活動報告

医師のキャリア形成をサポートするため様々な活動を行っています。

病院訪問

北見赤十字病院を訪問しました。

医師の就労環境作りを支援する事業周知のための臨床研修指定病院の訪問

北見赤十字病院[平成25年8月29日(木)午後3時30分]


 本年度第3回目の臨床研修指定病院訪問は、北見赤十字病院の吉田院長をはじめ5名の勤務医と3名の研修医にお集まりいただきました。

 平日の診療時間内にも関わらず、当日参加していただいた先生もいて、女性医師を含めた全ての勤務医が働きやすい就労環境づくり、将来のライフプランについて、地域医療のことなど意見交換をしました。



 北海道医師会からは、医師会と女性医師等相談窓口の事業ならびに日本医師会が作成した「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」を紹介し、医師の健康支援のための適切な労働条件整備と労働環境改善について説明しました。

 吉田院長からは、医師の確保には大変苦労している状況だからこそ、女性医師の力が必要になる。女性医師の様々な考え方や多様な働き方に対応できる病院にしていくことが重要と考えており、当院では、3名の医師が出産して3名とも現在は復職している。看護師では、現在30名が産休中であり、家庭を持つ女性医師や職員が働きやすい勤務先と思ってもらえるよう、様々な問題に対応していきたいとお話がありました。


 意見交換では、現在は専門的な役割を担う病院として明確化され、専門分野に限定した診療が出来るので我々医師には良いことではあるが、地域住民は救急や紹介でなければ当院の診療を受けられないので不便だと思う。しかし、住民から不満の声はなく理解してくれており、専門的な診療を行う病院として市民も利用しやすいのだと思う。しかし、管内に同じ処置をできる医療機関がないため、どうしても週末も処置できる体制を整えなければならず、医師の数を増やして、休日を確保することが今後の課題である。当院が専門的な診療を行うことができているのは、近郊の医療機関の協力があってのことで、地域の連携がとれているからこそ成り立つ。市の夜間急病センターの利用者も一日平均12名程度となり、市民の意識も変わってきている。

 産婦人科は昨年までは5人体制だったので、現在の4人体制では緊急搬送等があると医師が足りないと感じている。5人体制になれば、緊急時も問題なく対応でき、休みも上手く回せるので理想である。妻が別の科に勤務している男性医師からは、上司が調整して妻と同じ日に休みになるよう配慮してくれている。現在妊娠中の妻の環境も整えてくれている。と、地域医療の現状と働きやすい就労環境の病院であるとのお話がありました。




 ご夫婦で参加してくださった研修医の先生からは、就労環境の不満より今後のライフプランの不安の方が大きい、子供を作るタイミングや仕事と家庭の両立について質問があり、ご主人が医師で、働きながら子育てをした相談窓口のコーディネーターから、夫婦で同じ科を選べばフォローしてくれる方が多く助かるが、違う科になってしまうと配慮してくれる方が少なくなってしまい苦労すると思う。最終的には、女性医師個人の意志により、子供のために仕事を犠牲にする選択もわかるが、医師になるために様々な補助があって医師になっているので、ぜひ続けていただき一度休んだとしても復職を考えてほしい。そのためには、家庭と仕事を両立できるような制度づくりと就労環境整備が大切になってくるので、悩んだ時は遠慮せずにまずは上司に相談してほしいとアドバイスがありました。




 最後に、吉田院長から、医師も家庭と仕事を両立する時代になってきた。北見赤十字病院は仕事と家庭の両立を全面的にバックアップする。今日は、相談窓口コーディネーターの先生の実際に経験されてきたことや、女性医師についてお話をいただき本当に良かった。今後の参考にしていきたい。荒川副院長からは、今後も病院として院長を中心に、働きやすい環境づくりに励んでいきたいとそれぞれ挨拶があり閉会しました。

北見赤十字病院のみなさま、
お忙しいところありがとうございました。


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