救命蘇生法の手順8.心肺蘇生を続行

〔胸骨圧迫30回+人工呼吸2回〕を組み合わせた心肺蘇生を、
AEDを装着するまでか、救急隊に引き継ぐまで、
または傷病者に回復の変化が見られるまで、絶え間なく続けます。

方法

  1. 〔胸骨圧迫30回+人工呼吸2回〕を1サイクルとし、これを絶え間なく続行する。胸骨圧迫は「強く・速く」行うことを常に意識しながら。
  2. 周りに協力してくれる人がいたら、2分または5サイクルを目安に交代した方がよい。救助者が疲労して、圧迫の強さや圧迫の解除(胸の戻り)が不十分になるのを防ぐため。

メモ

「循環のサイン」のチェックは不要

従来の手順では、胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせを数分行うごとに、「循環のサイン」(傷病者に呼吸・せき・体の動きがあるか)を確認していました。しかし、一般の人がそれを正確にチェックするのは容易ではなく、心肺蘇生(とくに胸骨圧迫)が中断されるのも得策ではないことから、明らかに循環が回復したと判断できる状況になるまで(または救急隊に引き継ぐまで)、絶え間なく心肺蘇生を行うことに変更されました。

その後の手順

心肺蘇生中に(心肺蘇生の開始前でも)AEDが到着次第、ただちに傷病者に装着して使用を開始する。【AED】へ

救急隊(または専門の救護者)が到着したら、その指示に従って心肺蘇生を引き継ぐ。

傷病者に明らかな回復の変化(動き出す、うめき声を出す、普段どおりの息をしはじめる)が見られたら、心肺蘇生を中止。 必要なら回復体位【呼吸を確認】にし、慎重に様子を見守りながら救急隊を待つ。普段どおりの息が見られなくなったら心肺蘇生を開始。

参考

救急隊との連携

●119番通報時
傷病者の状況を簡潔に伝え、消防署の通信指令員から指示を受けるなどして、的確な救命行動がなされるようにしましょう。
●救急隊到着時
傷病者の経過や、心肺蘇生・AEDなどを行った状況について、できるだけ正確に情報を伝え、円滑に引き継ぎが行われるようにしましょう。