AEDは、心臓突然死の原因になる心室細動(不整脈)を、電気ショックによって取り除く(除細動)装置です。AEDが到着したら、すみやかに傷病者に装着し、除細動を開始します。音声やランプの指示に従い、誰でも簡単に操作ができるようになっています。
心室細動や無脈性心室頻拍による心停止状態では、早期に電気的除細動を行うほど社会復帰率が高く(5分以内で約5割)、救急隊の到着
以前に現場にいる一般市民がAEDを使用することの重要性を示唆しています。
一般市民がAEDを使用して心停止者の早期除細動を行えるように、空港や駅、役所、商業施設、ホテル、運動施設などの公共の場はAEDは数多く設置されています。緊急のときに備えて、普段の行動範囲の中でどこにAEDが設置されているか、確認しておくとよいでしょう。
新しいガイドラインで、これまで適用外だった1歳未満の乳児にもAEDを使用してよいことになりました。また、エネルギー減衰機能付きの小児用AEDパッドがないなど、やむを得ない場合は、6歳未満の小児・乳児にも、成人用パッドを代用すべきとの指針が示されています。
●電極パッドは肌にしっかり密着させること。電極パッドと肌の間に空気が入っていると電気ショックがうまく伝わりません。

●傷病者の胸が濡れていると、AEDの効果が不十分になります。乾いたタオルなどで拭いてから貼り付けを。
●乳房の大きい傷病者では、向かって
左用のパッドを側胸部か、左乳房の下に装着します。胸毛が多いときは剃ることが望まれますが、それによる電気ショックの遅れは最小にとどめます。
●心臓ペースメーカーや植え込み型除細動器を使用している傷病者に対しては、電極パッドをそこから8cm以上離して装着する必要があります。このため、電極パッドを胸壁の前面と背面(または側面)に装着してもよいとされます。