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「想像力は知識よりずっと重要なのです。」アインシュタイン
〜奇跡の言葉〜 鏡リュウジ 学習研究社


BOOKs(児童書・ファンタジー)海外作家編
幾つになっても読んで楽しいものです。子どもだけに読ませておくにはもったいない。
(順不同。どの場所に何があるかはスクロールしてのお楽しみということで。)
青文字は参考のためのジャンル分けです。内容についてはこの限りではありません。

ハリー・ポッターと賢者の石
ハリー・ポッターと秘密の部屋
ハリーポッターとアズカバンの囚人
ハリー・ポッターと炎のゴブレット(上・下)
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(上・下)
ハリー・ポッターと謎のプリンス(上・下)
ハリー・ポッターと死の秘宝(上・下)
(全7巻)
J・K・ローリング 作 松岡 佑子 訳 静山社 (単行本)魔法使いファンタジー

もはや有名になったハリー・ポッターですね。
叔父家族に虐げられながら育ったハリーに、ホグワーツ魔法魔術学校から手紙が届きます。自分が魔法使いだと知らされたハリーはホグワーツに行き、ロンとハーマイオニーという親友に出会い、そして宿命の「名前を言ってはいけないあの人」との戦いを乗り越えながら成長していきます。
1巻で1年間のお話になっています。最終巻は辞典の厚さという話も・・・・・・。今で充分広辞苑なみですけどね・・・。

邦訳第5巻発売されました。表紙に犬シリウスが!
プリベット通りは猛暑で、邪魔者扱いされがちなハリーも涼しい場所を探しています。しかし、相変わらずガリガリだし、服は色褪せてだぶだぶなシャツに破れて汚れたGパン、しかも運動靴は底がはがれかけている!な、なんかハリー、君すさんでないかい?
煮え切らない手紙をよこすロンとハーマイオニーに怒って、誕生日プレゼントのチョコレート2箱を未開封で捨てる事無いじゃん。そしてすぐに後悔する羽目になるんだけど(笑)。
3章でルーピン先生が(もう「先生」じゃない筈だけど、ハリーは「Professor Lupin」って呼ぶ)、意外な人達と一緒に登場。相変わらず気さくな方ですね・・・。いや本当に、どこまでも冷静だよこの人(そんな人がジェームズとシリウスの元祖悪がきコンビと友達だったっていうのが感慨深い・・・)。
4章でシリウス登場。激しい登場の仕方だ・・・。っていうかその言葉遣いの荒さはなんだ(笑)。しかも誰に向かって言っているんですか、アンタは(直訳(俗訳)するとクソババア)。
どうにもたまにハリーって名付け親に似ているんじゃないかと思うときがあるよ。気の短さとか。
8章の魔法省での審問場面で解るんですが、ハリーのフルネームは、「Harry James Potter」なんですよね。シリウスがファーストネーム付けていなかったら「Jr」?

原書裏表紙に書かれた抜書きで、ダンブルドア校長が意味深長なことを言っています。
それって一体何なのさ!余りにも本が厚くて、説明になっているんだか解らない(笑)。でも興味は増すよダンブルドア校長。
しかし、今までで一番ヘヴィーなお話なのは間違いない気がします・・・。

「Harry Potter and the Deathly Hallows」最終巻、ついに登場。ぱらぱらっと覗いたら、なんか……なんか「何故あなたがココに!?」という登場人物がいらっしゃいました。途中からだと全然内容が見えません。大どんでん返しが待っていそうな最終巻です。

寄付のためにローリングが製作した手書きの本(第7巻に登場する)「The Tales of Beedle the Bard」が12月に発売になりますね。アマゾン限定で豪華本のレプリカもあったり。内容のダイジェストはアマゾンのホームページで読むことが出来ます。
邦訳版「吟遊詩人ビードルの物語」は12月12日に発売決定のようです。
空白
幻の動物とその生息地 ニュート・スキャマンダー著
クィディッチ今昔 ケニルワージー・ウィスプ著

静山社 (ソフトカバー)魔法使いファンタジー

名前は違えども、ハリー・ポッターの作者、J・K・ローリングが書いた、ハリー・ポッター世界の幻獣・及び人気競技クィディッチの本。これを読めば、あなたはますますポタリアン。ちなみにこの本はボランティア本で、著者の印税はコミック・リリーフに寄付されます。
空白
ネシャン・サーガ1 ヨナタンと伝説の杖
ネシャン・サーガ2 第七代裁き司の謎

ネシャン・サーガ3 裁き司最後の戦い
ラルフ・イーザウ 作 酒寄進一 訳 佐竹美保 絵(単行本)ファンタジー

14歳の少年ヨナタンは野原で穴に落ちたとき、不思議な力を持った杖ハシェベトを手に入れる。養父で賢者でもあるナヴランは、ヨナタンが選ばれしイェーヴォーの使者としてハシェベトを英知の庭にいる第六代裁き司ゴエルに届けなければならないと告げる。同じ頃、別の世界では14歳の少年ジョナサンがヨナタンの夢を見ていた。リアルな夢は次第にジョナサンの生活の大部分を占めていく。
ヨナタンはハシェベトを英知の庭に届けることが出来るのか、第七代裁き司は誰なのか。壮大な世界観で描かれるファンタジーです。全3巻。
文庫も発売開始。全9巻。
ところで、ハシェベトの柄頭に有る四つの顔(人・獅子・牛・鷲)には意味があることを、最近「幻獣辞典」(ホルヘ・ルイス・ボルヘス マルガリータ・ゲレロ 柳瀬尚紀 訳 晶文社)を読み返して改めて知りました。気になる方はこの本の「ハニエル、カフジエル、アズリエル、アニエル」の項をご覧下さい。
空白
おやすみなさいトムさん
ミシェル・マゴリアン 作 中村妙子 訳 評論社 (単行本)癒しファンタジー

これは戦争児童文学と類されるものらしい。この本は読んで損なしです。泣けます。舞台は第二次世界大戦中のイギリス。老人トムの元にやせこけた少年ウィリアムが疎開します。母親からの虐待の影響で全てのものに怯えるウィリアムをトムと村の住人は暖かくいやしていきます。友人との出会いと別れ、ウィリアムに対するトムの不器用な愛情。優しく悲しく愛おしくなる一冊です。
空白
ローワンと魔法の地図 リンの谷のローワン1
ローワンと黄金の谷の謎 
リンの谷のローワン2
ローワンと伝説の水晶 
リンの谷のローワン3
ローワンとゼバックの黒い影 リンの谷のローワン4
ローワンと白い魔物 リンの谷のローワン5
エミリー・ロッダ 作 さくまゆみこ 訳 佐竹 美保 絵(単行本)成長ファンタジー

リンの村を流れる川の水が枯れ始め、バクシャー係りで気の弱いローワン少年を含めた、7人は老女シバの魔法の地図を手に、竜が住む魔の山へ向かうが、魔法の地図に書かれる予言の通りに仲間が一人ずつ抜けていく・・・・・・。「本当の勇気」を問われる作品。
空白

不思議を売る男
ジェラルディン・マコーリアン 作 金原瑞人 訳 佐竹美保 絵 偕成社 (単行本)古道具屋ファンタジー

一つ一つの話にテーマがある、オムニバス。
古道具屋で働き始めた男が、来る客にそれぞれの古道具の由来を話します。各々短編が素晴らしいものですが特に「鉛の兵隊」は感動ものです。注意としては、必ず頭から読みましょう。この本に関しては最後の章を一番最初に読んではいけません。

