心肺蘇生/人工呼吸

救命講習などで訓練を受け、人工呼吸を行う技術と意思がある人は、胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生を行うことが望まれます。

方法

気道確保(頭部後屈とうぶこうくつあご先挙上さききょじょう法)

のどの奥を広げ、空気の通り道を確保する。

  1. 傷病者の顔の横にひざまずく。
  2. 向かって頭側の手で傷病者の額を押さえながら、もう一方の手の指先をあごの先端(骨のある硬い部分)にあてる。
  3. あごの下の軟らかい部分を指で圧迫しないよう注意しながら、あご先を持ち上げ、顔がのけぞるような姿勢にする。

口対口人工呼吸

気道を確保した姿勢から、額側の手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみ、吹き込む息が漏れ出さないようにする。

口を大きく開いて、傷病者の口を覆うように密着させる。

約1秒かけて、傷病者の胸が上がるのがわかる程度の息を吹き込む。

いったん口を離し、息が自然に吐き出されるのを待って、2回目の吹き込みを行う。
※うまく胸が上がらない場合でも吹き込みは2回まで。胸骨圧迫の中断が10秒以上にならないようにする。

方法

胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせる

  1. 胸骨圧迫30回の後に、人工呼吸2回を組み合わせ、これを1サイクルとして絶え間なく繰り返す。

参考

人工呼吸の必要性が高いケース

窒息や溺水による心停止、子どもの心停止は低酸素が原因であることが多く、肺から酸素を送り込む人工呼吸の必要性が高いといわれます。また、救急隊の到着までに時間を要するケースでも、胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生が強く望まれます。

メモ

心肺蘇生続行と中止の判断

心肺蘇生は救急隊員に引き継ぐまで、あきらめずに続行することが大切です。傷病者に普段どおりの呼吸や、目的のある仕草、呼びかけに対する反応が見られた場合は、心肺蘇生をいったん中断(判断に迷う場合は続行)し、注意深く様子を見守りながら救急隊の到着を待ちます。