救命蘇生法の手順 到着次第すぐに AED〔自動体外式除細動器〕

方法 成人(8歳以上)

1. AED到着
AEDが届いたら、傷病者の頭の近くに置き、ただちに使う準備にかかる。救助者が2人以上のときは準備の間も心肺蘇生を継続し、1人だけのときは心肺蘇生を中断して行う。
2. 電源を入れる
電源ボタンを押して作動する機種と、フタを開けると自動的に電源が入る機種がある。電源がついたら音声ガイドとランプの点滅に従って操作する。
3. 電極パッドを貼る
傷病者の衣服を開き、胸をはだける。電極パッドを袋から取り出し、1枚を胸の右上(鎖骨の下で胸骨の右)、もう1枚を胸の左下側(脇の5~8cm下/乳頭の斜め下)の肌に直接貼り付ける。貼り付け位置は電極パッドや袋に描かれている絵を参考にする。
4. ケーブルをつなぐ
電極パッドのケーブルをAED本体の差込み口につなぐ
(※初めからケーブルを接続してある機種は、この手順不要)。
5. 心電図の解析
電極パッドが正しく貼られると、「傷病者から離れてください」との音声ガイドが流れ、自動的に心電図解析が始まる(解析ボタンを押すことが必要な機種もある)。このとき、誰も傷病者の体に触れていないことを確認。
6-1. 電気ショックの指示が出たら
電気ショックが必要と解析されると、それを知らせる音声ガイドとともに自動的に充電を開始。誰も傷病者に触れていないことを再確認し、「絶対触れないように」と周りの人に念を押す。充電が完了し、音声ガイドやボタン点滅による指示が出たら、ショックボタンを押す(この瞬間、傷病者に強い電気が流れ、体がビクッと突っ張る)。その後、「ただちに胸骨圧迫を開始してください」などの音声ガイドが流れるので、それに従う。
6-2. ショック不要の指示が出たら
電気ショックの不要を知らせ、胸骨圧迫による心肺蘇生再開をうながす音声ガイドが流れるので、それに従う。
7. 心肺蘇生とAEDを繰り返す
心肺蘇生再開から2分(この間に胸骨圧迫30回+人工呼吸2回の組み合わせを5サイクルほど行う)が経過すると、AEDが再び自動的に心電図解析を始める。傷病者から手を離し、解析結果が出たら指示に従う(6-1.または2.)。以後、この手順を繰り返す。
8. 続行/中止の判断
傷病者が(嫌がって)動き出すか、救急隊などに引き継ぐまで7.の手順を続行する。傷病者が動き出して心肺蘇生を中止しても、AEDの電極パッドははがざず、電源も入れたままにしておく。

メモ

電極パッドを貼るときの注意

●電極パッドは肌にしっかり密着させること。電極パッドと肌の間に空気が入っていると電気ショックがうまく伝わりません。

●傷病者の胸が濡れているときは、乾いたタオルなどで拭いてから電極パッドの貼り付けを。濡れたままでは電気が体表の水を伝わって流れてしまい、AEDの効果が不十分に。

●心臓ペースメーカーなどが埋め込まれている傷病者には、胸に硬いコブのような出っ張りが見られます。電極パッドは、その出っ張りから2~3cm以上離して貼り付けること。

●AEDの機種によっては、成人用(8歳以上)と小児用の2種類の電極パッドが入っています。絵などをよく確認し、間違わずに使用を(※1歳未満の乳児にはAEDを使用しません)。