空白

光草 ストラリスコ
ロベルト・ピウミーニ 作 長野 徹 訳 (単行本) 小峰書店 

絵描きと外に出られない病気を持つ太守の息子の物語。
絵描きが、太守の息子の部屋に絵を描いてくれないかと依頼されます。その絵は少年の希望を取り入れ毎日変化していくものでした。少年のため書き続けた絵描きの最後の絵。静かに寂しく羨ましくもあるお話です。

空白

秘密の花園 
バーネット作 グラハム・ラスト 絵 野沢 佳織 訳 (単行本) 西村書店


両親が一度に病死してしまったため、メアリはイギリスの叔父に引き取られることになります。叔父のお屋敷には塀で囲まれた庭がたくさんあり、その中には叔父の奥さんのものだった「秘密の花園」が存在することを知ります。そして、メアリはこまどりの導きにより花園への鍵を手に入れるのですが・・・。
完訳 愛蔵版と銘打たれたこの本は、イラストが全てカラーです。リアルなイラストといい、豪華です。これを読むと昔ハウス提供でやっていたアニメ「秘密の花園」は結構完訳に近かったのだなと思います。久しぶりに読むと新鮮なものです

空白

黄金の羅針盤 ライラの冒険シリーズ1
神秘の短剣 ライラの冒険シリーズ2
琥珀の望遠鏡ライラの冒険シリーズ3
フィリップ・プルマン作 大久保寛 訳 新潮社 (単行本) 冒険ファンタジー

ライラと彼女のダイモン(守護精霊)パンタライモンはコールター婦人についてジョーダン学寮を出る朝、学寮長から「真理計」を手渡される。誰を信じれば良いのか、何が正しいのか。真実を教えるという真理計を手に、囚われているというアスリエル卿を捜すライラとパンタライモンの逃避行が始まる。

こちらも3部作。分厚い本ですが(ネシャン・サーガよりは薄いですね)、その分内容は濃いです。
文庫版もあります。

空白

アレクサンダとぜんまいねずみ ともだちを みつけた ねずみの はなし
レオ・レオニ 谷川俊太郎 訳 好学社 (ハードカバー)絵本

ねずみのアレクサンダはぜんまいねずみのウィリーと友達になる。ウィリーの生活にあこがれるアレクサンダはウィリーの話で聞いた「いきものを ほかの いきものに かえることの できる、まほうの とかげ」を探しに行く。「つきが まんまるの とき、むらさきの こいしを もって おいで。」そして満月の夜、アレクサンダがトカゲに頼んだ願いとは? 
過去に教科書にも載っていた作品です。レオ・レオニはグラフィックデザイナーとしても有名。絵本もグラフィックの技術を行使して作られています。美しいトカゲや砂利のマーブリング。キャラクターのコラージュ。小学校一年生の時、授業よりトカゲに目を奪われていたのは私です・・・。

空白

崖(がい)の国物語
<1 深森をこえて> <2 嵐を追う者たち><3 神聖都市の夜明け><4 ゴウママネキの呪い><5 最後の空賊><6 ヴォックスの逆襲><7自由の森の戦い><8真冬の騎士>
<9大飛行船団の壊滅><10滅びざる者たち><外伝 雲のオオカミ>
ポール・スチュワート 作 クリス・リデル 絵 唐沢 則幸 訳
 ポプラ社(単行本) ファンタジー

ウッドトロルに育てられた少年トウィッグ。「道をはずれて」しまうトウィッグはウッドトロル族から浮き始め、ついに自分の本当の居場所探しの旅に出ることに・・・。
浮島をあつかった作品は数あれど、浮島が出来る過程を書いた作品はなかったはず。スチュワートの文にリデルの緻密な絵が合わさって効果は絶大です。
ルイス・キャロルとトールキンが引き合いに出されていますが、キャラクターの頑固っぷりはトールキンかも・・・。見開きの崖の国のイラストは壮観です。
これから古典ファンタジーに名を連ねるであろう作品。
1〜3巻はトウィッグの話。4巻はトウィッグの父親・雲のオオカミの若き日の話です。

空白

レッドウォール伝説 勇者の剣
レッドウォール伝説2  モスフラワーの森

レッドウォール伝説3 小さな戦士マッティメオ
レッドウォール伝説4 海から来たマリエル
ブライアン・ジェイクス作 ゲリー・チョーク挿絵 西郷容子 訳  徳間書店
 (単行本)ファンタジー

平和に暮らしていたレッドウォール修道院に凶悪なドブネズミ<鞭のクルーニー>が襲撃してきた。修道院を救うためには勇者マーティンの伝説の剣が必要だ。マーティンにあこがれる若き修道士マサイアスは剣の在処をみつけるため、謎を解き明かしていくのだが・・・。
部分的にミステリのような・・・。アナグラムとかあって。
なんでドブネズミの襲撃を恐れるんだ?と思わないように。このお話の登場人物はその90%(といっていいでしょう)ネズミです。そう、修道士はネズミなのです。その他リス・ハリネズミ・モグラ・カワウソが仲間になり戦います。人間は出てきません。格好いいんですよ・・・ネズミが(笑)。
ネズミの冒険といえばアニメにもなった「ガンバシリーズ」が有名ですが、最近まで作者が日本人だと知りませんでした・・・(斎藤 惇夫 作  岩波書店)。

空白

はいけい女王様、弟を助けてください
モーリス・グライツマン 作 唐沢 則幸 訳 横山ふさ子 訳 徳間書店(単行本)

弟ルークの病気が悪化し、コリンはイギリスの叔父のところに預けられることになる。
いとこのアリステアにかまいすぎる叔母、いつもいらいらしている叔父、母親のいいなりのアリステア。コリンは弟の病気を救うべく、女王に会おうとするがことごとく失敗する。コリンは女王に手紙を書く「はいけい女王様・・・」。
弟のために行動するコリンの一途さに胸が詰まります。名医と呼ばれる人を探しに行った病院でエイズの恋人を持つテッドと出会い友達になり、彼の手助けをしたり。コリンの素晴らしいところは人に偏見を持たないところ。やれることをするのがコリンなのです。そして、テッドと恋人のグリフに出会ったことで、コリンは自分が今すべきことに気が付くのです。
何度読んでも、最後の1頁で涙が出てくる本です。

空白
ダレン・シャン
<1 奇怪なサーカス><2 若きバンパイア><3 バンパイア・クリスマス>
<4 バンパイア・マウンテン><5 バンパイアの試練>
<6 バンパイアの運命><7 黄昏のハンター><8 真夜中の同志>
<9 夜明けの覇者><10 精霊の湖><11 闇の帝王><12 運命の息子>
<ダレン・シャン外伝>

ダレン・シャン 橋本 恵 訳 小学館
 (単行本)ホラーファンタジー

断り入れてなきゃ、文句出そうな本だなあと思ったり(笑)。勇気ありますよ・・・。
なにしろ、これ、乱暴だわ嘘は付くわ人の物ぱちくるわ(勿論その代償は払うことになる)なかなかハードなのです。話が動き出すのが、身体に特徴のある人を見せ物にするサーカスだしね・・・・・・。
一応吸血鬼ものなんですが、きちんと吸血鬼の特徴が書かれています。
ツケはでかいんだぜベイベー、なお話。さて続編はどうなることやら。

シルク・ド・フリークでショーをしていたバンパイア、クレプスリーから盗んだ蜘蛛が元凶で、ハーフバンパイアとなりクレプスリーのアシスタントになったダレン少年。4巻〜6巻は一連の話になっており(1〜3巻は読みきり型)、バンパイア達の総会があるVAMPIRE MOUNTAINへ向かいます。4巻以降はより重たい話になっていくようですが、4巻前半はそこそこ明るく話は進みます。5巻以降になると、もう前巻までがなんて平和だったのかしらと遠くを見詰めたくなったり。
7巻ではプリンスとしての仕事を始めたダレン。クレプスリーを補佐にプリンス修行。ハーキャットはシーバのお手伝いをしているようです。 ダレンが少し成長した模様で、実年齢幾つになったのかなと。20代半ばにはなってますね。外見15・6歳位のようですが。リトル・ピープル(一人だから英語表記の時はリトル・パーソン)ハーキャットとの友情は健在のようです。
9巻では以降は今まで以上に衝撃的な内容が続く・・・。
11巻のラストもとんでもないところで終わっている気がしますよ!スティーブの爆弾発言に要注意!

