると、痛い目を見るかもしれません。
ところでページの両脇にある妖精文字は訳せるんですよねー?「秘密のメッセージ」ってコレの事を
さすんでしょうか・・・・・・(日本語は50音だから、足りない分作ったんでしょうかね。原書確認まだな
のですが)。
原書2冊目「ARTEMIS FOWL:THE ARCTIC INCIDENT」も発売中。3部作予定の模様。
2003年には映画化されるそうです。
追伸:表紙&頁脇の妖精文字解読しました。全頁の5分の3で全文終わり。あとはエンドレスです。
結構長い予言ですが、作者の名前はすぐに解るのでやってみましょう(笑)。全文解読すれば、2巻
以降の予告(予言)を知ることができます。・・・・・・しかし、そういう職業有りですか・・・・・・?(笑)。 
あらしのよるに
あるはれたひに
くものきれまに
きりのなかで
どしゃぶりのひに
ふぶきのあした

木村 裕一 作  あべ 弘士 絵  講談社  解釈色々狼とヤギ

嵐の中で非難した小屋で偶然に出会った、狼のガブとヤギのメイ。お互い真っ暗闇の中で目も利か
ず、鼻風邪で鼻も利かない。二匹はお互いが何者か解らないまま、友情を深めていく。
「ごちそうだけどおともだち」の関係の二匹。仲間には決して言えない「秘密の友達」になるのだけ
れど・・・・・・。
8年かけて完結したシリーズ。二匹の友情と、それぞれの仲間たちの感情が比例しないのが悲しい
ところ。
作者はガブもメイも男の子のつもりで書いていたようですが、読者の解釈は様々で、恋愛ものと受け
取る人達もいるようです(日本語は英語ほど頻繁に代名詞出てこないですからね〜)。
〜です・ます調のメイと、〜っす調のガブ。正直こういう絵本・童話で「〜っす」と喋る登場人物は珍し
いかもしれません(笑)。お互いの友情を守るのに一生懸命な二匹が愛しくなります。
ぼくの・稲荷山戦記
夜の神話
水の伝説

たつみや 章 講談社  (単行本)ファンタジー

シリーズ三部作。登場人物はすべて違いますが、テーマは同じ。
それぞれが大切なもののために、少年達が「戦い」ます。
大人たちが壊していったものを壊していこうとするものを、守るために。
一度は読んで考えてみてほしい、三部作です。
・・・・・・しかしこの作者は作風の幅が広いですね(笑)。他にもシリーズものを書いておられます。
ホウ博士とロボットのいる町
松村 美樹子 作  江川 智穂 絵 ポプラ社 (単行本) ファンタジー

小さな町のかたすみで、一人いつも研究に明け暮れているホウ博士。町の人たちと殆ど付き合いも
せず。ホウ博士は研究を盗まれることを恐れて「どろぼうよけロボット」を作るが、ある日ロボットに傘
を差し掛ける女の人メイさんに出会ってから、ホウ博士のかたくなな心は少しずつ変わっていく。
ホウ博士の作るロボットたちは、とにかく一生懸命働くため、色々とトラブルを引き起こします。
しかし、博士に愛されていると思う(笑)。博士もロボットたちに愛されています。
少しホロリとして、あたたかいお話です。
デルトラ・クエスト
<1沈黙の森><2嘆きの湖><3ネズミの街><4うごめく砂>
エミリー・ロッダ 岡田 好惠 訳 岩崎書店  (ソフトカバー) ファンタジー

王族は山のような掟を忠実に守っているデルトラ王国で、王子の親友として暮らしていたジャード。
王と王妃が次々と死に親友エンドン王子が王位を継承する儀式の最中、ジャードは「影の大王」を
退けるという、七つの宝石の付くベルトを王が即位式の時以外身に付けないことに疑問を抱く。
図書館で「デルトラの書」を読んだジャードは自分の考えに確信を持つが、主席顧問官プランディン
の策略により城から脱出することになる。エンドンとの秘密の隠れ家に暗号を残して・・・・・・。

実際に旅に出るのは、ジャードの息子のリーフです。秘宝のベルトから盗まれた七つの宝石を捜し
出し、次の世継ぎに渡すために。
全8巻。2冊ずつ2ヶ月ごとに出版予定。表紙は既に出来ているようです。まるで洋書ペーパーバッグ
風の格好良さ。ハードカバーではない分価格も低めに設定されていて良心的。1冊800円です
(ハードカバーだと倍近くはしますから)。
贈り物にしても美しい本です。海外では男の子にも人気だそうです。冒険だ!
エミリー・ロッダは「リンの谷のローワン」シリーズの作者です。
2002年12月<5恐怖の山><6魔物の洞窟>
2003年2月<7いましめの谷><8帰還>と出版予定。
盗まれた記憶の博物館(上)
ラルフ・イーザウ 酒寄進一 訳 佐竹美保 絵 (単行本)ファンタジー
サブリエル(単行本)