その他の一次救命処置|気道異物の除去

新しいガイドラインでは、成人と子どもの心肺蘇生の手順ができるかぎり統一され(*)一般市民がためらわずに救命行動を起こしやすいよう配慮されています。乳児(1歳未満)に対しても基本は変わりませんが、体格が著しく小さいことを考慮して、より最適な方法が示されています。
(*)胸骨圧迫の深さ、AEDの小児用機能を除く

方法

心肺蘇生

胸骨圧迫

両方の乳頭を結ぶ線の真ん中からやや足側(胸骨の下半分)を目安に、2本の指で押す。(図F)

人工呼吸

気道確保の際に、極端に頭を後ろに反らす(頭部後屈あご先挙上法)と、かえって空気の通り道がふさがれるので注意する。人工呼吸は、大きく口を開いて乳児の口と鼻を覆うように密着させ、胸が軽く上がる程度に息を吹き込む「口対口鼻人工呼吸」が推奨される。

AED

小学校入学前の子どもと使い方は同じ。成人用パッドを使用する場合は、パッド同士が接触しないように貼る位置(体の前後など)を工夫する。

気道の異物除去(次の方法を交互に行う)

背部叩打法

片方の手で乳児のあごをしっかり持ち、その腕に頭側を下げるようにしてうつぶせに乗せ、もう片方の手のひら基部で背中を力強く数回連続してたたく。

胸部突き上げ法

片方の腕に乳児をあお向けに乗せ、後頭部をしっかり持って頭側を下げ、もう片方の手の指2本で胸骨の下半分(胸骨圧迫と同じ位置)を力強く数回連続して圧迫する。