ダレン・シャン外伝では原作者のHPに掲載の、書き下ろし短編が読めます。本編とリンクするお話なので要チェック。

原書は薄く、各章が6頁前後しかありません。初めて読む英語の本(これはイギリス英語)には良いと思います。解らない単語を引く辞書があれば(無くてもそれなりに)、内容把握は十分可能です。
どんな事件・冒険が起きるのか、先の読めない本ほど面白いものはないですね。
空白
ルイスと魔法使い協会
<1 壁の中の時計><2 闇にひそむ影><3 魔法の指輪><4 鏡の中の幽霊>
<5 魔女狩り人の復讐><6 オペラ座の幽霊><7 魔法博物館の謎><8 橋の下の怪物>
ジョン・ベレアーズ作 三辺 律子 訳 アーティスト・ハウス(単行本) 
ゴシック・ファンタジー

”ハリー・ポッターの原点”と話題騒然の新シリーズ!っていう腰帯がついてたんですが(笑)。
両親を事故でなくしたルイスは、叔父のジョナサンと住むためにハイ・ストリート100番地に引っ越してきた。ジョナサンも、お隣さんでジョナサンの親友のツィマーマン夫人も良い人で、暖炉がある自室もとても素敵だった。しかし、ジョナサンは時計の音におびえているようで、しかも、真夜中に屋敷中を回ることがある。気になったルイスはジョナサンの後をつけ(すぐにばれた)、ハイ・ストリート100番地の壁の中に時計があること、この建物の前の持ち主は魔法使いアイザック・アイザードだったことを教えてもらうのだが・・・・・・。
書かれたのが30年以上前だとは思えない新鮮さ。素晴らしいものはやはり、残るんですね。
空白
十三階の海賊たち 
シド・フライシュマン 作 谷口 由美子 訳 偕成社(単行本) 
ファンタジー

フライシュマン親子の話は好きですね(息子はポール・フライシュマン)。
両親が死んで弁護士の姉リズと二人暮らしのバディ・ステビンズ(ぼく)。先祖は海賊だったりする。昔から伝わる霊と交信できるというメガホンで叫んだあと、留守番電話にアビゲイル・パーソンズと名乗る少女からメッセージが入っていた。ザカリー・ビルの13階に来て自分を助けて欲しいと言うのだ。しかし、現実のザカリー・ビルには13階なんて存在しない。次の日リズはステビンズ一族の死亡記録を調べて出掛けた後行方不明になる。バディはリズの後を追って、ザカリー・ビルに向かうが・・・
・・・。
空白
魔法使いの卵 
ダイアナ・ヘンドリー 作 田中薫子 訳 佐竹美保 絵 徳間書店 (単行本)
ファンタジー

なににつけても(おやつはカー●、ではなく)、佐竹美保さんの絵は素晴らしい。
薄っぺらい本だけど、内容はなかなか濃い。
父親は魔法使い、母親は占星術師。そして魔法使いの卵で、現在修行中のスカリーは、学校の授業の成績が落ちてきた。
そのため「お守り」を付けられることに。お守りの女性は紅い髪がちりちりでミスカートの、モニカ。
彼女がいるため、学校では魔法の練習が出来ない!魔法使いに認められるための試験も近いのに!そんなとき、父親の時計店にアヤシイ老人が現れて・・・・・・。
空白
空中の城1 魔法使いハウルと火の悪魔
空中の城2 アブダラと空飛ぶ絨毯

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 作 西村醇子 訳 佐竹美保 絵 徳間書店 (単行本)ファンタジー

帽子屋の17歳の長女ソフィーは父の亡き後、帽子を作るだけの毎日を送っていたが、ある日、店にやってきた荒地の魔女に突然呪いをかけられ老婆になってしまう。ソフィーが自分でも知らないうちに帽子に魔法をかけていたと言うのだ。
老婆の姿では店にいられない。ソフィーは妹たちにも黙ったまま、家を出る。そして、疲れきった頃、最近町をにぎわせていた魔法使いハウルの空中の城に遭遇する・・・・・・。
ヒロインが話の80%位の間老婆になっていていいのでしょうか(笑)。引っ込み思案の少女は老婆になったとたん大胆な性格になってしまいます。強気になったソフィーは城を動かす原動力&ハウルに魔力を提供している火の悪魔カルシファーの頭の上にフライパンすらのっけてしまうのです。
スタジオジブリが映画化、2004年秋公開。
公表されたハウルの家のフィギュア・・・鳥の足がありました。「ゴースト・ドラム 北の魔法の物語」スーザン・プライス ベネッセコーポレーション(現在絶版・高々12年前の本が絶版か)みたい・・・。
映画のハウルはキラッキラしてましたねえ・・・。木村拓哉氏がハウルで。カルシファーが中々良い感じでしたが、原作とは別物として見たほうがいいかと思います。それぞれに面白い。
空白
魔法使いはだれだ<大魔法使いクレストマンシー>野口絵美 訳
クリストファーの魔法の旅<大魔法使いクレストマンシー>田中薫子 訳
魔女と暮らせば<大魔法使いクレストマンシー>田中薫子 訳
トニーノの歌う魔法<大魔法使いクレストマンシー>野口絵美 訳
魔法がいっぱい<大魔法使いクレストマンシー外伝> 田中薫子・野口絵美 共訳
魔法の館にやとわれて<大魔法使いクレストマンシー>田中薫子訳
キャットと魔法の卵<大魔法使いクレストマンシー>田中薫子訳
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 作  佐竹美保 絵 徳間書店(単行本) ファンタジー

「このクラスに魔法使いがいる」こんなメモが見つかって、クラスの中で魔法使い探しが始まる中、魔法を使ったと思われる事件が続き、ついに審問官が学校に来る事に。魔法使いだとバレてしまえば火あぶりになってしまう。危険を感じた子どもたちは古くから伝わる助けを呼ぶ呪文を口にする。
「クレストマンシー!」と。
「魔女集会通り26番地」がクレストマンシーシリーズだったなんて知らなかった・・・。偕成社から出ていましたが、現在絶版です。クレストマンシーシリーズは「魔女集会通り26番地(タイトルは「魔女と暮らせば」に変わります)」も含めて全4冊。
「Conrad's Fate」(未邦訳)発売中。クレストマンシーシリーズ新刊です。
空白
レイチェルと滅びの呪文
レイチェルと魔法の匂い

レイチェルと魔導師の誓い
クリフ・マクニッシュ作 金原 瑞人 訳 理論社 (単行本) ファンタジー

邪悪な魔女ドラグウェナが支配する暗黒の地イスレア。降る雪さえも黒いこの星にさらわれてきた少女レイチェルと弟エリック。ここではあらゆるものに呪文が掛けられていた。
魔女の呪文で小人姿で奴隷にされているモルペス達は、レイチェルを「希望の子」と呼ぶが・・・・・・。
本をめくり始めてものの数分で、レイチェル達はイスレアへGO!ぽんぽんと話は進み一気に読んでしまいます。というか、気になってやめられない・・・・・・。三部作。
空白
ナルニア国ものがたり 全7巻 
<ライオンと魔女><カスピアン王子のつのぶえ><朝びらき丸 東の海へ><銀のイス><馬と少年><魔術師のおい><さいごの戦い>
C・S・ルイス 作 瀬田 貞二 訳 岩波書店 (単行本・文庫) ファンタジー

三大古典ファンタジーの一つ(他の二つは「指輪物語」「ゲド戦記」)。
ナルニアという国の始まりから終わりまでを書いた物語。とりあえず、出版された順番に読んでいく方がいいかな、と思うのですが、お話の年代はばらばらです。
「こちら」にいる少年少女が(殆どはペベンシー兄姉弟妹)、ナルニアに呼ばれライオンのアスランと共に問題を解決します。アスランが「誰」であるのかは、読んですぐに気が付くでしょう。
とにかく素晴らしい構成力に脱帽。
「衣装ダンスから別世界へ行く話」と言われたら、これのこと。ナルニアに行けるのに年齢制限(?)があるのはどことなく「デジモン」のような・・・・・・。
「ライオンと魔女」から「銀のイス」まではドラマが制作され2003年7月にDVD化。これ、実写とアニメーションが一部混じっています。惜しむらくは字幕が無い事でしょうか。英語か日本語吹き替えのみ。
声優に懐かしき塩沢兼人さんがいる気がします(吹き替えキャストもエンドロールにないのが惜しいです)。でも、見ごたえ有りです。
改めて思うのは、カスピアン10世(リリアン王子の父)って登場回数が多いですねえ。カスピアンは、アスラン→ピーター(一の王)→スーザン・エドマンド・ルーシーの次にナルニアで権力がある人です(ナルニアの場合は「権力」というより「知名度」かもしれませんが)。
空白
マジック・ツリーハウス
<1恐竜の谷の大冒険(黒い馬の騎士)><2女王フュテピの謎(海賊の秘宝を探せ)><3アマゾン大脱出(闇に消えた忍者)><4マンモスとなぞの原始人(月の世界へ!)><5SOS!海底探検(ゴーストタウンの亡霊)><6サバンナ決死の横断(オーロラと北極ぐま)><7ポンペイ最後の日(始皇帝から禁書を救え!)><8古代オリンピックの奇跡(北欧の海賊バイキング)><9タイタニック号の悲劇(バッファロー大暴走)><10ジャングルの掟(カンガルー救出作戦)><11戦場にひびく歌声(託された手紙)><12夜明けの巨大地震(せまり来る大竜巻)><13愛と友情のゴリラ(シェークスピアの魔法)><14ハワイ、伝説の大津波(はじめての感謝祭)><15ドラゴンと魔法の水><16幽霊城の秘宝><17聖剣と海の大蛇><18オオカミと氷の魔法使い><19ベネチアと金のライオン><20アラビアの空飛ぶ魔法><21パリと四人の魔術師><22ユニコーン奇跡の救出><23江戸の大火と伝説の龍><24ダ・ヴィンチ空を飛ぶ><25巨大ダコと海の神秘><26南極のペンギン王国><27モーツァルトの魔法の笛><28嵐の夜の幽霊海賊><29ふしぎの国の誘拐事件>
メアリー・ポープ・オズボーン 作 食野 雅子 訳 メディアファクトリー (ソフトカバー)
冒険ファンタジー

森の中で見つけたツリーハウスは魔法のツリーハウスだった!ツリーハウスの中にある本を見ているうちに、本の世界にいってしまうのだ。ツリーハウスの持ち主が見つからないまま、ジャックとアニーは大冒険をすることに・・・・・・。
原書では一話で一冊のところ、邦訳では二話で一冊です。イラストも綺麗でかわいらしく、お話は夢と大冒険と知識にあふれています。短いのにものすごく得した気分の本。面白いです。
発売された各国で人気なのが解ります。男の子にも女の子にもお勧め。
全ての漢字にふりがな付き。ひらがなとカタカナが読めれば一人で読みきれる本です。
続巻予定。
最近、原書も発見しました。読みやすいのでお勧めです。同じ構成の文や単語が繰り返し出てくるので単語も覚えるし。文が短く区切ってあるのでどこで区切ったらいいのか理解できる。
「ビッグ・ファット・キャット」読んだ後にお勧め。アメリカ系の英語です。
邦版はかなり原書のイメージに近づけて作ったみたいです。挿絵のペンタッチとか。見比べでも楽しいです。
空白
魔剣伝説 三部作
<魔剣伝説><魔女復活><魔法城塞>

P・フィッシャー 林田 康一 訳 社会思想社 現代教養文庫 ファンタジー

<闇の王>がおさめる国ペスタンにある、冬の山モン・ケスの洞窟で老師ローンのもと暮らしていた六人の孤児。ローンの死後、彼らは洞窟の中で偶然ソドリスという<剣>を見つけるのだが・・・。
ファンタジー三部作。ゴブリンが出てくるので、トールキンの影響ありですかね。

某高校の図書館に一冊目だけあったという代物。この文庫殆どの本屋に置いていません(道内は)。
本に挿入されている広告がファンタジーばりばりのテーブルトークマニュアルだったりするので、結構マニア向けだったりするんでしょうか(テーブルトークというのはRPGをテーブル上で(会話などで)やるゲームのこと。今のカードゲームにも近いかもしれません)。でも、絶版ではないので、本屋さんで注文すると入手可能です。エンディングは賛否両論かもしれませんが、読了後は充実しています。

ちなみに、ソドリスは<剣の霊>なので、喋ります。べらべらと。こちらの喋る剣を先に知っていたので、「テイルズ・オブ・デスティニー(PS・RPG)」でディムロスが喋ると知っても驚かなかったです・・・。
空白
コーンウォールの聖杯
スーザン・クーパー 武内 孝夫 訳  学研 (単行本)ファンタジー

幻の邦訳本として噂だった、スーザン・クーパーの初期作品が復刊。
サイモン・ジェイン・バーニィの三人は両親と共に夏休みをすごすためコーンウォールを訪れた。
メリイ小父さんが借りていた家を探検するうちに、三人は地図つきの古文書を発見する。それにはアーサー王伝説に登場する聖杯のありかが記されていた。三人はメリイ小父さんの助けを得ながら隠された聖杯を探していく・・・・・・。その場所は「海の上 岩の下」!
空白
青空のむこう
アレックス・シアラー 金原 瑞人 訳 求龍堂 (単行本) 

ハリーは交通事故で死んでしまった!ところが「やり残したこと」が気になって<彼方の青い世界>になんてパンフレットをもらったところで行けっこない。150年前に熱病で死んだものの、先に死んだ母親を探して<彼方の青い世界>へ行かずにいる先輩幽霊アーサーの導きで、ハリーは<下の世界>に降りるのだが・・・・・・。
死んだ少年が、生きている人に向かって語りかけている形式のお話。
姉エギーとの最後の口喧嘩を後悔し謝るため、ハリー少年は下の世界へ戻ります。簡潔な文でまとめられたラストに少しホロリ。
低年齢にも読みやすいジュニア版も発売されました。
空白
どろぼうの神さま
コルネーリア・フンケ 細井 直子 訳 WAVE出版 (単行本) ファンタジー

母親が死に、弟だけを引き取ろうとする伯母夫婦から、弟ボーを連れてベネツィアに逃げてきたプロスパーは、困っているところをヴェスペたち家出子に出会い寝食を共にすることに。子供たちだけの生活。だが、彼らには「どろぼうの神さま」を名乗るスキピオがついていた。
大人になりきれない大人と、早く大人になりたい子供が出てきます。スキピオの選択が正しかったのか否かは恐らく彼だけが知っているんでしょう。少し胸が痛むお話です。
メリーゴーラウンドが出てくるんですが。これが物凄くレイ・ブラッドベリの「何かが道をやってくる」の回転木馬とイメージが近くて。ちょっと驚きです。それにしてもメリーゴーラウンドには何かを感じさせるモノがあるんでしょうか・・・・・・。まるで走馬灯のようだなあ。
空白
アルテミス・ファウル 妖精の身代金
アルテミス・ファウル 北極の事件簿
アルテミス・ファウル 永遠の暗号
オーエン・コルファー 大久保 寛 訳 角川書店 ファンタジー

伝説的な犯罪一家に生まれたアルテミス・ファウル二世は12歳の天才少年。
父親の行方不明をきっかけに寝たきりになってしまった母親と、召使のバトラー、バトラーの妹ジュリエットと共に暮らしている。
コンピュータを使い「妖精の書」を探し出し手に入れ、解読したアルテミスは家運を挽回するため、妖精の黄金を手に入れようと考える。その方法とは・・・・・・。
「悪のハリー・ポッター」などと言われたりする作品のようですが、「世にも不幸なできごと」や「ダレン・シャン」も少し感じさせるような、させないような。
とは言え、先入観は捨てて読まれるほうが良いです。「妖精」とあるものの、フワフワしたイメージを持っていると、痛い目を見るかもしれません。
ところでページの両脇にある妖精文字は訳せるんですよねー?「秘密のメッセージ」ってコレの事をさすんでしょうか・・・・・・(日本語は50音だから、足りない分作ったんでしょうかね。原書確認まだなのですが)。

追伸:表紙&頁脇の妖精文字解読しました。全頁の5分の3で全文終わり。あとはエンドレスです。
結構長い予言ですが、作者の名前はすぐに解るのでやってみましょう(笑)。全文解読すれば、2巻以降の予告(予言)を知ることができます。・・・・・・しかし、そういう職業有りですか・・・・・・?(笑)。 
空白
デルトラ・クエスト
<1沈黙の森><2嘆きの湖><3ネズミの街><4うごめく砂><5恐怖の山><6魔物の洞窟><7いましめの谷><8帰還>
デルトラ・クエストU
<1秘密の海><2幻想の島><3影の王国>
デルトラ・クエストV
<1竜の巣><2影の門><3死の島><4最後の歌姫>
エミリー・ロッダ 岡田 好惠 訳 岩崎書店  (ソフトカバー) ファンタジー
デルトラの伝説
エミリー・ロッダ マーク・マクブライド 神戸万知 訳

王族は山のような掟を忠実に守っているデルトラ王国で、王子の親友として暮らしていたジャード。
王と王妃が次々と死に親友エンドン王子が王位を継承する儀式の最中、ジャードは「影の大王」を退けるという、七つの宝石の付くベルトを王が即位式の時以外身に付けないことに疑問を抱く。
図書館で「デルトラの書」を読んだジャードは自分の考えに確信を持つが、主席顧問官プランディンの策略により城から脱出することになる。エンドンとの秘密の隠れ家に暗号を残して・・・・・・。

実際に旅に出るのは、ジャードの息子のリーフです。秘宝のベルトから盗まれた七つの宝石を捜し出し、次の世継ぎに渡すために。繰り返されるどんでん返しが凄いです。

贈り物にしても美しい本です。男の子にも人気だそうでお勧め。
「デルトラクエストモンスターブック」「デルトラクエストオフィシャルガイドブック」も登場。
エミリー・ロッダは「リンの谷のローワン」シリーズの作者です。
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盗まれた記憶の博物館(上・下)
ラルフ・イーザウ 酒寄進一 訳 佐竹美保 絵 あすなろ書房 (単行本)ファンタジー

警察が家に来たとき初めて自分たちが父親の存在を忘れていたことに気が付いた、双子の姉弟ジェシカとオリバー。
その父親が警備をしていた博物館で、クセハーノ像を盗んで消えたというのだ。
双子は屋根裏の長持ちの中から父親の日記を見つけ、父親がクセハーノ像を追って博物館の中にあるイシュタル門をくぐったらしいことを突き止める。ジェシカとオリバーは父がしたように門をくぐる計画を立てるのだが・・・・・・。
博物館と聞いただけで胸がトキメキますが、この双子は夜の博物館に忍び込みます。想像すると心臓バクバクですね。これで赤外線スイッチの催し物があったらさぞや怖いことでしょう。
(北海道開拓記念館の昔の汽車風景セットで、赤外線スイッチをまたいじゃう心境というか。あの「リンゴはいらんかね?」などの声は何度聞いてもどきりとしてしまうんですが。夜に聞いたら怖いだろうなあ。リアルなだけに・・・。)
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サブリエル 冥界の扉 古王国記1
ライラエル 氷の迷宮 古王国記2
アブホーセン 聖賢の絆 古王国記3
ガース・ニクス 原田勝 訳 主婦の友社 (単行本)ファンタジー

ワイヴァリー学院での最終学期を迎えたサブリエルは、いつものように新月の夜父アブホーセンが現れるのを自室で待っていた。しかしその夜、現れたのは父ではなく、真っ黒い影だった。
冥界で影から託された麻袋の中には、父アブホーセンの剣と7つのベルのついた革帯が入っていた。サブリエルは父を捜すため古王国に入る決心をする。
海外物としては描写が細かい作品。しかし、チャーターやネクロマンサーについて注釈があってもよいかなあと思ったり。でも読み始めると引き込まれて何となく解ってくる(笑)。
(ちなみにネクロマンサーとは「死霊を生きているかのように操る死霊術士」)
3部作。文庫版も登場。
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ぬいぐるみ団オドキンズ
ディーン・R・クーンツ 風間賢二 訳 早川書房(ハリネズミの本箱) (単行本)ファンタジー

魔法のおもちゃ職人アイザックおじさんが亡くなり、彼が創った命のあるぬいぐるみ達は次のおもちゃ職人への伝言を届けなくてはならなくなった。
リーダー・ティディベアのエイモス、ゾウのバール、ウサギのスキッピィ、イヌのバタースコッチ、ネコのパッチ、長老ギボンズは新しい職人コリーンの元へ向かう。しかし、その後ろからは悪いおもちゃレックス達が追いかけてきていた。
エイモスの言う「がってんしょうちのすけ」は、英語だと”I got it”なんでしょうか(笑)。
イラストが可愛らしく恰好いいです。 
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ダークホルムの闇の君
グリフィンの年
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 浅羽莢子 訳 創元推理文庫 ファンタジー

40年前に別世界から来た資本家チェズニー氏が観光地にしてから、魔法世界ダークホルムは荒れ放題。魔術師大学総長ケリーダたちがダークホルムを救うべく向かった神殿で受けたお告げは、魔術師ダークを「闇の君」に、息子のブレイドを「巡礼団最終組の先導魔術師」にせよ、というものだった。
様々なアクシデントが起きる中、スケジュール通りに仕事をこなそうとダーク夫妻・1女1男・5グリフィンは奮闘するのだが・・・・・・。
2冊目「グリフィンの年」も登場。「ダークホルムの闇の君」で末っ子だったエルダが活躍します。
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名探偵カマキリと5つの怪事件
ウィリアム・コツウィンクル 浅倉久志 訳 早川書房(ハリネズミの本箱) (単行本)

カマキリ探偵と相棒バッタ博士が活躍する、5つの怪事件。
それほど厚くない本ですが、読み応えは充分。虫の生態が謎の解決に絡んできます。昆虫図鑑といっしょにプレゼントという手がありますね〜。ミステリ好きな子供にお勧め。
シャーロッキアンの心をくすぐる1冊。
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指輪物語
<旅の仲間><二つの塔><王の帰還>
J・R・R・トールキン 瀬田貞二・田中明子 訳 評論社 (文庫・単行本)ファンタジー

三大古典ファンタジーの1つ。というかすべてのファンタジーの原点かも。
過去の冒険で養父ビルボが手に入れていた指輪を、相続することになったフロド。その指輪が実は冥王サウロンの「一つの指輪」であると魔法使いガンダルフに教えられたフロドは、サウロンの完全復活を阻止するため、8人の仲間達と指輪を滅ぼす危険な旅に出ることになる・・・・・・。
「ホビットの冒険」を読んでからの方がより解りやすいけれど、あらすじめいたものはあるので特に問題なし。映画を見た後でなら、おなじく相互に理解しやすいかも。
映画を先に見てしまったので、アラゴルンがどうしてボロミアの主君に当たるかピンとこなかったんですが、本を読んで理解しました。しかし、アラゴルンとフロドとレゴラスに関しては実年齢と外見年齢が異なる訳で(笑)。ヌメノーリアンと指輪所持者とエルフだもの。実際はフロドはピピンと20歳近く歳離れてるんだろうか、とぐるぐる考える。
でも、平均年齢100歳単位じゃ、20や30はたいして変わらないんだろうな・・・。
割愛されたシーンが入って4時間近くになったDVD(エクステンデットエディション)も見ごたえあり。
より解りやすくなっています。
百年記念塔がオルサンクやミナス・モルグルに見える今日この頃。
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サークル・オブ・マジック 魔法の学校
サークル・オブ・マジック 邪悪の彫像/王様の劇場
サークル・オブ・マジック ブレスランドの平和

サークル・オブ・マジック 魔法学校再訪/氷の国の宮殿
デブラ・ドイル ジェイムズ・D・マクドナルド 武者圭子 訳 小学館 (単行本)ファンタジー

ランドルが騎士修行をするドーン城に、ある雨の日魔法使いマードックがやって来た。
ディナーの後、広間でマードックの魔法を目の当たりにしたランドルは、このまま城に留まり騎士になることよりも、魔法使いになることを選び、城を出たマードックの後を追う。
無事にマードックと合流した後、マードックに読み書きを習いながらターンズバーグまで旅をしてきたランドルは、なんとか希望どおりスコラ・ソーサリエ(魔法学校)に入学するのだが・・・・・・。
友情もあれば裏切りもある、舞台は中世の剣と魔法の世界。騎士道精神を持った魔法使いランドルのお話。
邦訳版は原書の2冊分を一冊にしています。
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黒い兄弟(上・下)
リザ・テツナー 酒寄進一 訳 あすなろ書房 (単行本)

貧しい山村ソノーニョ村に暮らすジョルジョは凶作の年、母親の医者代のために、<ほお傷の男>に売られることになる。半年間の契約でミラノで煙突掃除夫になるのだ。
食事もまともに貰えず、靴もなく、自らがブラシとなって煙突掃除をする日々の中で、ジョルジョはアルフレドという親友を得る。そしてアルフレドと数人の煙突掃除夫で作られた結社「黒い兄弟」の仲間入りをする。強い絆で結ばれた少年達の出会いと別れ。成長したジョルジョがソノーニョ村へ帰るまでのお話。
涙なしには見られないと有名だった「アニメ世界名作劇場 ロミオの青い空」の原作。
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五人と一匹
<1ミルトン屋敷の謎><2首飾りのゆくえ><3見えない犯人>
エニード・ブライアン 三津村卓 他訳 実業之日本社 (単行本)ミステリ

春休みの夜起きたフックさんの小屋の火事を見に行った、ラリイ・デイジイ・ピップ・ベッツはそこで子犬を連れた太った男の子ファットに出会った。
小屋の家事を放火だと疑った五人は<『五人と一匹』探偵団>を結成し、捜査に乗り出す。
一冊に三本ずつお話が入っています。ファットの変装や五人のいたずらから事件が浮かび上がることも。どんなところにも潜り込む子供ならではの行動力で事件を解決していきます。
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アバラット1〜2
クライブ・バーカー 池 央耿 訳  ソニーマガジンズ (単行本)ファンタジー

ミネソタのチキンタウンに住むキャンディ・カッケンブッシュは、学校の宿題で町についてのレポートに「書かれない方の歴史」ヘンリー・マーキットを選んだ。しかし、これがもとでチキンを有り難がるミス・シュウォーツに校長室行きを言い渡される。校長室へ向かう途中で学校を飛び出したキャンディは町を抜け草原に行き着いた。そこから別世界アバラットへ行く事になるとも知らずに・・・。

久しぶりに装丁の凄い本。初版だけかもしれないけれど、地図まで別に付いていたりする親切設計(島の数がありすぎ)。
原書を忠実に訳してますね〜。本の作りあたり。邦訳の左右逆開きになったのが原書なので。サイズもほぼ同じ。決して安い本ではありません(2600円+税)。でもこれだけフルカラーのイラスト入れてあると納得。全4巻予定。
贈り物にしたい位豪華な本です。
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七つの封印
<1大魔術師の帰還><2悪魔のコウノトリ><3廃墟のガーゴイル><4黒い月の魔女> 
<5影の天使><6黒死病の悪霊><7深海の魔物たち><8マンドラゴラの恐怖><9異界への扉><10月の妖魔><番外編 千年のかなた>
カイ・マイヤー 山崎恒裕 訳 山田章博 絵 ポプラ社 (ソフトカバー)アクション・ホラー 

ギーベルシュタインの金曜日の夕暮れ。野原の真ん中に走る線路のそばで、キラは醜いワニ皮のバッグを持った美女と、空飛ぶ魚を見た。その女達は魔女であり、魔女は教会の下に眠る魔術師アバクスを復活させようとしているのだ。キラにアルカーヌムの魔女達の名前が記された本を渡した次の日、カサンドラおばさんはいなくなってしまう。キラは友人のニールス・リーザ・クリスと共に、アルカーヌムの魔女や悪魔との戦いに巻き込まれていくのだが・・・。

ガーゴイルというとノートルダム寺院の雨どいについているアレでしょうか。屋上まで登ると近くで見られます。横の方に入り口があって20フランだったか払うと登れます。昔は鐘突きにここを登ったのか階段は磨り減ってつるつる。礼拝堂の中を見た後、ルーブル美術館に行き「戴冠式」を見ると昔と配置変わらないんだなあと、しみじみ思えたり。フランスの良いところは休日は美術館がタダってことでしょうかね。道で「何か」起こると即行で門が閉まるところとか、守備体制は凄いです。
ちなみこの本はドイツ原作です・・・。
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チェンジリング・チャイルド
ジュリー・ハーン 海後 礼子 訳 ソニーマガジンズ (単行本) タイムトリップ・ファンタジー

病み上がりの母親とともに祖母の家にきたトムは、家の地下室から不思議な声を聞いた。
地下室には「溝」があり、18世紀ロンドンに行けるのだ。しかし、同じ地下室でありながら、18世紀の地下室では「妖精の取り替え子」と呼ばれる少女アストラが閉じ込められていた。
アストラと仲間の「怪物」たちはトムに巨人を助けてくれるように求める。巨人の遺体とアストラを守るため、トムは二つの世界を行き来する。

建物が何百年も持つから成り立つ話だなあと。日本じゃこうは行かない。タイムトリップしても同じ建物はそうそう建っていない(笑)。
見世物にされていた人たちのお話です。トムは解剖されそうな彼らを救うため頑張ります。アストラのわがままに腹を立ててもすぐに考え直す優しいトム。「すばらしい男になるわよ」(トム母談)。
今時の子なんだけれど、トムはいい子です。
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龍のすむ家
氷の伝説
炎の星
永遠の炎
クリス・ダレーシー 三辺律子 訳 竹書房 (単行本)

「下宿人募集中。ただし、子どもとネコと龍が好きな方に限ります。」という一風変わった広告を見て、下宿探しに困っていた大学生デービッドはペニーケトル家の下宿人になる。
龍専門の陶芸作家リズ、おしゃべりでリスが大好きなリズの娘ルーシー、ぶちネコのボニントン、そして家のあちこちに居るリズが作った龍たち。
「一生大切にする事。絶対泣かせない事」というのが龍の炎を消さないための約束。
リズはアトリエ「龍のほらあな」でデービッドの「特別な龍」を作ってくれた。ノートを持ち鉛筆の端をかじり思案にふける「彼」の名前はガズークス。
はじめはガズークスを普通の陶器の龍だと思っていたデービッドだが、そのうち話し掛けると意識の中にガズークスが現れ始め、それを当然のことだと言うリズとルーシーの秘密が気になり始める。
ルーシーの誕生日プレゼントに、デービッドとガズークスは二人でリスの物語を書き始めるが、少しずつ書き進むうちに物語は現実に起こり始めた。真実を書こうとするガズークスに、龍たちを泣かせたくないためにハッピーエンドに持っていきたいデービッドは冷たい態度を取ってしまう。
デービッドに拒否されたガズークスは深く暗い眠りにつき、本当は彼を愛しているデービッドは他の龍たちの協力の下再びガズークスの炎を燃やそうとするのだが・・・。

主体のお話の中に、デービッドとガズークスの書いたお話と、リズの昔話が織り込まれている構成。
「愛してあげないと龍の炎は消えてしまうよ」と言われても、相手は陶器だ!との思いから混乱するデービッド。終わりではすっかりペニーケトル家に感化されている気がしますが。
20歳の青年にしては純真でガズークスといいコンビ。

2冊目「氷の伝説」では「願いを叶える龍(”Wishing Dragon”)・ガレス」が登場。手のひらがグローブのように大きい。そこに親指を入れてお願いをするんだそう。さて、ルーシーがしたお願いとは?
他にも新しい龍が出てきます。気になる人物も登場して、どきどきの展開が続きます。
3冊目「炎の星」。ガズークスの弟分、ガレスが活躍します。そしてもう一匹弟分登場。その名もゴリゴッシュ・ゴライトリー(愛称ゴリー)。癒しの龍で、色んなものを直しちゃいます。
原書でラストシーン読んでいたのだけれど、読み間違いではなかったらしい。どうなるんだろう!?というところで終わってるのです。
4冊目の邦訳はまだですが、これも凄いところで次の巻へ続いていますよ。
それから、各龍の番外編も登場する模様です。「Gruffen」が出る予定ですが、延期中……。
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竜の騎士
コルネーリア・フンケ 細井直子 訳 WAVE出版 ファンタジー

銀の竜と、みなしごの少年と、猫に似たキノコ好きの妖精コボルトの少女と、ホムンクルスの小人達が自分達の居場所を求めて旅に出るお話。
信頼と裏切り、そして冒険。彼らを理解してくれる人たちとの出会いが嬉しくなるお話です。
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魔法の声
魔法の文字
コルネーリア・フンケ 浅井昇吾 訳 WAVE出版 ファンタジー

表紙が印象的なコルネーリア・フンケ。表紙に負けず劣らず、内容も印象的。
物語を朗読すると、物語の中にいる登場人物をこちらの世界に呼び出してしまう「声」を持つ、メギーの父親モー。しかし、それには、こちらの世界にいる人間を一人、物語の中に閉じ込めてしまうという代償があった。
メギーの母親と引き換えに、こちらの世界に出てきた悪漢に脅かされながらも、彼女を救い出すためにメギー達は行動を始めるのだが・・・。
どうなっちゃうんだ〜とハラハラしながら読み進めてしまう。厚めの本ですが、読み止れない。
喜びの中に、悲しさや寂しさも残るお話です。
空白
ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 原島文世・岸野あき恵 訳 東洋書林 旅行ガイド

この本は、ファンタジー小説を「観光パンフレット」、その作家を「ファンタジーランド旅行公社」、読者をこの旅行者のツアーに申し込んだ「ツーリスト」にみたてた「観光ガイド」、として書かれています。観光ガイドとも、一種のファンタジー辞典ともいえます。
小説であれ、ゲームであれ、ファンタジーを知っている人ならば、知っているほど吹き出してしまう個所が随所に。ああなるほど、と思う個所もあって、ぜひ一読を進めたい一冊。
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七人の魔法使い
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 野口絵美 訳 佐竹美保 絵 ファンタジー

町を影で支配している七人の魔法使いのうちの一人、「ゴロツキ」がある日突然ハワードの家に居座ってしまった。作家であるハワードの父が「約束したある物」を支払っていないと言うのだ。
ハワードはゴロツキを追い払うために、七人の魔法使いについて調べ始めるが、出会った魔法使い達は、「約束したある物」の契約をしたのは自分ではない、といいはるのだった。
徐々に核心に迫るハワードと、どんでんがえしの結末。
力技のような真相に脱帽。ジョーンズって凄いなあ・・・。
空白
エリアドルの王国 3人の少女と秘石の予言
フラヴィア・ビュジョール 東野曜子 訳 光文社 ファンタジー

14歳の誕生日の夜、ジャドとアンブルとオパールは、家族から小袋に入った不思議な力を持つ石を手渡され、使命を告げられる。『予言の書』に従い、この世の運命を変えるために、今すぐ旅立たなくてはならないと。合流した3人の少女達は育ちや性格の違いから、反発しながらも友情を築き始める。
2002年パリ。病で寝たきりの少女ジョアンナは3人の少女の不思議な夢を見る。死へと向かう現実から逃れるように夢を見る彼女の心は、そのうち少しずつ変化していく。

作者も10代の少女。この年代の子どもが「死」というものに無関心な訳は無いと思うので、この内容の本が出ても驚くことはないかなと。逆にそれに「愛」が入っている事が素晴らしい気がする。
この本は、「死」とそれを超えた「愛」のお話。最後に、そうだったんだとうなずいてしまう構成になっています。
空白
歌う船
アン・マキャフリー 酒田 真理子訳 創元SF文庫  SF

高校時代に手に取ってしっかり立ち読みしたけれど、買っていなかった本。学生の財布に640円は高かった(翻訳本は高いのです)。暫く忘れていたけれど、先日、演劇集団キャラメルボックスのDVD『ブラック・フラッグ・ブルーズ(2005)』を見た時に「これは『歌う船』じゃないか!」と驚愕しました(初演見ていないもので)。
全く同じではなくモチーフに使っているのですが素晴らしくて、原作本を再度手にする事になりました。
「歌う船」シリーズは、体に障害のある人間を宇宙船に組み込んで(AIの代わり)、船(脳・ブレイン)として生きる彼女(彼)達のお話です。
歌いもすれば、恋もする、心は普通の少女達。悲しい事も沢山あって、『筋肉(プローン)』の交代による船名変更(ブレインとプローンの名前のアルファベット頭文字が付きますが、交代になるとプローン部分が変更、不在になると『X』になります)には胸が痛みます。
「歌う船」はシリーズもので、タイトルは違いますが続刊中です(「旅立つ船」など)。

キャラメルボックス『ブラック・フラッグ・ブルーズ(2005)』ではダブルキャストのプローン(キャプテン)が、それぞれの役者のお国言葉で演じていました(初演は標準語)。北海道では滅多に聞かない鳥取弁は衝撃でしたね……(マーズキャスト。ちなみにヴィーナスキャストは関西弁)。字幕では「よだきい」とかは、意味が書いてありましたもん(キャラメルボックスのDVDは字幕・音声解説が標準設定になっています)。
原作があるものは、芝居との相違点もまた、楽しいのです。
空白
ちいさな霊媒師オリビア
<西95丁目のゴースト><真夜中の秘密学校><地下の幽霊トンネル1・2>
エレン・ポッター 海後礼子 訳 主婦の友社

オリビアは転校してばかりでいつも一人。何故なら管理人業をしている、人はいいけれど不器用な父親が、ヘマをするたび、職場が変わるからだ。
今回引っ越してきたマンションは変わり者の住人ばかり。硝子の部屋に住む知りたがりやのおばあさんに、部屋を熱帯にして暮らすわがままな女性とその使用人。小さな子供と二人暮らしの占い師。
引っ越してきたそうそう鍵をなくして部屋に戻れないオリビアは、靴を履いていない不思議な少年に助けてもらう。彼は6階に住む大家族の一員だというのだが……。

このシリーズは、毎巻オリビアの住むアパートもしくはマンションが変わるようです。何故なら父親がヘマして職場が変わるから。……しっかりしようよ、お父さん。
翻訳続刊予定です。
すきま
たったひとつの冴えたやりかた 
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 浅倉久志(訳) 早川書房  SF

有名SFの本来3つあるエピソードのうち、人気の高い表題作を新編したもの。
親にプレゼントされた宇宙船で、星間旅行に出たコーティー・キャス。
分岐ポイントで拾い上げたメッセージ・パイプに付着していた未知生物と出会い、行方不明となった巡回補給船と同じ航路を行くのだが……。

コーティーの言う「たったひとつの冴えたやりかた」がどんなものなのか、是非読んでほしい一冊です。
すきま
幽霊派遣会社
エヴァ・イボットソン 三辺律子(訳) 偕成社

貧しくても楽しかった孤児院暮らしから、一夜にして大屋敷ヘルトン館の当主になったオリヴァー少年。
当主の座を狙うイトコのスノッド=ブリトル兄妹はオリヴァーを恐がらせ、喘息の発作で亡き者にしようと、幽霊派遣会社に邪悪な幽霊を依頼する。
しかし、手違いによりヘルトン館にやってきたのは、人の良いウィルキンソン一家の幽霊だった。

「アレックスとゆうれいたち」を書いた作者です。
すきま
猫たちの冬
ヴォルフガング&ハイケ・ホールバイン たかお まゆみ(訳) ポプラ社

「猫たちの冬」と呼ばれる雪に閉ざされた町で起こる、悪霊(の様なもの)との戦い。
少年と猫と少女の話。
ラストの20〜30頁でバタバタと話が進む感じです。これはきっと、カトリック圏の方には恐いんでしょうね。「エクソシスト」みたいに。「猫たちの冬」では、少女がブリッジで階段を下りてくるような器用な事はないですが、不可思議な事が起きて、町を脅かします。
彼らがどうやって、冬を乗り越えたのか。吹雪の夜などに読んでみるのはいかがでしょうか。
すきま
エンデュミオンと叡智の書
マシュー・スケルトン 大久保 寛(訳) 新潮社

オックスフォード聖ジェローム学寮図書館で、何も書かれていない「エンデュミオン・スプリング」という本を見つけたブレーク。その本に書かれた文字はブレークにしか見えない。
伝説の「ラストブック」を求める大人たちから「エンデュミオン・スプリング」を守りながら、「ラストブック」を探す事になったブレークだが……。

ラストまでドキドキしながら読める一冊。単行本として出ている「エンデュミオン・スプリング」を改題して文庫化したもの。単行本は過去頁の装丁が凝っています。
とはいえ、エンデの「はてしない物語」の単行本以上に凝っている本を、今のところ見たこと無いなあ。
梨木香歩「裏庭」も凝ってますね。
 すきま
 翼のある猫(上・下)
イザベル・ホーフィング 野坂悦子・うえだはるみ(訳) 河出書房新社

ヤッシェはコレクターで、どこでも寝られて、観た夢をいつでも思い出せて、泥棒だけど、それ以外は普通の少年だ。
ある日、夜中に鳴った電話に出ると、不思議な質問を矢継ぎ早に尋ねられる。それに答えたヤッシェは、ヒップハルト・インターナショナルに勧誘されることに。
ヒップハルト・インターナショナルとはウマイヤという夢の世界に、商品を売りに行く会社だった。 そこでのセールス員はもっぱら子供が行っていた。
ヤッシェは親友のボルス、テレサとチームを組むが、ヘッセル・ヒップハルトとヘルマン・スプリックにより、時間の裂け目の向こう側に飛ばされそうになる。そこでヤッシェは死んだ妹イェリコに会う。
ヤッシェ達はテンベリに会うべく、道筋が書かれている「猫の書」を求め、ウマイヤの時間を遡る冒険に出る事に。
 すきま
 1/12の冒険
マリアン・マローン 橋本恵(訳) ほるぷ出版

ルーシーと親友のジャックは、社会科見学でシカゴ美術館へ来た。授業の最後にソーン・ミニチュアルームの閲覧が許され、初めてミニチュアルームを見たルーシーは夢中になってしまう。
何にでも興味があるジャックは、ミニチュアルームの裏側にある廊下を覗かせてもらった時に、不思議なカギを手に入れる。
元カメラマンの警備員ベル氏と、ジャックの母リディアが知り合いになり、夕飯を一緒に摂った時、ジャックは裏廊下のカギを拝借しコピーを取るのに成功。
ルーシーとジャックは人目を盗んでミニチュアルームの裏廊下に潜り込み、カギが使える場所がないか探るが、カギを手にしたルーシーの体が小さくなってしまった。
ルーシーがミニチュアルームに入り込んでみると、ミニチュアルームの窓の外の景色が本物になっていた……。 
 すきま
 緋色の楽譜(上・下)
ラルフ・イーザウ 酒寄 進一(訳) 東京創元社

サラ・ダルビーはソロピアニスト。自身が音楽家フランツ・リストの子孫だ、という話題が世間に漏れてから、彼女の周りで不穏な動きが。
サラはリストが本当に自分の先祖なのか調べていたのだが、それはファルベンラウシャーという秘密結社に繋がり、優れた音感と音を視覚で見る能力のあるサラは狙われることに。
ファルベンラウシャーは過去に荒鷲一族と白鳥一族に分裂し、荒鷲一族はリストが残した≪緋色の楽譜≫を探し求めているらしい。そのためにサラの色聴能力を狙っているのだ。
サラはリストが残した楽曲を手掛かりにヨーロッパ中を巡り、荒鷲一族より先に≪緋色の楽譜≫ にたどり着こうとするのだが……。